上長、意識改革のアクションプランとは

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  意識改革
 
 今回は、上長役職に 職場や部門内外のマネジメント状況に於ける 現状の課題認識 や 働き方改革の取り組みに対して前向きに対峙し、会社としての取り組み姿勢や部門間調整などの旗振りを活発化する様な意識を持ってもらうには、どの様にアクションしたら良いか。今まで、課・室の職制が “角が立つ”と、敬遠してきた手段。上長役職(部長&役員)に、直接アプローチするアクションプランについて解説します。
 
 多くの工場を拝見してきましたが、改善・改革活動に関して必要性は認識しても、「自分はやるかどうかわからないよ」いった態度をとる人が多く存在しています。自分自身の職責は一応全うするが、会社内で波風を起こすことを嫌う役職者も一定数存在するのです。このような場合、「よしわかった、一緒にやろう」といった協創行動をとるように仕向けることが重要となります。
 

1. 意識改革:部下が上司を説得する場合の対応

 部下が上司を説得するような場合どのように対応すべきでしょうか、管理職の立場や職責によっても異なりますが、一般論として階層別に目的を共有し、改善・活動のベクトルを合わせるための対応例を回答致します。
 

(1)上長役職が、取締役などの役員層の場合

  • 売上や利益拡大、コスト削減、生産労働人口の削減に伴う生産性向上などを中長期目線で、具体的な数字を元に将来のシナリオを説明・納得させることが必要かと存じます。
  • その上で、会社のあるべき姿と直近の目指す姿を示し、具体的にどのような改善や改革が必要かを具体的に説明し納得させるのです。 
  • 納得してもらったら、具体的な経営方針として社内に徹底するように導きましょう。
 

(2)上長役職が、本部長・部長などの中間管理職の場合

 
  • 社長や取締役から明確な改善・改革の指示を出してもらうことが重要かと思います。
  • また改善/改革を業務の一環として取り組むように個人業績評価の仕組を変更します。個人業績評価に改善/改革項目を盛り込み、その評価ウエイトを大きくするのです。
  • さらに上長役職は、現状業務の遂行のみを中心に考えている傾向にありますので、改善・改革によって管理業務が楽になる、安心して仕事を部下に任せられるといったメリットを説明し、業務運営がスムーズにいくことを認識させることが重要です。
  • つまり上長役職の立場で物事を考え、対応させるように仕向けることが重要です。
 
以上、企業への指導経験を元に考えられる対応例を回答致しますが、特に上長役職より高い目線(上長が部長なら、役員の立場)で考え・説得することが重要と思われます。
 

2. 意識改革:複数の部署が問題にしていることを上長へ対応を求める場合

 
 次に、課・室員が問題していること(つまり複数の部署が問題にしていること)を上長を含めてを求める場合について考えます。
 
  • 問題意識を持っている方とその上長を集め、ワークショップ形式で討議します。所要時間は午後半日程度必要です
  • 第三者(できれば上長と同等かそれ以上の役職)にファシリテータになってもらい、第三者観点からワークショップを運営してもらいます。
  • テーマに従いポストイットを使い、課題を書き出します(1人10課題以上出します)
  • 課題を、ファシリテーターの元、全員で一つずつ内容を確認していきます。この際、ブレーンストーング的に個...
 
  意識改革
 
 今回は、上長役職に 職場や部門内外のマネジメント状況に於ける 現状の課題認識 や 働き方改革の取り組みに対して前向きに対峙し、会社としての取り組み姿勢や部門間調整などの旗振りを活発化する様な意識を持ってもらうには、どの様にアクションしたら良いか。今まで、課・室の職制が “角が立つ”と、敬遠してきた手段。上長役職(部長&役員)に、直接アプローチするアクションプランについて解説します。
 
 多くの工場を拝見してきましたが、改善・改革活動に関して必要性は認識しても、「自分はやるかどうかわからないよ」いった態度をとる人が多く存在しています。自分自身の職責は一応全うするが、会社内で波風を起こすことを嫌う役職者も一定数存在するのです。このような場合、「よしわかった、一緒にやろう」といった協創行動をとるように仕向けることが重要となります。
 

1. 意識改革:部下が上司を説得する場合の対応

 部下が上司を説得するような場合どのように対応すべきでしょうか、管理職の立場や職責によっても異なりますが、一般論として階層別に目的を共有し、改善・活動のベクトルを合わせるための対応例を回答致します。
 

(1)上長役職が、取締役などの役員層の場合

  • 売上や利益拡大、コスト削減、生産労働人口の削減に伴う生産性向上などを中長期目線で、具体的な数字を元に将来のシナリオを説明・納得させることが必要かと存じます。
  • その上で、会社のあるべき姿と直近の目指す姿を示し、具体的にどのような改善や改革が必要かを具体的に説明し納得させるのです。 
  • 納得してもらったら、具体的な経営方針として社内に徹底するように導きましょう。
 

(2)上長役職が、本部長・部長などの中間管理職の場合

 
  • 社長や取締役から明確な改善・改革の指示を出してもらうことが重要かと思います。
  • また改善/改革を業務の一環として取り組むように個人業績評価の仕組を変更します。個人業績評価に改善/改革項目を盛り込み、その評価ウエイトを大きくするのです。
  • さらに上長役職は、現状業務の遂行のみを中心に考えている傾向にありますので、改善・改革によって管理業務が楽になる、安心して仕事を部下に任せられるといったメリットを説明し、業務運営がスムーズにいくことを認識させることが重要です。
  • つまり上長役職の立場で物事を考え、対応させるように仕向けることが重要です。
 
以上、企業への指導経験を元に考えられる対応例を回答致しますが、特に上長役職より高い目線(上長が部長なら、役員の立場)で考え・説得することが重要と思われます。
 

2. 意識改革:複数の部署が問題にしていることを上長へ対応を求める場合

 
 次に、課・室員が問題していること(つまり複数の部署が問題にしていること)を上長を含めてを求める場合について考えます。
 
  • 問題意識を持っている方とその上長を集め、ワークショップ形式で討議します。所要時間は午後半日程度必要です
  • 第三者(できれば上長と同等かそれ以上の役職)にファシリテータになってもらい、第三者観点からワークショップを運営してもらいます。
  • テーマに従いポストイットを使い、課題を書き出します(1人10課題以上出します)
  • 課題を、ファシリテーターの元、全員で一つずつ内容を確認していきます。この際、ブレーンストーング的に個人攻撃や他責での考え方は禁止しできるだけフラットな状態で討議します。
  • 部分最適な課題となっているケースが多いので、全体最適(組織としてのあるべき姿)ではどうあるべきか、何が課題かを全員で掘り下げ、共通認識がでるまで続けます。
  • 異なる意見があれば出してもらい議論し、全員の課題全てを共有するまで続けます。
  • 最後に全員で、課題の優先付けを行い、優先的に着手すべき課題を選定します。
    (重要課題に点数付けを行いますが特定の人に引っ張られないように全員一斉に点数を開示します)
  • 討議は特定の人(声が大きい人)に偏らないように、ファシリテータが導きます。
 
 以上ですが、当方が数十社で実施した意識改革のワークショツプでは、全て課題の共通認識ができ、課題に対する改善を進められるような意識改革を行うこができました。 
 

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この記事の著者

野中 帝二

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