商品企画七つ道具を活用して鉄道イベントは成功するか

1. 売上増加のための施策

 2018年2月25日京急電鉄で創業120周年の大規模なイベントがありました。京急線主要駅にて12万セット(24万枚)の京急線全線で使える無料の往復優待きっぷを配布しました。私は京急蒲田駅にて朝9時から配布列に並びましたが、既に沢山の人が集まり午後も盛況だったようです。また、メディアにも多数紹介され鉄道会社的に成功したといえます。
 
 
商品企画
 

2. ものづくりと製品の無料配布

 これを商品企画七つ道具の手法を活用してこのイベントが実現できるか考えました。結論は「できません」。その理由として、商品企画七つ道具は何を作るかの問題解決のツールだからです。第一に、鉄道会社の売上増大や集客において商品企画七つ道具は活用はできます。何万人の人数を集めるという目標を立てますが、目標は問題ではないからです。第二に、問題として考えた場合、京急電車に乗車してもらう対策という視点で捉えます。
 
 ただ、乗車してもらうためには日頃から乗車している客から改善、改良から上がるもの、解決するものにします。第三に、往復無料で優待きっぷを配るという視点が問題解決でありません。きっぷ配布は売上や集客であり、解決につながりません。この対策、先行投資が大きすぎて失敗したら藻屑に消えます。
 
 ものづくりでいえば、無料で製品を配ることと同じです。マーケティング的発想です、イベントは、集客、話題作りの一つです。無料で製品配布は役員のエビデンスに叶いません。無料で製品を配れば、新しい顧客、市場は開拓できます。一過性に過ぎず、その顧客が継続的に購入してくれるか根本的解決にはなっていないのです。
 
 極端に問題解決の視点で考えた場合、永続的にこのイベントを続け改良、改善を行う必要性があります。どうでしょうか、大規模なイベントは会社にも負担が大きくできて一年に一度、下手をすれば数年に一度です。となれば、問題解決にならないのです。イベント後、問題、課題はでてきています。ただ、次のイベントにつながる機会が未定です。そのため、問題解決ができなくなります。
 
 改めて、商品企画七つ道具はマーケティングで使えません。
 

3. 鉄道会社で商品企画七つ道具の活用

 鉄道会社は利用者モニターを募集しています。このモニターは利用者なので、この利用者からヒアリング、グループインタビューを行って、不満要望を解決している企業があります。私は2年前東急電鉄のモニターに当選して、不満をアンケートで伝えました。実際、電車にベビーカー置き場を設けた車両、つり革が低い車両が登場しました。利用者から頂いた声を新しい対策として、検証する場合はアンケート調査やコンジョイント分析を活用することになりますが、鉄道会社でこれらの手法を活用したと聞いたことがありません。
 
 なぜなら、現状不満が数字的検証する必要もなく、東急電鉄の場合は、混雑緩和と遅延防止が急務なのです。エビデンスを取る必要もなく、当たり前の鉄道サービスが提供できていないので、この膨大な不満を解決する対策に検証は不要なのです。
 

この記事の著者

石川 朋雄

日本のものづくりは品質向上に切磋琢磨し,高品質な商品を開発しました。高品質商品と顧客価値創造を融合する商品企画のシステム化を提案します。

商品企画七つ道具(P7)を活用した顧客視点の商品企画コンサルティングを行います。この根幹は「顧客価値追求の仕組み」を提案致します。 企画の流れは顧客の声を的確に仮説構築(インタビュー調査)を行います。仮説案を元に顧客の声と商品の客観的な…

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