不良ゼロ対策の手順:7つのステップとは

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 不良対策 
 「不良ゼロへの手順:7つのステップ」は、自社の置かれている現状の実力をまず客観視して、そこから実現可能な内容から、段階的に「不良ゼロ」実現を目指して取り組んでいく手法を取っていきます。
 
 実際に起こっている不良を緊急に止めなければならないのは当然ですが、自社のレベル、能力に合わせた手法を体系的に取り入れて、品質レベルを段階的に上げて行くような取組みが必要になってきます。いきなり、レベルの高い手法に取り組んでも、消化不良を起こし、返って逆効果になってしまいます。では、以下に「不良ゼロへの手順:7つのステップ」の概要を説明します。
 

ステップ1.自社の実力を客観視する

 
 ・日常の問題解決活動レベルを測る
 ・QMSの運用レベルを測る
 
 まず、経営者や社員の品質に対する取り組み姿勢、ISO9000などのマネジメントシステムの構築内容と運用レベルを評価します。これによって、どのレベルから対策をスタートするかが決定します。
 

ステップ2.品質管理の正しい理解と、自社の到達目標の設定

 
 ・品質管理の目的の明確化
 ・自社が目指す品質レベルの姿とは
 
 扱う業種や顧客によって、自社の製品・サービスが実現しなければならない品質レベルを決定します。例えば、加工精度は±0.1mmmなのか、±0.001mmなのかによって、設備や計測器は異なってきます。また、管理手順も複雑になってきます。どこまでの品質レベルを提供するのか、これは経営トップの方針として明確にする必要があります。
 

ステップ3.発生した問題を確実に解決する

 
 ・不良の直接原因(真の原因)追究
 ・慢性不良の原因究明と対策
 ・市場流出不良対策
 ・協力工場不良対策
 
 このステップは、まだいわゆる「もぐらたたき」の段階です。出た問題に対して対策を打つ。一般的に行われていることで、これが、品質改善活動、「カイゼン」と勘違いしている企業もあるくらいです。もちろん、出た問題を対策することは疎かにはできませんが、ここを抜け出し一つ上のステップに進歩しない限り、「不良ゼロ」達成は望めません。
 

ステップ4.工程設計

 
 ・QC工程表の作成
 ・工程FMEA
 ・ヒューマンエラー対策
 
 ステップ4まで来ると、「もぐらたたき」ではなく、未然に問題のつぶし込みを行う「予防処置」が形になってきます。「形」だけはできている企業もありますが、中身が伴っていない場合も意外と多いのです。FMEAは、規定でやることになっているから、体裁を整えるだけの企業も多いのではないでしょうか。工程の機能設計と、信頼性設計の考え方を、正しく理解する必要があります。
 

ステップ5.4M変動管理

 
 ・設計変更管理
 ・初期流動管理
 ・特殊工程管理
 ・機械設備管理
 ・人の管理
 ・材料部品の管理
 ・協力工場の管理
 
 製造工程は、波風絶たずに整然と流れるのが理想ですがそうはいきません。多品種少量生産では、製品の切り替えが頻繁に起こります。また設計変更も翻発するでしょう。4M変動をうまく管理するのは、並大抵ではできません。各社ノウハウの蓄積に努めなければばらないところです。
 

ステップ6.見える管理

 
 ・管理図
 ・変更通知
 ・トレーサビリティー管理
 
 問題発生の要因となる4Mの監視、結果のQCDの監視を行い、それを見える化することで、どこに問題があるのかが顕在化します。あらかじめ予想される4Mの変動に関しては、関連部門で情報共有を行う必要があります。見える管理は、アクションを取るトリガとして重要な役割を担っています。
 

ステップ7.目指すQMS構築に向けて

 
 ・いかに継続的改善を続...
 不良対策 
 「不良ゼロへの手順:7つのステップ」は、自社の置かれている現状の実力をまず客観視して、そこから実現可能な内容から、段階的に「不良ゼロ」実現を目指して取り組んでいく手法を取っていきます。
 
