貨物自動車運送事業法 物流安全管理(その6)

投稿日

 

サプライチェーンマネジメント

◆ 点呼とラジオ体操で安全確保

 貨物自動車運送事業法には、「貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面による点呼をしなければならない。」と定められています。

 対面で点呼を行うことによって、運転者の状態を把握することが可能になります。疲れがたまっているとか体調が良くなさそうだとか、実際に会って話をすることでこういったことがわかるものです。

 この対面による点呼ですが、最近の技術の発達により、「対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器」による点呼もOKということになっています。

 これは営業所や車庫に設置したカメラ等によって、運行管理者が運転者の酒気帯びの有無、疾病、疲労等の状況を随時確認でき、運転者の酒気帯びの状況に関する測定結果を自動的に記録・保存して、その測定結果を確認できるもの、とされています。

 このように貨物運送においては点呼が義務づけられていますが、そうでない倉庫作業や工場物流作業においても監督者は作業者の状況を把握し、安全確保に努める義務があります。

 そこで効果的なものが「ラジオ体操」です。仕事の開始前に「ラジオ体操」をやっている会社は多いと思いますが、これは作業者本人にとってはこれから体を使う前のウォーミングアップになります。

 さらにこの「ラジオ体操」を実施することで、監督者が作業者の状況把握が可能となるのです。疲労が無いか、体調不調でないかは体の動きを見ることで把握が可能となります。

 このように監督者は部下の状況を把握していく責務を負っていると考えるべきでしょう。そしてこれについては監督者の業務日報に気になる点を記録しておくことが望ましいと言えます。

 運送の場合の点呼の記録は保存義務があります。「貨物自動車運送事業者は、点呼の記録を1年間保存しなければならな...

 

サプライチェーンマネジメント

◆ 点呼とラジオ体操で安全確保

 貨物自動車運送事業法には、「貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面による点呼をしなければならない。」と定められています。

 対面で点呼を行うことによって、運転者の状態を把握することが可能になります。疲れがたまっているとか体調が良くなさそうだとか、実際に会って話をすることでこういったことがわかるものです。

 この対面による点呼ですが、最近の技術の発達により、「対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器」による点呼もOKということになっています。

 これは営業所や車庫に設置したカメラ等によって、運行管理者が運転者の酒気帯びの有無、疾病、疲労等の状況を随時確認でき、運転者の酒気帯びの状況に関する測定結果を自動的に記録・保存して、その測定結果を確認できるもの、とされています。

 このように貨物運送においては点呼が義務づけられていますが、そうでない倉庫作業や工場物流作業においても監督者は作業者の状況を把握し、安全確保に努める義務があります。

 そこで効果的なものが「ラジオ体操」です。仕事の開始前に「ラジオ体操」をやっている会社は多いと思いますが、これは作業者本人にとってはこれから体を使う前のウォーミングアップになります。

 さらにこの「ラジオ体操」を実施することで、監督者が作業者の状況把握が可能となるのです。疲労が無いか、体調不調でないかは体の動きを見ることで把握が可能となります。

 このように監督者は部下の状況を把握していく責務を負っていると考えるべきでしょう。そしてこれについては監督者の業務日報に気になる点を記録しておくことが望ましいと言えます。

 運送の場合の点呼の記録は保存義務があります。「貨物自動車運送事業者は、点呼の記録を1年間保存しなければならない。」とされています。この点にも注意しておきましょう。

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 繰り返しになりますが、物流の仕事は場合によっては公道で第三者に危害を与えてしまう可能性があります。そこでこの点については法令でも定められた遵守事項をしっかりと守ることで回避するようにしなければなりません。その他については労働安全衛生法を遵守し、安全で快適な職場を作っていくように努力を重ねていきたいものです。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
コア・コンピタンスを再定義する

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...


供給を考える。 物流改善ネタ出し講座 (その6)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


輸送編 物流改善ネタ出し講座 (その10)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
パートナーとなって欲しい物流会社を探すには アウトソースを過信するな(その3)

◆ 物流会社評価を実施する  物流アウトソースを行った時に「こんなはずではなかった」という思いを持たれる荷主会社が多いようです。このような思いはどこ...

◆ 物流会社評価を実施する  物流アウトソースを行った時に「こんなはずではなかった」という思いを持たれる荷主会社が多いようです。このような思いはどこ...


  輸送コスト:物流は共同で取り組め(その2)

  ◆企業間の物流共同化 物流はボリュームを集めれば集めるほど効率化が進みます。その意味でも複数の部署や会社で共同化するメリットは大きい...

  ◆企業間の物流共同化 物流はボリュームを集めれば集めるほど効率化が進みます。その意味でも複数の部署や会社で共同化するメリットは大きい...


アライアンスを組む:頼れる物流パートナーを見つける(その3)

  ◆物流アライアンス 物流をアウトソースしている会社では「物流ワンストップサービス」を求めています。輸送はA社に、保管はB社にという取...

  ◆物流アライアンス 物流をアウトソースしている会社では「物流ワンストップサービス」を求めています。輸送はA社に、保管はB社にという取...