一寸先で擦り合わせ メカトロ設計(その1)

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【連載目次】

 

 高度化するとは、メカトロ化することに等しいのです。メカトロニクスは下図のように物質(メカ)、エネルギー(エレキ)、情報(ソフト)の統合です。その3要素は、「物質」、「エネルギー」、「情報」を指します。

生産工学

 図1. メカトロニクス

 物質とは、機構と構造であり、そこに流れるエネルギー(電流)が伝達・変換されて、目的の仕事をします。

 情報はエネルギーの挙動を制御し、システムの安定化を司ります。これら3つの要素を擦り合わせ、バランスよく有機的に結びつけたとき、時空を超えた魅力的な機械システムが誕生します。

 現在、あらゆる場面で高度な情報化が啓発されています。もはや、その勢いを伏せることは皆無で、これを否定することもないでしょう。しかし、目先の情報にとらわれて高機能化を図ろうとする事は危険です。

 システムは先に述べたように、有機的に構成できるか否かが命題で、有機的とは多くの分野で一つの全体を形成し、互いに影響を及ぼし合って効果を発揮することです。

 つまり、心地よい配色の組...

 

 

【連載目次】

 

 高度化するとは、メカトロ化することに等しいのです。メカトロニクスは下図のように物質(メカ)、エネルギー(エレキ)、情報(ソフト)の統合です。その3要素は、「物質」、「エネルギー」、「情報」を指します。

生産工学

 図1. メカトロニクス

 物質とは、機構と構造であり、そこに流れるエネルギー(電流)が伝達・変換されて、目的の仕事をします。

 情報はエネルギーの挙動を制御し、システムの安定化を司ります。これら3つの要素を擦り合わせ、バランスよく有機的に結びつけたとき、時空を超えた魅力的な機械システムが誕生します。

 現在、あらゆる場面で高度な情報化が啓発されています。もはや、その勢いを伏せることは皆無で、これを否定することもないでしょう。しかし、目先の情報にとらわれて高機能化を図ろうとする事は危険です。

 システムは先に述べたように、有機的に構成できるか否かが命題で、有機的とは多くの分野で一つの全体を形成し、互いに影響を及ぼし合って効果を発揮することです。

 つまり、心地よい配色の組み合わせと一緒で「統一感」と「変化」のバランスをとることが重要です。当然、数が増えると複雑(濁る)になり、バランスをとるのが難しくなります。安定感が悪ければ、まずは少ない配色(要素)で検討してみるとよいでしょう。

 次回、メカトロ設計(その2) 論より知恵、知恵は図面へに続きます。

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この記事の著者

西田 麻実

ロボット、AI(人工知能)、自動化システムを支えるメカトロニクス (機械+電気+情報)技術の向上とものづくりへの興味関心を育む人財育成をサポートいたします。

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