単なる保管業務か 物流倉庫業務について考える(その1)

更新日

投稿日

サプライチェーン

◆ 保管業務プラスアルファとは

 物流はサプライチェーンの一環という位置づけになりますので、単なる保管業務だけでは競争力を保つことはできないかもしれません。別の言い方をすると高い価格での受注は難しいということです。事業者側の観点からも倉庫とはものを保管するサービスであるということになるかもしれません。物流倉庫といえば真っ先に在庫を保管するというイメージがわくかもしれません。

 確かに倉庫本来の目的はものの保管ということになるでしょう。荷主側も良い品質を保った製品を保管してもらえる会社があれば、そこに発注することになるでしょう。しかし最近は物流はサプライチェーンの一環という位置づけになりますので、単なる保管業務だけでは競争力を持つことはできないのです。別の言い方をすると、高い価格での受注は難しいということになるでしょう。保管業務にプラスアルファを加えて初めて競争力ある商品になるのです。

 

 ではそのプラスアルファとは何でしょうか。

 その一つが在庫管理です。「在庫管理は当たり前にやっているよ」、という声が聞こえてきそうですが、そのレベルが問題なのです。単にものの入り出だけの管理でしたら在庫管理とは呼べないでしょう。

 長期在庫の状況や、欠品しそうな情報をアイテム単位に把握し、荷主に都度フィードバックできることが必要ではないでしょうか。

 

 さらにもう一歩踏み込んで、荷主に代わって発注業務を行うことが望まれます。在庫が少なくなれば標準在庫量まで補充し、在庫が過剰気味になればしばらく発注を見合わせるなどの判断も倉庫業者側で行います。ここまで来ればサプライチェーンの一部をコントロールすることになりますので、お金を払ってでもその倉庫業者に発注しようということになるでしょう。

 通信販売業務の代行も付加価値業務といえるでしょう。顧客からの...

サプライチェーン

◆ 保管業務プラスアルファとは

 物流はサプライチェーンの一環という位置づけになりますので、単なる保管業務だけでは競争力を保つことはできないかもしれません。別の言い方をすると高い価格での受注は難しいということです。事業者側の観点からも倉庫とはものを保管するサービスであるということになるかもしれません。物流倉庫といえば真っ先に在庫を保管するというイメージがわくかもしれません。

 確かに倉庫本来の目的はものの保管ということになるでしょう。荷主側も良い品質を保った製品を保管してもらえる会社があれば、そこに発注することになるでしょう。しかし最近は物流はサプライチェーンの一環という位置づけになりますので、単なる保管業務だけでは競争力を持つことはできないのです。別の言い方をすると、高い価格での受注は難しいということになるでしょう。保管業務にプラスアルファを加えて初めて競争力ある商品になるのです。

 

 ではそのプラスアルファとは何でしょうか。

 その一つが在庫管理です。「在庫管理は当たり前にやっているよ」、という声が聞こえてきそうですが、そのレベルが問題なのです。単にものの入り出だけの管理でしたら在庫管理とは呼べないでしょう。

 長期在庫の状況や、欠品しそうな情報をアイテム単位に把握し、荷主に都度フィードバックできることが必要ではないでしょうか。

 

 さらにもう一歩踏み込んで、荷主に代わって発注業務を行うことが望まれます。在庫が少なくなれば標準在庫量まで補充し、在庫が過剰気味になればしばらく発注を見合わせるなどの判断も倉庫業者側で行います。ここまで来ればサプライチェーンの一部をコントロールすることになりますので、お金を払ってでもその倉庫業者に発注しようということになるでしょう。

 通信販売業務の代行も付加価値業務といえるでしょう。顧客からのオーダーに基づき商品をピッキングし、梱包したうえで発送を行います。この中には当然のことながら在庫管理も含まれますので、商品のメーカーへの発注も代行することになるかもしれません。

 さらに通信販売では返品への対応業務が含まれます。この返品が結構厄介なのです。荷主側からするとこの業務をしっかりとやってくれる業者は頼もしく感じられることでしょう。

 

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCM:サプライチェーンマネジメントの最前線 【連載記事紹介】 

  ◆ SCM:サプライチェーンマネジメントとは サプライチェーンマネジメントのレベルアップは、一朝一夕ではできません。長い時間が掛かり...

  ◆ SCM:サプライチェーンマネジメントとは サプライチェーンマネジメントのレベルアップは、一朝一夕ではできません。長い時間が掛かり...


SCMの一環としての輸送とは 儲ける輸送改善 (その3)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その6)

第6回 道具4「物流会社選定ツール」(下) 前回のその5に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ6】回答...

第6回 道具4「物流会社選定ツール」(下) 前回のその5に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ6】回答...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流で小改善を積み上げよう

1. 改善はスピードが重要  改善に取り組む際に大きい小さいはあまり関係ないと思います。問題があったらすぐに改善して修正する。大きさよりもスピードが重要...

1. 改善はスピードが重要  改善に取り組む際に大きい小さいはあまり関係ないと思います。問題があったらすぐに改善して修正する。大きさよりもスピードが重要...


荷主と物流事業者の関係は「ビジネスパートナー」の関係 荷主と物流事業者の関係(その5)

        言うまでもありませんが、荷主と物流事業者の関係は「ビジネスパートナー」の関係です。強者と弱者の関係では上手くいくものも上手くいかなく...

        言うまでもありませんが、荷主と物流事業者の関係は「ビジネスパートナー」の関係です。強者と弱者の関係では上手くいくものも上手くいかなく...


BCPを本来業務として位置づけ、会社を守る 物流BCPについて考える(その11)

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...