荷主と物流事業者の関係(その1) 運送価格が上昇する傾向

 
  
SCM
 
 今まで決定的ともいえる強者と弱者の関係性が崩れて、荷主と物流事業者との関係に変化が表れてきました。荷主、着荷主は物流事業者にとって絶対的な存在でした。荷主や着荷主からこうして欲しいと言われればなかなか断れなかったのが物流事業者でした。
 
 しかし物流事業者も人材難の時代に突入しました。荷主から何かプラスアルファの要求があったとしても、人がいないため応えられなくなってきたのです。
 
 私たちがビジネスを行う大前提は需要と供給のバランスによって成り立つ経済原則です。需要が供給を上回れば供給者にとって有利な環境に近づきます。その代表例が「価格」です。1990年に運送事業が自由化され、多くの事業者が運送市場に参入しました。
 
 その結果として、運送価格は下がり続けてきました。つい最近まで、この規制緩和の影響で荷主は価格低下を享受してきました。新たな物流事業者と価格交渉するたびに価格が下がったのです。物流改善のスキルに長けた荷主は多くなく、物流の中でも特に運送価格を攻め、結果的に物流コストが下がりました。
 
 しかし時代は一変し、運送価格が上昇する傾向になったのです。こうなると今まで運送価格だけを攻めた荷主は苦しくなります。他に打つ手がなければその会社の物流コストは上昇することになるのです。最近どうしたらよいのかわからなくなった荷主が増えているのはこのような実態があるからです。
 
 荷主の多くは物流事業者からの値上げ要請を受けていると思われます。場合によっては想像できないような値上げ幅を言われているかもしれません。もちろん、この値上げ幅につきましてはそれぞれの物流事業者によって異なるものですから一概に言えませんが、全体的に10%以上の率であるようです。
 
 今までであれば値上げ交渉が上手くいかなければ物流事業者が妥協したり、荷主会社が物流事業者を変更したりしていました。
 
 しかし最近の傾向はこの様子まで変えました。つまり、条件が合わなければ物流事業者の方から取引を断るようになってきたのです。今まででは考えられないことが起きていますが、これは何も不思議なことでもおかしなことでもなく、経済原則に則った結果なのです。
 
 次回に続きます。
 

この記事の著者

仙石 恵一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参きました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

「えっ!物流改善ってそんなに儲かるの?」と驚かれる方がいらっしゃいます。はい、物流を効率化することは会社の利益率に影響するほどの効果があります。 皆さんこんにちは!物流改革請負人の仙石惠一と申します。弊職は日本でも屈指のサプライチェーン…

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