仕事量の変動 物流の波動と平準化(その1)

投稿日

 
  物流
 

1. 物流業界とインフラ

 物流業界は波動が大きい業界といわれています。お中元やお歳暮が波動をもたらす典型的な要因です。海上輸送ではクリスマスシーズンが始まる前のアジアから北米への輸送が典型的でしょう。
 
 物流業ではこの波動に対応するためのインフラを抱えています。一時的に膨らむ物量に対応できる倉庫、大量な貨物を輸送するためのトラック、そしてそれらのオペレーションのために必要な人員です。当然これらのインフラはコストとして価格に反映されていきます。そうでなければ物流会社はどこもやっていけないからです。
 
 一方で常にピークを意識してインフラを抱えていれば、閑散期にはそのインフラが遊んでしまうことになります。せっかく保有している能力を発揮できないことになるのです。これほどもったいない話はありません。これらの閑散期を埋める仕事を見つけてはじめて儲かる物流が実現できるといえるでしょう。こういったお中元、お歳暮などによる仕事のピークについてはある意味外的要因となりますので、それは所与条件と考えられます。
 

2. 自分で作った繁閑差に苦しんでいる事例

 一方で、自ら作り出している波動もあると思います。そして自分で作った繁閑差に苦しんでいる事例があります。その一つにトラックに積み込む前の出荷準備作業があります。この準備作業を特定の時間に集中的に実施することでいろいろなロスを生じさせているのです。
 
 ロスの...
 
  物流
 

1. 物流業界とインフラ

 物流業界は波動が大きい業界といわれています。お中元やお歳暮が波動をもたらす典型的な要因です。海上輸送ではクリスマスシーズンが始まる前のアジアから北米への輸送が典型的でしょう。
 
 物流業ではこの波動に対応するためのインフラを抱えています。一時的に膨らむ物量に対応できる倉庫、大量な貨物を輸送するためのトラック、そしてそれらのオペレーションのために必要な人員です。当然これらのインフラはコストとして価格に反映されていきます。そうでなければ物流会社はどこもやっていけないからです。
 
 一方で常にピークを意識してインフラを抱えていれば、閑散期にはそのインフラが遊んでしまうことになります。せっかく保有している能力を発揮できないことになるのです。これほどもったいない話はありません。これらの閑散期を埋める仕事を見つけてはじめて儲かる物流が実現できるといえるでしょう。こういったお中元、お歳暮などによる仕事のピークについてはある意味外的要因となりますので、それは所与条件と考えられます。
 

2. 自分で作った繁閑差に苦しんでいる事例

 一方で、自ら作り出している波動もあると思います。そして自分で作った繁閑差に苦しんでいる事例があります。その一つにトラックに積み込む前の出荷準備作業があります。この準備作業を特定の時間に集中的に実施することでいろいろなロスを生じさせているのです。
 
 ロスの第一に人員の作業の繁閑差があります。出荷準備が集中的に行われるためにその時間帯はめっぽう忙しいのですが、それ以外の時間帯になるとやることが無くなってしまうのです。社員を仕事がないからといって帰したり給料を払わなかったりするわけにはいきません。そこでその分だけ会社がロスを被ることになるのです。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンの戦略的経営モデル -人間系と情報技術(ICT)の融合-

 生産財メーカーの今後の経営モデルをサプライチェーンの原理原則からみると、熟練をベースとした人間系と情報技術(ICT)の融合といえます。「BTB(ビジネス...

 生産財メーカーの今後の経営モデルをサプライチェーンの原理原則からみると、熟練をベースとした人間系と情報技術(ICT)の融合といえます。「BTB(ビジネス...


部品メーカーのサプライチェーンにおける機会と脅威

 部品メーカーにとって大きな機会と脅威が共存する時代となったのは、経営環境が今のように過渡期で大きく変わりつつあるからです。グローバル市場とインターネット...

 部品メーカーにとって大きな機会と脅威が共存する時代となったのは、経営環境が今のように過渡期で大きく変わりつつあるからです。グローバル市場とインターネット...


格差が拡がるSCM   SCM最前線(その1)

 サプライチェーンマネジメントのレベルアップは、一朝一夕ではできません。長い時間が掛かります。資金を大量に投入しても、なかなかこの時間を買うことはできませ...

 サプライチェーンマネジメントのレベルアップは、一朝一夕ではできません。長い時間が掛かります。資金を大量に投入しても、なかなかこの時間を買うことはできませ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
着荷主側で物流会社が困る事例 着荷主の責任を認識する(その1)

  ◆ トラック待ち時間という問題  物流用語では物流会社の顧客を荷主と呼びます。荷主も二つあり発送側を「発荷主」、受け取り側を「着荷主...

  ◆ トラック待ち時間という問題  物流用語では物流会社の顧客を荷主と呼びます。荷主も二つあり発送側を「発荷主」、受け取り側を「着荷主...


物流提供側としてのコストダウン努力 既存荷主との長期取引を続けるために(その1)

◆ コスト削減の必要性  取引先との関係は続くこともあれば、当然のことながら他社へ切り替えられてしまうこともあります。物流会社の立場からいえば、既存...

◆ コスト削減の必要性  取引先との関係は続くこともあれば、当然のことながら他社へ切り替えられてしまうこともあります。物流会社の立場からいえば、既存...


物流5機能の意味するところ、サプライチェーンの範囲・物流工程設計

  【目次】 1. 物流の地位向上 物流という言葉の意味を教科書的に解釈すると、それは5機能ということになります。「輸...

  【目次】 1. 物流の地位向上 物流という言葉の意味を教科書的に解釈すると、それは5機能ということになります。「輸...