開発効率向上、活動計画 2 開発効率を上げる(その5)

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開発効率

【開発効率向上の重要性 連載目次】

 

前回の開発効率を上げるには(その4)開発効率向上、活動計画 1に続けて解説します。

4. 開発効率向上、活動計画(つづき)

(1) 対策の検討

課題に対して採り得る対策活動を洗い出し、それぞれの効果を見積もります。活動内容の最適性は、ここで施策が網羅的にリストアップされ、その中で適したものが選択されることで担保されますので、この作業は特に慎重に行う必要があります。

【例】
①4Mの分岐に対して、効果のある施策をリストアップする

 

技術マネジメント

図5.採り得る施策のリストアップ

 

②施策リストから、各課題に効果があるもの、現状のリソース、予算などから採用できるか等の観点で取り組む方法を選択する。
③それぞれの活動が、各課題に対してどれくらいの効果を生むかを見積り、それを合計することで、活動毎の全体の開発効率改善にどれくらい寄与するかを見積もる(表2)
④以上の結果から、全ての施策に取り組めば30%以上の開発効率改善が期待できる(現状の1.4年が約1年になる)ことが確認された。また、この際、長期活動を要するものがあることから複数年度での取組みを検討する。

 

表2.選択した施策の効果の推定

技術マネジメント

 

(2) 開発投資効率の見積り

活動の投資効率を検討するため、各施策に必要なリソースと期間を見積り、時間軸に配置し、投資効率を確認します。

【例】

  • 横軸に経過年を採り、見積もったリソースの割り付けを行う。(説明のため、一律2.5%の開発リソースを割り付ける形としている)
  • これを見ると、概ね3年で投資回収して目的の30%近い改善が達成されることが分る。

表3.投資効率の見積り

技術マネジメント

 

技術マネジメント

図6.活動の投資効率

技術マネジメント

図7.活動による改善効果

 

 

(3) 改善活動計画

ここまでで①目的への合致、②目標の達成、③改善活動投資効率が確認されたため、次に具体的な活動体制等を、実名を入れた形で計画し「活動計画書」の形にします。(①②③が達成されていない場合は、(1)に戻って検討を修正します。)

【例】以下の点を明確化して活動計画書を作成し、関係者と共有する。

  • 経営計...

開発効率

【開発効率向上の重要性 連載目次】

 

前回の開発効率を上げるには(その4)開発効率向上、活動計画 1に続けて解説します。

4. 開発効率向上、活動計画(つづき)

(1) 対策の検討

課題に対して採り得る対策活動を洗い出し、それぞれの効果を見積もります。活動内容の最適性は、ここで施策が網羅的にリストアップされ、その中で適したものが選択されることで担保されますので、この作業は特に慎重に行う必要があります。

【例】
①4Mの分岐に対して、効果のある施策をリストアップする

 

技術マネジメント

図5.採り得る施策のリストアップ

 

②施策リストから、各課題に効果があるもの、現状のリソース、予算などから採用できるか等の観点で取り組む方法を選択する。
③それぞれの活動が、各課題に対してどれくらいの効果を生むかを見積り、それを合計することで、活動毎の全体の開発効率改善にどれくらい寄与するかを見積もる(表2)
④以上の結果から、全ての施策に取り組めば30%以上の開発効率改善が期待できる(現状の1.4年が約1年になる)ことが確認された。また、この際、長期活動を要するものがあることから複数年度での取組みを検討する。

 

表2.選択した施策の効果の推定

技術マネジメント

 

(2) 開発投資効率の見積り

活動の投資効率を検討するため、各施策に必要なリソースと期間を見積り、時間軸に配置し、投資効率を確認します。

【例】

  • 横軸に経過年を採り、見積もったリソースの割り付けを行う。(説明のため、一律2.5%の開発リソースを割り付ける形としている)
  • これを見ると、概ね3年で投資回収して目的の30%近い改善が達成されることが分る。

表3.投資効率の見積り

技術マネジメント

 

技術マネジメント

図6.活動の投資効率

技術マネジメント

図7.活動による改善効果

 

 

(3) 改善活動計画

ここまでで①目的への合致、②目標の達成、③改善活動投資効率が確認されたため、次に具体的な活動体制等を、実名を入れた形で計画し「活動計画書」の形にします。(①②③が達成されていない場合は、(1)に戻って検討を修正します。)

【例】以下の点を明確化して活動計画書を作成し、関係者と共有する。

  • 経営計画との関係
  • 活動目的・目標
  • 活動内容・期間
  • 想定される成果(開発効率改善率)
  • 無形の効果(システム・組織強化、活動メンバースキル向上)
  • 活動体制、(メンバー、マネジメント、外部連携)
  • プロジェクト管理(スケジュール、リソース)
  • 採算、投資内容(費用、工数、設備)・投資効率
  • リスク管理

次回に続きます。

 

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この記事の著者

山本 裕之

個々の課題に最適な改善プロセスを適用することで、企画・開発業務の生産性を効果的に向上させるお手伝いをしています。

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