共同改善活動の実施 荷主と物流事業者の関係(その6)

投稿日

 
  SCM
 
 荷主と物流事業者の関係は単なる顧客とサプライヤーの関係ではありません。むしろお互いパートナーの関係にあるわけです。ですから互いにメリットがあることは実作業以外であっても取り組んで行くことが望ましいのです。その一つが共同改善活動です。
 
 自分たちの仕事の仕方を少し変えればお互いのメリットになることはたくさんあります。仮に双方のメリットにならずとも、片方のメリットになり、それが相手の利益を侵害しないのであれば積極的に実行すべきでしょう。
 
 たとえば積み込み時間を何時間かずらすことで、物流事業者のトラック効率が向上するとしましょう。物流事業者はトラックの実車率を高めたいと考えます。あと積み込みを2時間後ろ倒ししてもらえれば他社の荷物を積んで一回転できるのであれば、その旨を荷主に話をして荷主側が協力するようなイメージです。
 
 トラックドライバーには運送以外の仕事は実施させるべきではない、という考え方があります。しかし、トラック到着後、ドライバーに手待ちが出るのであれば、荷降ろしを実施してもらい、すぐに出発できるようにしてあげた方がお互いのメリットになるようなことも考えられます。
 
 荷主会社は物流のプロではないため、運びにくい荷姿を多く設定している場合があります。そのような場合、物流事業者からどんどん荷姿の問題点を指摘してあげることも改善への一歩です。お互い何かしらのテーマを設定して、共同で改善に臨むことも考えていきたいものです。たとえばトラックドライバーの待ち時間を半減するという目標を掲げたとします。
 
 そのために物流事業者からは他荷主が工夫しているような事例を提示します。荷主はその案を採用したり、自ら新たな方策を考えて取り組んだりします。このようにお互いにとってメリットが出ることであれば、年に何件か課題設...
 
  SCM
 
 荷主と物流事業者の関係は単なる顧客とサプライヤーの関係ではありません。むしろお互いパートナーの関係にあるわけです。ですから互いにメリットがあることは実作業以外であっても取り組んで行くことが望ましいのです。その一つが共同改善活動です。
 
 自分たちの仕事の仕方を少し変えればお互いのメリットになることはたくさんあります。仮に双方のメリットにならずとも、片方のメリットになり、それが相手の利益を侵害しないのであれば積極的に実行すべきでしょう。
 
 たとえば積み込み時間を何時間かずらすことで、物流事業者のトラック効率が向上するとしましょう。物流事業者はトラックの実車率を高めたいと考えます。あと積み込みを2時間後ろ倒ししてもらえれば他社の荷物を積んで一回転できるのであれば、その旨を荷主に話をして荷主側が協力するようなイメージです。
 
 トラックドライバーには運送以外の仕事は実施させるべきではない、という考え方があります。しかし、トラック到着後、ドライバーに手待ちが出るのであれば、荷降ろしを実施してもらい、すぐに出発できるようにしてあげた方がお互いのメリットになるようなことも考えられます。
 
 荷主会社は物流のプロではないため、運びにくい荷姿を多く設定している場合があります。そのような場合、物流事業者からどんどん荷姿の問題点を指摘してあげることも改善への一歩です。お互い何かしらのテーマを設定して、共同で改善に臨むことも考えていきたいものです。たとえばトラックドライバーの待ち時間を半減するという目標を掲げたとします。
 
 そのために物流事業者からは他荷主が工夫しているような事例を提示します。荷主はその案を採用したり、自ら新たな方策を考えて取り組んだりします。このようにお互いにとってメリットが出ることであれば、年に何件か課題設定し取り組んで行くことをお勧めします。
 
 荷主と物流事業者が共同改善を行っている事例はまだ多くないかもしれません。しかし今後のトラックドライバー不足や荷主の物流改善ニーズを考慮すると、早急に取り組むことが望ましいことが明らかです。定期的に会合を持ち、情報交換を行うとともに、共同改善活動にも着手したいものです。ぜひ荷主と物流事業者の関係を発展させ、両者の利益向上につなげていきたいものです。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その11)

1.予測できない売行き    前回のその10に続いて解説します。何がいつからどのくらい売れるのか、だれも予測できません。だから欠品になるので...

1.予測できない売行き    前回のその10に続いて解説します。何がいつからどのくらい売れるのか、だれも予測できません。だから欠品になるので...


バリューチェーンとは

   企業活動は製造業であれ、流通サービス業であれ、物の流れであるサプライチェーンを経ながら付加価値が加わっていき、このことをバリューチェ...

   企業活動は製造業であれ、流通サービス業であれ、物の流れであるサプライチェーンを経ながら付加価値が加わっていき、このことをバリューチェ...


SCMの一環としての輸送とは 儲ける輸送改善 (その3)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
安全KPIと物流品質 物流KPIについて(その2)

   ビジネスを実施していく際には、その状態を正しく示す重要経営指標のKPI( Key performance indicator )が必...

   ビジネスを実施していく際には、その状態を正しく示す重要経営指標のKPI( Key performance indicator )が必...


物流現場での現場発信型改善は、考えさせ、変えさせる!  

  1. 物流現場の不便をすくい上げよう 物流現場を良くしていくためには作業者の方が普段感じていることをすくい上げることから始めるべきで...

  1. 物流現場の不便をすくい上げよう 物流現場を良くしていくためには作業者の方が普段感じていることをすくい上げることから始めるべきで...


現場を見た第一印象 物流現場を理想的な状態に保つ(その1)

  ◆ 床の区画線の重要性  さまざまな物流現場に出掛けて行くことがありますが「この会社なら発注した仕事をしっかりとやってくれそうだ」と...

  ◆ 床の区画線の重要性  さまざまな物流現場に出掛けて行くことがありますが「この会社なら発注した仕事をしっかりとやってくれそうだ」と...