工場でのIoTへの取組み方とは

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  IoT
 
 ICT企業で、ものづくり革新のためのIoTツール拡販で多くの企業を廻った経験から今回は、工場でのIoTへの取組み方とその分野の人材育成、予知保全、スマートグラスによる作業ナビについて解説します。
 

(1) IoTの取り組み状況

 現在は、多くの企業でIoTに取り組まれており、引き合いのあった企業を訪問するのですが、IoTに関する理解と対応は様々です。経営者のなかには、IoTを魔法の道具のように考えられている方もおられます。また対応部門も生産技術、情報システム部門、開発部門、調達部門、経営企画部門と様々でその会社でものづくり改革をどのように行ってきたかが大きく影響していると考えています。
 

(2) IoTツール活用の目的

 我々の理解では、IoTはものづくり改善を促進させるツールではなく、改善された業務や仕組みを維持していくためのツールだと考えています。従って、IoTを維持・導入・運用する部門は、改善を主体的に推進してきた部門や人材がベストだと考えています。IoT導入成果を最大限に発揮するには、とても重要だと考えます。
 

(3) 予知保全の取り組み方と人材育成について

 予知保全は、設備の稼働状況(チョコ停、ドカ停、環境などを含む)をPLC/センサー/パトライトなどから収集・蓄積し、ビッグデータ解析による分析を行い、傾向を把握した上で(機械学習を含む)、数日・数時間先などの予知をすることだと推察いたします。
 そうすると必要な知識は、MES(Manufacturing Execution System)、生産設備関連情報、データ解析技術、AI、ものづくりのための加工技術など異なる知識が必要となり、全体を一つの企業で賄うには多くの経営資源(人・物・金)と時間が必要となります。従って投入できる経営資源の程度にもよりますが、強みの部分に焦点を当て人材を選定・育成し、不足する部分は外部と連携して検討する(育成していく)のがベストであると思われます。
 

(4) スマートグラスによる作業ナビについて

 スマートグラスによる作業ナビでは、どのような作業に、どのようなナビを行うのかによって使用する知識や技術も変わってきます。例えば、単なる作業支援なのか、また現場での保守情報のデータ蓄積を行うのか、測定器連携などの機能、トレーニング用のシュミレーターなどの用途によって必要な人材や知識は異なってくるのです。
 簡単な作業支援だと、AR...
 
  IoT
 
 ICT企業で、ものづくり革新のためのIoTツール拡販で多くの企業を廻った経験から今回は、工場でのIoTへの取組み方とその分野の人材育成、予知保全、スマートグラスによる作業ナビについて解説します。
 

(1) IoTの取り組み状況

 現在は、多くの企業でIoTに取り組まれており、引き合いのあった企業を訪問するのですが、IoTに関する理解と対応は様々です。経営者のなかには、IoTを魔法の道具のように考えられている方もおられます。また対応部門も生産技術、情報システム部門、開発部門、調達部門、経営企画部門と様々でその会社でものづくり改革をどのように行ってきたかが大きく影響していると考えています。
 

(2) IoTツール活用の目的

 我々の理解では、IoTはものづくり改善を促進させるツールではなく、改善された業務や仕組みを維持していくためのツールだと考えています。従って、IoTを維持・導入・運用する部門は、改善を主体的に推進してきた部門や人材がベストだと考えています。IoT導入成果を最大限に発揮するには、とても重要だと考えます。
 

(3) 予知保全の取り組み方と人材育成について

 予知保全は、設備の稼働状況(チョコ停、ドカ停、環境などを含む)をPLC/センサー/パトライトなどから収集・蓄積し、ビッグデータ解析による分析を行い、傾向を把握した上で(機械学習を含む)、数日・数時間先などの予知をすることだと推察いたします。
 そうすると必要な知識は、MES(Manufacturing Execution System)、生産設備関連情報、データ解析技術、AI、ものづくりのための加工技術など異なる知識が必要となり、全体を一つの企業で賄うには多くの経営資源(人・物・金)と時間が必要となります。従って投入できる経営資源の程度にもよりますが、強みの部分に焦点を当て人材を選定・育成し、不足する部分は外部と連携して検討する(育成していく)のがベストであると思われます。
 

(4) スマートグラスによる作業ナビについて

 スマートグラスによる作業ナビでは、どのような作業に、どのようなナビを行うのかによって使用する知識や技術も変わってきます。例えば、単なる作業支援なのか、また現場での保守情報のデータ蓄積を行うのか、測定器連携などの機能、トレーニング用のシュミレーターなどの用途によって必要な人材や知識は異なってくるのです。
 簡単な作業支援だと、ARマーカーを使ってタブレットに必要情報を表示させるだけですので、AR(Augmented Reality:拡張現実)の知識や情報システム(無線・データベース等)の知識があれば十分となりますので、それらに知見のある社内人材を選任・育成することになります。
 以上、工場でのIoTへの取組み方は目的や用途によって幅が広く全てのことは書ききれませんが、当方の知識の範囲内で気づいた点を整理させて頂きました。
 

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この記事の著者

野中 帝二

労働人口が減少する中、生産性を維持・向上しつつ、収益性を向上するための支援を行います。特に自律的な改善活動の醸成や少子高齢化での経営など労働環境変化に対応した解決策をサポート致します。

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