物流や在庫の発生要因に気づかせる 効果的な物流人財育成(その2)

投稿日

 
  SCM
 
 メーカーでも小売りでも、物流人財を育成したいと考えている場合は、まずは調達の流れから調査をさせていくことをお勧めします。いろいろな知識を教え込むことも重要ですが、自社のものの流れがどのようになっているのかを調べることが最も実践的な勉強になります。ですから、まずものが入ってくるところからの調査を行わせるのです。ものが入ってきたら次はメーカーであれば生産です。
 
 生産工程にどのような方法でものを届けているのかについて、供給情報を含めて調査させます。何の情報をもとに、どれくらいの頻度で、どれくらいの量を供給しているのかについて調べるのです。また、工場の中でどこにどれだけの在庫を保管しているのかについても調べさせます。大切なことは、その在庫量が適正かどうかを判断することです。
 
 担当者は自分の判断ではその在庫が適正なのか、多すぎるのか少なすぎるのかについても考えさせます。そして同時にその在庫がなぜ発生するのかの要因についても考えさせましょう。
 
 在庫はサプライチェーンマネジメント上、重要な要素です。少なすぎれば品切れを起こし、多すぎれば保管や容器などの余分なコストを発生させます。そして在庫が多い場合、それを減らすためにはどのような方策が必要かについても考えさせます。サプライヤーの品質が安定しないため在庫を持っているのであれば、サプライヤーを支援して品質向上を狙う必要があるかもしれません。
 
 製造設備の故障が多いために在庫を持っているのであれば、設備を安定的に稼働させるための方策が必要になるかもしれません。物流人財にはこのような物流や在庫の発生の要因に気づき、それに対処できるように育って欲しいのです。
 
 物流人財は、単に物流オペレーションができるだけの人財では十分とはいえません。ですから、このようなものの流れの調査を行わせ、いろいろな気づきをして欲しいのです。
 
 生産後はそれをどのような方...
 
  SCM
 
 メーカーでも小売りでも、物流人財を育成したいと考えている場合は、まずは調達の流れから調査をさせていくことをお勧めします。いろいろな知識を教え込むことも重要ですが、自社のものの流れがどのようになっているのかを調べることが最も実践的な勉強になります。ですから、まずものが入ってくるところからの調査を行わせるのです。ものが入ってきたら次はメーカーであれば生産です。
 
 生産工程にどのような方法でものを届けているのかについて、供給情報を含めて調査させます。何の情報をもとに、どれくらいの頻度で、どれくらいの量を供給しているのかについて調べるのです。また、工場の中でどこにどれだけの在庫を保管しているのかについても調べさせます。大切なことは、その在庫量が適正かどうかを判断することです。
 
 担当者は自分の判断ではその在庫が適正なのか、多すぎるのか少なすぎるのかについても考えさせます。そして同時にその在庫がなぜ発生するのかの要因についても考えさせましょう。
 
 在庫はサプライチェーンマネジメント上、重要な要素です。少なすぎれば品切れを起こし、多すぎれば保管や容器などの余分なコストを発生させます。そして在庫が多い場合、それを減らすためにはどのような方策が必要かについても考えさせます。サプライヤーの品質が安定しないため在庫を持っているのであれば、サプライヤーを支援して品質向上を狙う必要があるかもしれません。
 
 製造設備の故障が多いために在庫を持っているのであれば、設備を安定的に稼働させるための方策が必要になるかもしれません。物流人財にはこのような物流や在庫の発生の要因に気づき、それに対処できるように育って欲しいのです。
 
 物流人財は、単に物流オペレーションができるだけの人財では十分とはいえません。ですから、このようなものの流れの調査を行わせ、いろいろな気づきをして欲しいのです。
 
 生産後はそれをどのような方法で出荷工程または倉庫まで引き上げ、そこからどのような方法で顧客に届けているのかについて調査を行わせます。その流れの中から何に気づき、自分なりにどのような手を打っていく必要があるのかを考えさせることが物流人財育成の第一歩です。
 
 同時に改善手法についても学ばせるとよいと思います。現象だけで判断せずに、その現象を招いている真の要因を把握させ、それをつぶしていく改善手法を学ばせましょう。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントの背景と効果実現に向けた考え方(その1)

1. サプライチェーン・マネジメントの狙い  サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management・以下SCM)は、ITシス...

1. サプライチェーン・マネジメントの狙い  サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management・以下SCM)は、ITシス...


スピードこそがサプライチェーンのコア・コンピタンス

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...


顧客と競合と市場のサプライチェーン三角関係

 重要なのは顧客のデマンドチェーンやバリューチェーンである、と説くまでならよいですが、サプライチェーンは供給者の論理にすぎないとの行き過ぎた説を見かけるこ...

 重要なのは顧客のデマンドチェーンやバリューチェーンである、と説くまでならよいですが、サプライチェーンは供給者の論理にすぎないとの行き過ぎた説を見かけるこ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流に表れた現象の要因について関係部門に発信せよ 物流側からの情報発信の重要性(その4)

  ◆ 会社への貢献、そのメリットの裏に隠れた非効率な物流  物流にはすべての活動の結果が表れる傾向がある、というお話を前回させていただ...

  ◆ 会社への貢献、そのメリットの裏に隠れた非効率な物流  物流にはすべての活動の結果が表れる傾向がある、というお話を前回させていただ...


意見交換・情報共有化:協力会社との取引(その3)

  ◆物流事業者とのコミュニケーション 協力会社は荷主会社の物流特性をよく理解することで、今後の取引をより改善し、スムーズに進めることを...

  ◆物流事業者とのコミュニケーション 協力会社は荷主会社の物流特性をよく理解することで、今後の取引をより改善し、スムーズに進めることを...


生産管理 物流マンの視野を広げる(その4)

  ◆ 生産管理を勉強する  物流マンがサプライチェーン全体を俯瞰(ふかん)した際、サプライチェーンのオーナーであるメーカーの協力会社が...

  ◆ 生産管理を勉強する  物流マンがサプライチェーン全体を俯瞰(ふかん)した際、サプライチェーンのオーナーであるメーカーの協力会社が...