保管費率( Carrying Cost % )

投稿日

 inf52在庫は罪庫と呼ばれる通り、在庫は持たない方がいいのですが、現実には物流倉庫でこれらの在庫品の管理をすることになります。物流倉庫内の在庫金額は棚卸をして把握する必要があります。各品目の単価と数量を調べて在庫総額を求め、これが期首在庫や期末在庫金額になります。ちなみに、期中在庫は一般的には(期首在庫+期末在庫)÷2で求められます。
 
 物流倉庫の在庫ですが、実は「保管費」と呼ばれるコストが別にかかっています。これは以下のものがあげられます。
 
1.貯蔵保管に要する設備費用及び光熱費など(自社倉庫の建設費または倉庫の原価償却費なども含む)
2.保険料(倉庫への保険)
3.運搬費用(人件費)
4.棚卸し費用(人件費)
5.陳腐化、設計変更による未利用品、目減りや盗難、台帳との差異による損失処理
6.資本の費用(在庫はその分資金を投資することになり、この資金調達借入金利、及び在庫金額分を他の投資に回せない機会損失なども含む)
 
 それぞれは、経理部門からデータを取り出すことができます。この保管費ですが、保管費率(Carrying Cost %)であらわされ、1年間の1個当たりの保管費が単価の何%かを意味します。
 
 事例を挙げますと、日用雑多用度品の製造・販売会社A社の在庫(期末在庫)は、8,000万円で、保管費率は25%でした。
 
 例えば製品aの単価が1000円であった場合、保管費率25%ですから年間に1個当たり250円の保管費となります。または、「期末在庫8,000万円の在庫ボリュームだが、年間にこの金額の25%にあたる2,000万円のコストが別にかかっている」と捉えると保管費率の実感が湧きます。
 
 この保管費率を考慮すれば、一度の大量購買による割引単価も、実は必ずしも企業のメリットにならず、むしろ割引は少なく、小ロットでの仕入がメリットのある場合もあります。このA社は、人件費以外で陳腐化・未利用品の帳消し処理、それと同時に企業規模からみても過剰在庫からくる資本費用・機会損失のウェイトが大きい状況でした。
 
 当たり前ですが、最低限の人員で倉...
 inf52在庫は罪庫と呼ばれる通り、在庫は持たない方がいいのですが、現実には物流倉庫でこれらの在庫品の管理をすることになります。物流倉庫内の在庫金額は棚卸をして把握する必要があります。各品目の単価と数量を調べて在庫総額を求め、これが期首在庫や期末在庫金額になります。ちなみに、期中在庫は一般的には(期首在庫+期末在庫)÷2で求められます。
 
 物流倉庫の在庫ですが、実は「保管費」と呼ばれるコストが別にかかっています。これは以下のものがあげられます。
 
1.貯蔵保管に要する設備費用及び光熱費など(自社倉庫の建設費または倉庫の原価償却費なども含む)
2.保険料(倉庫への保険)
3.運搬費用(人件費)
4.棚卸し費用(人件費)
5.陳腐化、設計変更による未利用品、目減りや盗難、台帳との差異による損失処理
6.資本の費用(在庫はその分資金を投資することになり、この資金調達借入金利、及び在庫金額分を他の投資に回せない機会損失なども含む)
 
 それぞれは、経理部門からデータを取り出すことができます。この保管費ですが、保管費率(Carrying Cost %)であらわされ、1年間の1個当たりの保管費が単価の何%かを意味します。
 
 事例を挙げますと、日用雑多用度品の製造・販売会社A社の在庫(期末在庫)は、8,000万円で、保管費率は25%でした。
 
 例えば製品aの単価が1000円であった場合、保管費率25%ですから年間に1個当たり250円の保管費となります。または、「期末在庫8,000万円の在庫ボリュームだが、年間にこの金額の25%にあたる2,000万円のコストが別にかかっている」と捉えると保管費率の実感が湧きます。
 
 この保管費率を考慮すれば、一度の大量購買による割引単価も、実は必ずしも企業のメリットにならず、むしろ割引は少なく、小ロットでの仕入がメリットのある場合もあります。このA社は、人件費以外で陳腐化・未利用品の帳消し処理、それと同時に企業規模からみても過剰在庫からくる資本費用・機会損失のウェイトが大きい状況でした。
 
 当たり前ですが、最低限の人員で倉庫内は整理整頓を保つ、最小限の在庫を持つ、必要な在庫を小さいロットで持つ、在庫品は清潔に保つ、先入先出のできる配置にするなど、在庫に対して、よりシビアな対応が求められます。また、台帳と現物が正確な現品管理化は言うまでもありません。
 
 仕入先と売り先との緊密なコミュニケーションによる需要動向の把握も重要です。売り先からの需要状況(予測)を掴み、自社の在庫状況を見ながら仕入先へ在庫補充の手当をおこない、在庫の適正化をはかることが求められます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

松村 晴彦

現地現物主義で、アジア・サプライ・チェーンを応援します!

現地現物主義で、アジア・サプライ・チェーンを応援します!


「生産工学」の他のキーワード解説記事

もっと見る
スマートファクトリー、目的と課題とは

    インダストリー4.0のキーワードであるスマートファクトリーを受けて、製造業を中心に、最新技術を使って今までの業務をカイ...

    インダストリー4.0のキーワードであるスマートファクトリーを受けて、製造業を中心に、最新技術を使って今までの業務をカイ...


ロボットSIerとは ロボットシステム構築の流れとは(その1)

 今回は、自社工場にロボットシステムを導入し、稼働することを対象にした同システム構築の流れを解説します。 1. 経営者から導入に向けた事前検討を始め、実...

 今回は、自社工場にロボットシステムを導入し、稼働することを対象にした同システム構築の流れを解説します。 1. 経営者から導入に向けた事前検討を始め、実...


工場内のレイアウト(設備配置)とその手順

  【目次】   1. 設備レイアウトの重要性    工場内には多くの設備が設置されていま...

  【目次】   1. 設備レイアウトの重要性    工場内には多くの設備が設置されていま...


「生産工学」の活用事例

もっと見る
マシニングセンターの現実の精度とは

   今回は、マシニングセンターの精度についてオペレーターの方々に感じることを取り上げます。   1. テーブルの送り速度につい...

   今回は、マシニングセンターの精度についてオペレーターの方々に感じることを取り上げます。   1. テーブルの送り速度につい...


国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その8)

 前回のその7に続いて解説します。   8. 加飾技術(その1) (1) インクジェット加飾  セーレンのブースでは、テクスチャーを付与し...

 前回のその7に続いて解説します。   8. 加飾技術(その1) (1) インクジェット加飾  セーレンのブースでは、テクスチャーを付与し...


動作分析を通じた現場作業標準化のポイント

 今回は改善の基本、「標準化」に取り組んでいる現場で、うまくいっている事例とそうでない事例を解説します。  図1.「OTRS」コンセプト  O...

 今回は改善の基本、「標準化」に取り組んでいる現場で、うまくいっている事例とそうでない事例を解説します。  図1.「OTRS」コンセプト  O...