上流工程の状況把握の重要性 グローバルサプライチェーン(その6)

投稿日

 

SCM

1. 上流工程の状況把握

 前回の自動車メーカーのサプライチェーンの事例でいけば、部品メーカーの下請、孫請けなどが上流工程にあたりますが、グローバルサプライチェーンで目立たずに見落とされがちなのが、この上流工程です。

 震災時にご記憶の方もいらっしゃると思いますが、こういった上流工程の状況を把握していなかったために、復旧に時間がかかったという事実があります。そこでこういったサプライチェーンの上流工程にも目を配るように心がける必要があるのです。では誰がそこまで気を配ることが妥当でしょうか。

 望ましい形は最終工程である自動車メーカーが把握をすることです。しかし、場合によってはこの Tier2以降の情報について Tier1メーカーが開示しない可能性があります。そこで Tier1メーカーが自分のところに納入する Tier2や Tier3の情報を確実に把握し、何か問題が出た時に速やかに情報をカーメーカーに開示する体制をとることも考えられます。

 このつながったチェーンの一部だけ海外ということもありますから、できるだけサプライチェーンの最終工程の会社は全体像を把握し、有事の対応に支障をきたさないように準備を整えておくべきだからです。

2. グローバルサプライチェーンの管理

 物流会社としましてもグローバルサプライチェーンの管理を業として行っていくつもりであれば、サプライチェーンの全体像を把握するために努力して情報を集めなければなりません。

 そしてすべての構成メンバーに対して定期的に情報発信していくとよいのではないでしょうか。たとえば現時点での全体のリードタイムや在庫の状況、物流コストの状況など、サプライチェーンの効率化に影響を与えそうな情報を集めて発信していくのです。

・  ・  ・  ・  ・  ・

 さて...

 

SCM

1. 上流工程の状況把握

 前回の自動車メーカーのサプライチェーンの事例でいけば、部品メーカーの下請、孫請けなどが上流工程にあたりますが、グローバルサプライチェーンで目立たずに見落とされがちなのが、この上流工程です。

 震災時にご記憶の方もいらっしゃると思いますが、こういった上流工程の状況を把握していなかったために、復旧に時間がかかったという事実があります。そこでこういったサプライチェーンの上流工程にも目を配るように心がける必要があるのです。では誰がそこまで気を配ることが妥当でしょうか。

 望ましい形は最終工程である自動車メーカーが把握をすることです。しかし、場合によってはこの Tier2以降の情報について Tier1メーカーが開示しない可能性があります。そこで Tier1メーカーが自分のところに納入する Tier2や Tier3の情報を確実に把握し、何か問題が出た時に速やかに情報をカーメーカーに開示する体制をとることも考えられます。

 このつながったチェーンの一部だけ海外ということもありますから、できるだけサプライチェーンの最終工程の会社は全体像を把握し、有事の対応に支障をきたさないように準備を整えておくべきだからです。

2. グローバルサプライチェーンの管理

 物流会社としましてもグローバルサプライチェーンの管理を業として行っていくつもりであれば、サプライチェーンの全体像を把握するために努力して情報を集めなければなりません。

 そしてすべての構成メンバーに対して定期的に情報発信していくとよいのではないでしょうか。たとえば現時点での全体のリードタイムや在庫の状況、物流コストの状況など、サプライチェーンの効率化に影響を与えそうな情報を集めて発信していくのです。

・  ・  ・  ・  ・  ・

 さてグローバルサプライチェーンのマネジメントがいかに難しいことであるかはご理解いただけたのではないでしょうか。しかし誰もが満足いく水準でマネジメントできていない状況下で、それをしっかりできる会社は間違いなく重宝がられ、あちこちから声がかかることとなるでしょう。

 今は日本ではまだやられていない 4PLビジネスに挑戦し、グローバルサプライチェーンのリーディング・カンパニーを目指しましょう。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


関連する他の活用事例

もっと見る
物流方針とは

1. 物流の方針転換  物流改善を進める前に会社の物流方針を明確にしておく必要があります。この方針がしっかりとしていないと今後の仕事の仕方にぶれが出...

1. 物流の方針転換  物流改善を進める前に会社の物流方針を明確にしておく必要があります。この方針がしっかりとしていないと今後の仕事の仕方にぶれが出...


倉庫内物流作業の改善とは

  1.付加価値作業 ◆ ピッキング作業の効率化:探す時間を短縮する 自社の倉庫や預け先の倉庫を問わず「倉庫内の物流作業についてもっと...

  1.付加価値作業 ◆ ピッキング作業の効率化:探す時間を短縮する 自社の倉庫や預け先の倉庫を問わず「倉庫内の物流作業についてもっと...


物流顧客のニーズを知る、顧客にどのような変化があるのか

       1. 荷主の思いと期待値 荷主会社が物流をアウトソースした際に時々次のような意見が出ます。 ...

       1. 荷主の思いと期待値 荷主会社が物流をアウトソースした際に時々次のような意見が出ます。 ...