2Sと生産性とは

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  5S
 
 「整理・整頓が行き届いていない環境では生産性向上は望めない」とは、どういう事でしょうか。今回は、2Sと生産性について解説します。
 
 2S(整理・整頓)が行き届いていないと、仕事には関係のないものが持ち込まれていたり、物の置き場がきちんとしていないために、標準書や工具などを探す等余分な時間がかかります。これらは皆ロスです。工具類などでは、あるはずのものが見つからないために、発注することも起きるかも知れません。整理・整頓がされていないために作業ミスが発生することもあります。
 
 作業ミスが発生すると、品質問題や、やり直し、手直し、廃棄による追加投入などが起きます。更に納期にも影響しますので、客先からの信頼性も低下します。大きな損失です。故に2Sは、ものづくりの現場では、最低限必要なことです。これが出来ていないと、現場全体がすっきりしているとか、清々しているという感じがないのです。
 
 2Sが出来たら、清掃をしましょう。つまり3Sに繋げることです。清掃をすると色々な不具合を見つけることが出来ます。清掃は点検なりとも言われます。
 
 現場がきちんとすることは、作業ミスが起きにくいとか、事故、災害の未然防止(参考:ハインリッヒの法則)に繋がります。一度事故が起きると、ラインも止まり、人的な被害もあるかも知れません。会社にとっては大きなマイナスです。
 
 ただし、これらは人の意識に頼る部分が多いです。自分だけでなく、周囲の作業者の意識を変えていくことが重要です。自職場の景観を見慣れてしまうと、不具合や問題点になかなか気づかなくなります。できるだけ新鮮な目で自職場を観察することを意識して見ましょう。
 
 例えば、他職場や他社の現場を見ると色々なことに気づきます。しかし、安易に他所の現場には入れてもらえないと思いますので、他所の工場を見るつもりで自職場を見る努力をすることも必要です。
 
 この他、同じような立場にある他職場の担当者などがいれば、意見交換や相談をすることも良いでしょう。恐らく沢山の問題に気付くと思います。これらは生産効率に対してはロスと言う見方が出来ます。日頃気が付かないロスを顕在化し、それを確実に改善していくことです。具体的な着眼点は、次の3点です。
 
  1. 人の動作、行動(動作分析、動作経済の原則)
  2. 物の置き方の工夫(活性分析)移動しやすい置き方...
 
  5S
 
 「整理・整頓が行き届いていない環境では生産性向上は望めない」とは、どういう事でしょうか。今回は、2Sと生産性について解説します。
 
 2S(整理・整頓)が行き届いていないと、仕事には関係のないものが持ち込まれていたり、物の置き場がきちんとしていないために、標準書や工具などを探す等余分な時間がかかります。これらは皆ロスです。工具類などでは、あるはずのものが見つからないために、発注することも起きるかも知れません。整理・整頓がされていないために作業ミスが発生することもあります。
 
 作業ミスが発生すると、品質問題や、やり直し、手直し、廃棄による追加投入などが起きます。更に納期にも影響しますので、客先からの信頼性も低下します。大きな損失です。故に2Sは、ものづくりの現場では、最低限必要なことです。これが出来ていないと、現場全体がすっきりしているとか、清々しているという感じがないのです。
 
 2Sが出来たら、清掃をしましょう。つまり3Sに繋げることです。清掃をすると色々な不具合を見つけることが出来ます。清掃は点検なりとも言われます。
 
 現場がきちんとすることは、作業ミスが起きにくいとか、事故、災害の未然防止(参考:ハインリッヒの法則)に繋がります。一度事故が起きると、ラインも止まり、人的な被害もあるかも知れません。会社にとっては大きなマイナスです。
 
 ただし、これらは人の意識に頼る部分が多いです。自分だけでなく、周囲の作業者の意識を変えていくことが重要です。自職場の景観を見慣れてしまうと、不具合や問題点になかなか気づかなくなります。できるだけ新鮮な目で自職場を観察することを意識して見ましょう。
 
 例えば、他職場や他社の現場を見ると色々なことに気づきます。しかし、安易に他所の現場には入れてもらえないと思いますので、他所の工場を見るつもりで自職場を見る努力をすることも必要です。
 
 この他、同じような立場にある他職場の担当者などがいれば、意見交換や相談をすることも良いでしょう。恐らく沢山の問題に気付くと思います。これらは生産効率に対してはロスと言う見方が出来ます。日頃気が付かないロスを顕在化し、それを確実に改善していくことです。具体的な着眼点は、次の3点です。
 
  1. 人の動作、行動(動作分析、動作経済の原則)
  2. 物の置き方の工夫(活性分析)移動しやすい置き方
  3. レイアウトの改善(流動に戻りがないこと)→(流れ矢線化する 流動に戻りが無く、矢が流れるようなレイアウト設計)
 
 この他にも、多くの作業者から情報を集めることで、沢山の項目が拾われると思います。物事を多面的に見ることも大切なので、大勢の人を活用することもその工夫です。効果の大きい順に優先度をつけ、一つ一つ改善を積み重ねましょう。
 
 これらが出来ても、徹底してやり続けないとすぐに元に戻ってしまいます。定着できるよう根気よく頑張りましょう。これらの活動は、全て生産性の向上に繋がっていきます。
 

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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