集団での問題解決ふたつのアプローチ

更新日

投稿日

技術マネジメント

 

◆関連解説『アイデア発想法とは』

1.集団での問題解決ステップについて

 下の図1は私がまとめた集団での問題解決ステップ論であり、次の5つからなっています。

  ①問題提起(問題を定義づける)
  ②問題把握(問題自体を分析する)
  ③課題設定(解決すべき課題を決める)
  ④課題解決(解決策と手順を決める)
  ⑤総合評価(実行前に検討評価をする)

 集団として問題解決する際は、個人発想とはっきりした違いがあります。それは全員が今、どんなステップなのか、何をする段階なのか共通して理解していなければ、集団思考がうまくいかないからです。

 そして、集団の場合は問題解決を組織的に行えるわけです。だから、その問題についての情報収集の為の「問題把握」のステップと、解決策を考える「問題解決」のステップを明確に区分することが重要になります。

 

2.問題解決の2つのアプローチ方法

 問題解決のすすめ方には個人と集団の違いと同時に、時間軸を考えに入れることで差が出てきます。右図はその2つのアプローチの違いを示したもの問題解決のふたつのアプローチです。

 左記の「理想設定型アプローチ」はその名の通り、未来にはこうなるべきという理想の状況をまず考え出し、次に現実とのギャップをいかにうめていくか、という手順を取ります。

 一方、「現状分析型アプローチ」は現在はどうなのかその問題点をじっくり把握した上で、将来どうあるべきかという対策を考え出すというやり方です。

 もし問題が、抜本的に変えるべきものや自由に計画できるものなら理想型を、改良的な問題や組織問題など人間がからむものは現状型の方が向いているといえましょう。

 そしてこれからは、単に現状の改善を考えるばかりでなく、未来の構想をもっともっと考えることが要求されます...

技術マネジメント

 

◆関連解説『アイデア発想法とは』

1.集団での問題解決ステップについて

 下の図1は私がまとめた集団での問題解決ステップ論であり、次の5つからなっています。

  ①問題提起(問題を定義づける)
  ②問題把握(問題自体を分析する)
  ③課題設定(解決すべき課題を決める)
  ④課題解決(解決策と手順を決める)
  ⑤総合評価(実行前に検討評価をする)

 集団として問題解決する際は、個人発想とはっきりした違いがあります。それは全員が今、どんなステップなのか、何をする段階なのか共通して理解していなければ、集団思考がうまくいかないからです。

 そして、集団の場合は問題解決を組織的に行えるわけです。だから、その問題についての情報収集の為の「問題把握」のステップと、解決策を考える「問題解決」のステップを明確に区分することが重要になります。

 

2.問題解決の2つのアプローチ方法

 問題解決のすすめ方には個人と集団の違いと同時に、時間軸を考えに入れることで差が出てきます。右図はその2つのアプローチの違いを示したもの問題解決のふたつのアプローチです。

 左記の「理想設定型アプローチ」はその名の通り、未来にはこうなるべきという理想の状況をまず考え出し、次に現実とのギャップをいかにうめていくか、という手順を取ります。

 一方、「現状分析型アプローチ」は現在はどうなのかその問題点をじっくり把握した上で、将来どうあるべきかという対策を考え出すというやり方です。

 もし問題が、抜本的に変えるべきものや自由に計画できるものなら理想型を、改良的な問題や組織問題など人間がからむものは現状型の方が向いているといえましょう。

 そしてこれからは、単に現状の改善を考えるばかりでなく、未来の構想をもっともっと考えることが要求されます。その意味から言えばこれからは理想設定型が今以上に要求されることになるでしょう。企業もTQC(総合品質管理)の時代から、リストラやリエンジニアリング等抜本的改革の時代へと移行しています。世界基準を目指して企業が抜本的な変革を行うためには今まで以上に理想設定型アプローチによる問題解決が求められます。                         図1問題解決2つのアプローチ

   続きを読むには・・・


この記事の著者

髙橋 誠

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!


「アイデア発想法一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
プロシューマー・アンケート法(1) 【快年童子の豆鉄砲】(その42)

  ◆ プロシューマー・アンケート法(1) 1.「 プロシューマー・アンケート法(略称:PA法)」とは 1)はじめに 先ず、プロシュ...

  ◆ プロシューマー・アンケート法(1) 1.「 プロシューマー・アンケート法(略称:PA法)」とは 1)はじめに 先ず、プロシュ...


系列型収束アイデア発想―因果分析法の進め方

1.因果分析法とは   問題の原因を見つけ出してカード化します。そのカードを原因→結果とつなげながら本質的な原因を追求してゆく方法で...

1.因果分析法とは   問題の原因を見つけ出してカード化します。そのカードを原因→結果とつなげながら本質的な原因を追求してゆく方法で...


阻害条件を排除して、創造性を伸ばすには

 創造性を伸ばすためには、その条件を満たすと同時に、邪魔する条件を何とか取り除くことが大切です。右下のリストは、主に個人としての阻害条件をあげたものです。...

 創造性を伸ばすためには、その条件を満たすと同時に、邪魔する条件を何とか取り除くことが大切です。右下のリストは、主に個人としての阻害条件をあげたものです。...


「アイデア発想法一般」の活用事例

もっと見る
寝床はひらめきを生むゆりかご

1.すがすがしく目覚めたベッドの上で、相対性理論を発見したアルベルト・アインシュタイン  アインシュタインが相対性理論を発見したのは、ベルンの特許局に技...

1.すがすがしく目覚めたベッドの上で、相対性理論を発見したアルベルト・アインシュタイン  アインシュタインが相対性理論を発見したのは、ベルンの特許局に技...


発明事例-実験で出たガスの臭いから未知の生成物を直観、合成ゴム発明の物語

 アセチレンの研究に没頭していたアメリカの化学者ジュリアス・オーサー・ニューランドは、ある時アセチレンを銅とアルカリ金属の塩化物の溶液に通すと奇妙なにおい...

 アセチレンの研究に没頭していたアメリカの化学者ジュリアス・オーサー・ニューランドは、ある時アセチレンを銅とアルカリ金属の塩化物の溶液に通すと奇妙なにおい...


-ペニシリン、ポリエチレン‐ 偶然を生かしたセレンディピティのひらめき (その1)

1.ブドウ状球菌の研究中に、青カビを見つけ抗生物質ペニシリンを発見した、イギリスの細菌学者 アレクサンダー・フレミング    1928年、イギリス人の...

1.ブドウ状球菌の研究中に、青カビを見つけ抗生物質ペニシリンを発見した、イギリスの細菌学者 アレクサンダー・フレミング    1928年、イギリス人の...