業務改革を実現する問題解決技法 (その10) 会社力・組織力・現場力の向上

 前回のその9に続いて、解説します。競争環境の中で優位に立ち、業績を向上させるためには、下図12点が重要です。

業績向上のポイント

図1 業績向上のポイント

 ここで『自律的に解決する力』とは、上からの指示ではなく、当事者が主体的に動いて自ら問題解決に当たる力です。この力が浸透することが会社力・組織力・現場力となります。「自ら問題解決に当たる」という意識やその潜在能力を持つ社員は、どの会社でも多少はいるはずです。しかしその個々の力が、会社力・組織力・現場力となるためには更に必要なことがあります。 

 1つ目は「実際にできること」です。いくら優秀な社員であっても、意識を持っているだけ・潜在能力を持っているだけでは実行できません。方法論を学びそれを実践して体得していくことが必要です。そのためには、改革リーダーになってほしい社員には、方法論を学んでもらわねばなりません。方法論自体は難しいものではありませんが、これを学んでおかないといくら優秀な社員であっても、進める上で迷いや手戻りが多く、ゴールに到達できません。

 まずは問題解決の方法論に関する書籍やセミナーを活用して必要な『知識・手法』を一通り学習します。1~2日程度の集中学習をする方が効果的です。また1人だけで学習するのではなく、2~3人で共同学習を行い、疑問点などを話し合いながら解決していく方法がベターです。

 書籍やセミナーでの学習は頭の中での理解に過ぎませんので、さらに実際に体得して行く必要があります。企業には解決したい問題がいろいろあると思いますので、それを解決するためのプロジェクトチームを編成します。方法論を学習した者がリーダー・サブリーダーとなり、更に関係部門のキーパーソンがプロジェクトメンバーになります。リーダー・サブリーダーはこれらプロジェクトメンバーを巻き込みながら実際の問題解決に取り組みます。

 プロジェクトを進めて行く過程で、リーダー・サブリーダーは学んだ方法論を実際に活用しながら体得します。プロジェクトメンバーはリーダー・サブリーダーの説明や振る舞いを通して方法論を学習することになります。下図2のようなイメージになりますが、できれば経験ある助言者がプロジェクトチームをサポートすると良いでしょう。

解決プロジェクトの進行
  
図2.チームでの課題解決プロジェクト進行

 2つ目は「実行できる人材の数」です。優秀な社員1人~2人が方法論を学びそれを実行できても組織の力とはなり得ません。理想は全員ができることですが、まずは、社員の2割を目標に数を増やせば組織力につながっていきます。「2・6・2の法則」(集団を構成をすると『優秀な人が2割、普通の人が6割、パッとしない人が2割』になる)の2割です。

 そのためには、上図2のプロジェクトメンバーが次の問題解決プロジェクトではリーダー・サブリーダーとなり、まだ経験のない人達をプロジェクトメンバーに巻き込んで人数を拡大していくという方法が効果的です。 

 企業が業績を向上し、利益を上げていくためには、マーケティング力・商品開発力・生産技術力・販売力など個々の力が当然必要です。それに加えて『自律的に問題を解決する力(会社力・組織力・現場力)』も不可欠なのです。


この記事の著者

森 史明

「会社力向上」「組織一丸で取組む業務改革」をナビゲートします!

事業の環境変化に対応していくためには、抱えている様々な問題の中から「真に重要な問題」を見つけ出し、その問題解決と継続的な業務改革を進めていくことが欠かせません。 この進め方には手順があり、ポイントを踏まえていれば上手く実行できます。 …

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