倉庫や工場の安全パトロール 物流安全管理(その3)

投稿日

 

サプライチェーンマネジメント

◆ リスクアセスメントを実施しよう

 物流は公道における安全管理はすべてに先立ちやらなければならないことは当然ですが、それと同時に、倉庫や工場といった構内物流における安全についても気を配る必要があります。

 物をハンドリングする時や、フォークリフト荷役を行う際には危険がつきものです。ハンドリングの際に物を落として骨折したとか、フォークリフトの爪で人を突いてしまって大怪我をさせたような事例がたくさんあります。

 とにかく物流現場には危険の芽が多く潜んでいますから、倉庫や工場の安全パトロールを行って危険個所をつぶしておきたいものです。そして、できるだけその現場の担当者だけではなく、他の部署の担当者を交えて現場パトロールを実施するようにしましょう。他の部署の目で見ると、自分たちでは見慣れた景色が別のものに映る傾向があります。つまり安全だと思い込んでいた作業が実は不安全だったというような発見があるということです。

 そして、リスクアセスメントも実施します。リスクアセスメントとは職場にある様々な危険の芽(リスク)を見つけ出し、それにより起こることが予測される労働災害の重大さからリスクの大きさを見積もり、大きいものから順に対策を講じていく手法です。主な手順は次の通りです。

  1. 職場に潜在するあらゆる危険性又は有害性を特定する。
  2. これらの危険性又は有害性ごとに、既存の予防措置による災害防止効果を考慮のうえリスクの大きさを見積もる。
  3. 見積もりに基づきリスクを低減するための優先度を設定し、リスク低減対策の内容を検討する。
  4. 優先度に対応したリスク低減措置を実施する。
  5. リスクアセスメントの...

 

サプライチェーンマネジメント

◆ リスクアセスメントを実施しよう

 物流は公道における安全管理はすべてに先立ちやらなければならないことは当然ですが、それと同時に、倉庫や工場といった構内物流における安全についても気を配る必要があります。

 物をハンドリングする時や、フォークリフト荷役を行う際には危険がつきものです。ハンドリングの際に物を落として骨折したとか、フォークリフトの爪で人を突いてしまって大怪我をさせたような事例がたくさんあります。

 とにかく物流現場には危険の芽が多く潜んでいますから、倉庫や工場の安全パトロールを行って危険個所をつぶしておきたいものです。そして、できるだけその現場の担当者だけではなく、他の部署の担当者を交えて現場パトロールを実施するようにしましょう。他の部署の目で見ると、自分たちでは見慣れた景色が別のものに映る傾向があります。つまり安全だと思い込んでいた作業が実は不安全だったというような発見があるということです。

 そして、リスクアセスメントも実施します。リスクアセスメントとは職場にある様々な危険の芽(リスク)を見つけ出し、それにより起こることが予測される労働災害の重大さからリスクの大きさを見積もり、大きいものから順に対策を講じていく手法です。主な手順は次の通りです。

  1. 職場に潜在するあらゆる危険性又は有害性を特定する。
  2. これらの危険性又は有害性ごとに、既存の予防措置による災害防止効果を考慮のうえリスクの大きさを見積もる。
  3. 見積もりに基づきリスクを低減するための優先度を設定し、リスク低減対策の内容を検討する。
  4. 優先度に対応したリスク低減措置を実施する。
  5. リスクアセスメントの結果及び実施したリスク低減措置を記録して、災害防止のノウハウを蓄積し、次回のリスクアセスメントに利用する。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 いかがでしょうか。何となくできそうな気がしてきたのではないでしょうか。物流業務の安全確保は経営者の責任でもあります。今一度その重要性を再認識し、安全で快適な職場を作っていきましょう。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCM効率を評価するKPIの新提案 SCM最前線 (その14)

 前回のその13に続いて解説します。   1. SCMの改善・改革    前回までの連載では、現在SCMには効率を適切に評価す...

 前回のその13に続いて解説します。   1. SCMの改善・改革    前回までの連載では、現在SCMには効率を適切に評価す...


サプライチェーンマネジメントのプッシュとプル

 サプライチェーンマネジメントのプッシュ型とは、需要をあらかじめ見込んでいつ・どれだけ・誰に・売れるかの実需が発生する前に製品・仕掛り在庫を用意して、実際...

 サプライチェーンマネジメントのプッシュ型とは、需要をあらかじめ見込んでいつ・どれだけ・誰に・売れるかの実需が発生する前に製品・仕掛り在庫を用意して、実際...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その1)

1.高度成長期は商品力で競争していた    私は1954年生まれの61歳。高度成長から中成長への切替わり時に社会人になりました。私の先輩は高...

1.高度成長期は商品力で競争していた    私は1954年生まれの61歳。高度成長から中成長への切替わり時に社会人になりました。私の先輩は高...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
在庫調整と調達輸送 輸送機能の高度化(その2)

        輸送が空間的ギャップを埋める以外に持つ機能の2つ目として「在庫調整機能」があります。たとえば調達物流における輸送においてこの機能が発...

        輸送が空間的ギャップを埋める以外に持つ機能の2つ目として「在庫調整機能」があります。たとえば調達物流における輸送においてこの機能が発...


物流の論理からの転換 喜ばれる物流の創造(その1)

  ◆ ハンガー物流という発想  一昔前はテレビや雑誌などの一部で行われていた通信販売が、スマートフォンやPCで簡単に注文ができて、翌日...

  ◆ ハンガー物流という発想  一昔前はテレビや雑誌などの一部で行われていた通信販売が、スマートフォンやPCで簡単に注文ができて、翌日...


物流量 輸送インフレ時代の次の一手(その3)

  ◆ 荷量を縮める ~ 荷姿充填率の向上  輸送インフレ時代の次の一手について、前回に続き解説します。物流コストを構成する下記数式右辺...

  ◆ 荷量を縮める ~ 荷姿充填率の向上  輸送インフレ時代の次の一手について、前回に続き解説します。物流コストを構成する下記数式右辺...