ドローン用水素タンク:