商品企画七つ道具の特徴とは

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1.概要

 商品企画七つ道具は従来の品質管理やマーケティングの枠組みにとらわれず、真に顧客が望む商品ニーズを捉え、そこから優れた商品コンセプトを企画する方法です。

 この目的達成のためには単一の手法では難しいので、商品企画に有用な手法を七つ取り上げました。

 その手法は4群、調査、発想、最適化、リンクに分けられます。
調査の手法として顧客のニーズ、ウオンツを探り、定性的、定量的に方向付けを行う方法。
 1)インタビュー調査
 2)  アンケート調査
 3)ポジショニング分析

 発想の手法として独創的なコンセプトを発想する方法。
 4)アイデア発想法
 5)アイデア選択法

 最適化の手法としては,価格と品質とのトレードオフ関係を見ながら顧客ニーズに合った最適なコンセプトを決定する手法。
 6)コンジョイント分析

 リンクの手法としては得られた商品コンセプトを設計にリンクする手法。
 7)品質表


2.商品企画七つ道具の特徴

顧客視点と技術視点
 商品開発では品質を重視する技術的視点が多い中、顧客を中心とした顧客ニーズを徹底的に探り、顧客ニーズを活かした技術開発を行います。 

上流工程の企画にメスを入れる

 商品開発の一般的な流れは①企画→②設計→③試作→④生産→⑤販売になります。
設計、試作、生産後に顧客ニーズに合わせるのではなく、開発の最も上流工程である企画の段階に顧客ニーズを組み入れ、確実に顧客価値を実現する方法です。


商品企画システム化
 一般的な商品企画においては,一部のカリスマ企画者や専門性に長けた組織によるヒット商品を生み出す方法がよく見られます。
この状態は商品企画を行う上で属人的な要素が多く含まれ、企画担当者の標準化にならないのです。
 一般的な手法を活用して、システムとして流すことによって売れる商品企画ができる内容になっています。


顧客価値創造
 売れる商品、つまり、顧客が買って頂ける商品は一番顧客が知っています。常に顧客との付加価値創造を目指すことによって、売れる商品であるヒット商品の企画を行います。


経営戦略中の商品戦略
商品企画七つ道具は4P中の製品戦略に相当します。


仮説構築
商品企画七つ道具を活用する前に、商品戦略や競合他社の状況など、商品市場の確認などの事前の情報収集が大切です。

3.手法説明
(1)顧客調査
・インタビュー調査
 少数の顧客に対して商品案を突っ込んで意見を聞く方法、顧客の意識を探り新商品のヒントや仮説を得る場面で活用します。

・アンケート調査
 多数の顧客を対象にしてアンケート用紙に商品評価をし、顧客の購入意向を確認する方法です。インタビュー調査から得られたニーズが多数の顧客も評価されるか検証します。

(2)企画案の方向
・ポジショニング分析
 顧客が知覚している商品イメージに基づいて商品、仮...

1.概要

 商品企画七つ道具は従来の品質管理やマーケティングの枠組みにとらわれず、真に顧客が望む商品ニーズを捉え、そこから優れた商品コンセプトを企画する方法です。

 この目的達成のためには単一の手法では難しいので、商品企画に有用な手法を七つ取り上げました。

 その手法は4群、調査、発想、最適化、リンクに分けられます。
調査の手法として顧客のニーズ、ウオンツを探り、定性的、定量的に方向付けを行う方法。
 1)インタビュー調査
 2)  アンケート調査
 3)ポジショニング分析

 発想の手法として独創的なコンセプトを発想する方法。
 4)アイデア発想法
 5)アイデア選択法

 最適化の手法としては,価格と品質とのトレードオフ関係を見ながら顧客ニーズに合った最適なコンセプトを決定する手法。
 6)コンジョイント分析

 リンクの手法としては得られた商品コンセプトを設計にリンクする手法。
 7)品質表


2.商品企画七つ道具の特徴

顧客視点と技術視点
 商品開発では品質を重視する技術的視点が多い中、顧客を中心とした顧客ニーズを徹底的に探り、顧客ニーズを活かした技術開発を行います。 

上流工程の企画にメスを入れる

 商品開発の一般的な流れは①企画→②設計→③試作→④生産→⑤販売になります。
設計、試作、生産後に顧客ニーズに合わせるのではなく、開発の最も上流工程である企画の段階に顧客ニーズを組み入れ、確実に顧客価値を実現する方法です。


商品企画システム化
 一般的な商品企画においては,一部のカリスマ企画者や専門性に長けた組織によるヒット商品を生み出す方法がよく見られます。
この状態は商品企画を行う上で属人的な要素が多く含まれ、企画担当者の標準化にならないのです。
 一般的な手法を活用して、システムとして流すことによって売れる商品企画ができる内容になっています。


顧客価値創造
 売れる商品、つまり、顧客が買って頂ける商品は一番顧客が知っています。常に顧客との付加価値創造を目指すことによって、売れる商品であるヒット商品の企画を行います。


経営戦略中の商品戦略
商品企画七つ道具は4P中の製品戦略に相当します。


仮説構築
商品企画七つ道具を活用する前に、商品戦略や競合他社の状況など、商品市場の確認などの事前の情報収集が大切です。

3.手法説明
(1)顧客調査
・インタビュー調査
 少数の顧客に対して商品案を突っ込んで意見を聞く方法、顧客の意識を探り新商品のヒントや仮説を得る場面で活用します。

・アンケート調査
 多数の顧客を対象にしてアンケート用紙に商品評価をし、顧客の購入意向を確認する方法です。インタビュー調査から得られたニーズが多数の顧客も評価されるか検証します。

(2)企画案の方向
・ポジショニング分析
 顧客が知覚している商品イメージに基づいて商品、仮説案の位置関係を図で示し、購入方向を決定します。


(3)独創的アイデアを付加
・アイデア発想法
 ポジショニング分析で得られた企画の方向に基づいてさらに独創的なアイデアを付加して商品力を高めます。

・アイデア選択法
 アイデア発想で得られた方法が顧客ニーズに合致しているか確認します。


(4)商品コンセプト
・コンジョイント分析
 顧客ニーズを合致した商品を開発するために商品コンセプト(仕様)を評価して最適な商品コンセプトを検証します。

・品質表
 最適商品コンセプトが決定した後、企画情報を設計段階に活かす方法です。

【関連解説:商品企画七つ道具】

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この記事の著者

石川 朋雄

日本のものづくりは品質向上に切磋琢磨し,高品質な商品を開発しました。高品質商品と顧客価値創造を融合する商品企画のシステム化を提案します。

日本のものづくりは品質向上に切磋琢磨し,高品質な商品を開発しました。高品質商品と顧客価値創造を融合する商品企画のシステム化を提案します。


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