購買業務の要点:サプライヤー評価

更新日

投稿日

 SCM前回のその9に続いて解説します。購買業務として欠かせない重要業務があります。それがサプライヤーマネジメントです。取引先であるサプライヤーと厳格な関係を築いていくことは大切なことです。

 サプライヤーマネジメントとして最初にやっていくべきことは「サプライヤー評価」です。いつも申し上げているSQDCMの5つの分野から公平公正に評価していくことが求められます。

 この評価は最低でも年に一回は実施しておきたいものです。評価は、その時点で慌てて実施するのではなく、毎月定められた項目についてデータ取得をしておき、それを集約したものを年次評価とします。

 この評価の目的は何でしょうか。それは評価結果に基づき、次年度の発注シェアを決めることにあります。努力して成績を向上させた会社にはより多くのシェアを与えます。

 評価結果に基づきA、B、C、Dの4ランク程度に分類するとよいのではないかと思います。評価結果は必ず数字で示し、上位からAランク、Bランクと分類します。そして、Dランクになったサプライヤーは、原則として取引停止対象となります。それだけにこの評価は重要であり慎重に行う必要があるのです。

 評価項目とレベルについては、誰が採点しても同じ結果となるように工夫する必要があります。例えば、不良納入が年間3件以上あったら「1点」、不良がゼロだったら「4点」というように、できるだけデジタルで測定できるようにしていくことが望ましいでしょう。

 評価結果に基づき、優秀サプライヤー表彰を同時に実施することをお勧めします。そして優秀サプライヤーには報奨金など、なにかしらのインセンティブを出してあげるとよいのではないでしょうか。

 年に一度、サプライヤー大会を開催し、そこで表彰式を実施します。全サプライヤーの前で表彰されることはサプライヤーにとって名誉なことでしょう。

 また、表彰につきましては品質大賞や改善大賞などといったカテゴリー別の賞を設けてみることもよいかもしれません。なぜなら、カテゴリー別にすれば表彰されるサプライヤーが増える可能性があるからです。

 サプライヤーは協力会社ですから、彼らのモチベーションが上がることは自社の品質などの向上にもつながります。だからこそ「褒めるしかけ」が必要になるのです。 ...
 SCM前回のその9に続いて解説します。購買業務として欠かせない重要業務があります。それがサプライヤーマネジメントです。取引先であるサプライヤーと厳格な関係を築いていくことは大切なことです。

 サプライヤーマネジメントとして最初にやっていくべきことは「サプライヤー評価」です。いつも申し上げているSQDCMの5つの分野から公平公正に評価していくことが求められます。

 この評価は最低でも年に一回は実施しておきたいものです。評価は、その時点で慌てて実施するのではなく、毎月定められた項目についてデータ取得をしておき、それを集約したものを年次評価とします。

 この評価の目的は何でしょうか。それは評価結果に基づき、次年度の発注シェアを決めることにあります。努力して成績を向上させた会社にはより多くのシェアを与えます。

 評価結果に基づきA、B、C、Dの4ランク程度に分類するとよいのではないかと思います。評価結果は必ず数字で示し、上位からAランク、Bランクと分類します。そして、Dランクになったサプライヤーは、原則として取引停止対象となります。それだけにこの評価は重要であり慎重に行う必要があるのです。

 評価項目とレベルについては、誰が採点しても同じ結果となるように工夫する必要があります。例えば、不良納入が年間3件以上あったら「1点」、不良がゼロだったら「4点」というように、できるだけデジタルで測定できるようにしていくことが望ましいでしょう。

 評価結果に基づき、優秀サプライヤー表彰を同時に実施することをお勧めします。そして優秀サプライヤーには報奨金など、なにかしらのインセンティブを出してあげるとよいのではないでしょうか。

 年に一度、サプライヤー大会を開催し、そこで表彰式を実施します。全サプライヤーの前で表彰されることはサプライヤーにとって名誉なことでしょう。

 また、表彰につきましては品質大賞や改善大賞などといったカテゴリー別の賞を設けてみることもよいかもしれません。なぜなら、カテゴリー別にすれば表彰されるサプライヤーが増える可能性があるからです。

 サプライヤーは協力会社ですから、彼らのモチベーションが上がることは自社の品質などの向上にもつながります。だからこそ「褒めるしかけ」が必要になるのです。

 次回、その11では、サプライヤー集約について解説します。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンの上位レベルと下位レベルとは

   サプライチェーン(供給連鎖)は、材料・部品の供給から加工・製造・流通を経て顧客へ引渡すまでの、物の流れ・加工プロセスの連鎖(チェーン...

   サプライチェーン(供給連鎖)は、材料・部品の供給から加工・製造・流通を経て顧客へ引渡すまでの、物の流れ・加工プロセスの連鎖(チェーン...


第3のSCM: 社会変革共創を前提とした唯一の戦略 

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...

           1. 既存と異なるSCMを考える  前回の「第3のSCM: 複雑系・安定・利益」では、需要か制約と同期させる既存以外のSCM...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その7)

1.韓国の事例    前回のその6に続いて解説します。今回使用するデータは「読者が理解しやすい」を前提に、数字は円表示するとともに多少まるめ...

1.韓国の事例    前回のその6に続いて解説します。今回使用するデータは「読者が理解しやすい」を前提に、数字は円表示するとともに多少まるめ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流は他部門の結果が表れる 物流収益管理の大切さ(その3)

◆ 物流各部門の役割とは  同じ入出庫業務と配送業務を請け負ったとしても、ある得意先は数パーセントの利益が出るのに別の得意先は赤字ということがよくあ...

◆ 物流各部門の役割とは  同じ入出庫業務と配送業務を請け負ったとしても、ある得意先は数パーセントの利益が出るのに別の得意先は赤字ということがよくあ...


自社物流の出来栄えとは:物流パフォーマンス評価(その2)

  ◆社内の物流KPI管理 お客様が、私たちの出来栄えを評価しているかもしれません。評価されて初めて気づくということでは格好がつきません。そこで自...

  ◆社内の物流KPI管理 お客様が、私たちの出来栄えを評価しているかもしれません。評価されて初めて気づくということでは格好がつきません。そこで自...


仕事のやり方を統一するとは

1. 自由度が高い物流作業  多くの会社で仕事のやり方がばらばらだという現象が起きています。これに気づかない経営者もいますし、気づいていても何の違和...

1. 自由度が高い物流作業  多くの会社で仕事のやり方がばらばらだという現象が起きています。これに気づかない経営者もいますし、気づいていても何の違和...