 実際に起こっている不良を緊急に止めなければならないのは当然ですが、自社のレベル、能力に合わせた手法を体系的に取り入れて、品質レベルを段階的に上げて行くような取組みが必要になってきます。いきなり、レベルの高い手法に取り組んでも、消化不良を起こし、返って逆効果になってしまいます。では、以下に「不良ゼロへの手順:7つのステップ」の概要を説明します。
 

ステップ1.自社の実力を客観視する

 
 ・日常の問題解決活動レベルを測る
 ・QMSの運用レベルを測る
 
 まず、経営者や社員の品質に対する取り組み姿勢、ISO9000などのマネジメントシステムの構築内容と運用レベルを評価します。これによって、どのレベルから対策をスタートするかが決定します。
 

ステップ2.品質管理の正しい理解と、自社の到達目標の設定

 
 ・品質管理の目的の明確化
 ・自社が目指す品質レベルの姿とは
 
 扱う業種や顧客によって、自社の製品・サービスが実現しなければならない品質レベルを決定します。例えば、加工精度は±0.1mmmなのか、±0.001mmなのかによって、設備や計測器は異なってきます。また、管理手順も複雑になってきます。どこまでの品質レベルを提供するのか、これは経営トップの方針として明確にする必要があります。
 

ステップ3.発生した問題を確実に解決する

 
 ・不良の直接原因(真の原因)追究
 ・慢性不良の原因究明と対策
 ・市場流出不良対策
 ・協力工場不良対策
 
 このステップは、まだいわゆる「もぐらたたき」の段階です。出た問題に対して対策を打つ。一般的に行われていることで、これが、品質改善活動、「カイゼン」と勘違いしている企業もあるくらいです。もちろん、出た問題を対策することは疎かにはできませんが、ここを抜け出し一つ上のステップに進歩しない限り、「不良ゼロ」達成は望めません。
 

ステップ4.工程設計

 
 ・QC工程表の作成
 ・工程FMEA
 ・ヒューマンエラー対策
 
 ステップ4まで来ると、「もぐらたたき」ではなく、未然に問題のつぶし込みを行う「予防処置」が形になってきます。「形」だけはできている企業もありますが、中身が伴っていない場合も意外と多いのです。FMEAは、規定でやることになっているから、体裁を整えるだけの企業も多いのではないでしょうか。工程の機能設計と、信頼性設計の考え方を、正しく理解する必要があります。
 

ステップ5.4M変動管理

 
 ・設計変更管理
 ・初期流動管理
 ・特殊工程管理
 ・機械設備管理
 ・人の管理
 ・材料部品の管理
 ・協力工場の管理
 
 製造工程は、波風絶たずに整然と流れるのが理想ですがそうはいきません。多品種少量生産では、製品の切り替えが頻繁に起こります。また設計変更も翻発するでしょう。4M変動をうまく管理するのは、並大抵ではできません。各社ノウハウの蓄積に努めなければばらないところです。
 

ステップ6.見える管理

 
 ・管理図
 ・変更通知
 ・トレーサビリティー管理
 
 問題発生の要因となる4Mの監視、結果のQCDの監視を行い、それを見える化することで、どこに問題があるのかが顕在化します。あらかじめ予想される4Mの変動に関しては、関連部門で情報共有を行う必要があります。見える管理は、アクションを取るトリガとして重要な役割を担っています。
 

ステップ7.目指すQMS構築に向けて

 
 ・いかに継続的改善を続けるか
 ・自社独自のQMSを構築するには
 ・品質経営とは
  
 世の中に完ぺきなものはありません。一度構築した「QMS:品質マネジメントシステム」も、たゆまぬ改善努力によってより完璧なシステムにしていくことが求められます。ISOの要求事項を満足することを目的としたシステムから脱皮して、真に自社の目指すシステムは何かを考え、顧客に対してどのような製品・サービスを提供するのか?そのためにはQMSはどうあるべきかを経営者をはじめ全社一体となって考え追求していかなければならないのです。
 
  

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この記事の著者

濱田 金男

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

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