環境変化と計画見直し S&OPと物流(その1)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆「量のマネジメント」から始めよう

 S&OP、つまり Sales and operation が最近にわかに脚光を浴び始めました。今までのSCMの概念に加え、販売や経営の要素を加えたものがS&OPだと言えそうです。市場の変化や客先のオーダー変更を速やかに把握し、それを経営の意思判断材料として織り込んでいくことが求められます。

 会社は中期経営計画や年度計画を作成していますが、自社を取り巻く環境が変化すれば、既存の計画も変更しなければなりません。その時にポイントとなるのが会社収益計画の状況も見ながら、当初の目標を達成できるように会社を導いていくことにあるのではないでしょうか。

 従来は計画の変更は「量のマネジメント」が中心でしたが、これからは「金額のマネジメント」がより重要度を増してきます。

 企業は年度計画を策定した後に実際に生産を行う場合には当初計画を変更します。需要予測が実際に販売する段階となるとそれが外れていることに気づきます。当然のことながら当初計画を修正することになります。計画変更を繰り返すことで市場の要望に極力近づけていくことになるのです。

 これをやらない会社も結構あるのです。一度決めた計画を死守した結果、需要が外れた場合は売りのがしを発生させたり、不要在庫を発生させたりするのです。

 第一歩としては「量のマネジメント」だけはやっていくようにしましょう。ちなみにあるメーカーの「量の変更」例を示しておきます。

    ...

サプライチェーンマネジメント

◆「量のマネジメント」から始めよう

 S&OP、つまり Sales and operation が最近にわかに脚光を浴び始めました。今までのSCMの概念に加え、販売や経営の要素を加えたものがS&OPだと言えそうです。市場の変化や客先のオーダー変更を速やかに把握し、それを経営の意思判断材料として織り込んでいくことが求められます。

 会社は中期経営計画や年度計画を作成していますが、自社を取り巻く環境が変化すれば、既存の計画も変更しなければなりません。その時にポイントとなるのが会社収益計画の状況も見ながら、当初の目標を達成できるように会社を導いていくことにあるのではないでしょうか。

 従来は計画の変更は「量のマネジメント」が中心でしたが、これからは「金額のマネジメント」がより重要度を増してきます。

 企業は年度計画を策定した後に実際に生産を行う場合には当初計画を変更します。需要予測が実際に販売する段階となるとそれが外れていることに気づきます。当然のことながら当初計画を修正することになります。計画変更を繰り返すことで市場の要望に極力近づけていくことになるのです。

 これをやらない会社も結構あるのです。一度決めた計画を死守した結果、需要が外れた場合は売りのがしを発生させたり、不要在庫を発生させたりするのです。

 第一歩としては「量のマネジメント」だけはやっていくようにしましょう。ちなみにあるメーカーの「量の変更」例を示しておきます。

  • 中期経営計画:3ヶ年の生産計画
  • 年度計画:初年度の生産計画(月別内訳)
  • 6ヶ月計画:上期・下期の月別生産計画
  • 3ヶ月計画:向こう3ヶ月の生産計画(当月確定、次月・次々月は内示)
  • 月次計画:月間生産計画(日別内示)
  • 週次計画:週別生産計画
  • デイリー計画:日々の確定生産計画

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントにおけるERP -ソフトウェアの本質的な方向性-

 ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)を直訳すると、経営資源計画システムとなります。しかし日本では、統合業務パッケージと訳された言葉が使われて...

 ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)を直訳すると、経営資源計画システムとなります。しかし日本では、統合業務パッケージと訳された言葉が使われて...


工場内物流の三つの役割

 生産効率を劇的に向上する工場内物流の三つの役割を、解説します。顧客のオーダーに基づき資材を調達して超短納期でものづくりを行い、効率的かつ低コスト物流にて...

 生産効率を劇的に向上する工場内物流の三つの役割を、解説します。顧客のオーダーに基づき資材を調達して超短納期でものづくりを行い、効率的かつ低コスト物流にて...


サプライチェーンマネジメントの最終目標とは

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  水平展開の前にすること:物流の改善ポイント(その5)

  ◆改善は、まず一か所だけ導入する 単なる発注者とサプライヤーの力関係だけで現状を変えようとしても上手くいくはずがありません。そうでは...

  ◆改善は、まず一か所だけ導入する 単なる発注者とサプライヤーの力関係だけで現状を変えようとしても上手くいくはずがありません。そうでは...


購買業務の要点:サプライヤー評価

 前回のその9に続いて解説します。購買業務として欠かせない重要業務があります。それがサプライヤーマネジメントです。取引先であるサプライヤーと厳格な関係を築...

 前回のその9に続いて解説します。購買業務として欠かせない重要業務があります。それがサプライヤーマネジメントです。取引先であるサプライヤーと厳格な関係を築...


サプライチェーンマネジメント 物流マンの視野を広げる(その2)

  ◆ 在庫コントロールの取り組み  物流は調達時の輸送や荷姿、工場内運搬などの物流業務、顧客への販売過程における倉庫内在庫管理や配送な...

  ◆ 在庫コントロールの取り組み  物流は調達時の輸送や荷姿、工場内運搬などの物流業務、顧客への販売過程における倉庫内在庫管理や配送な...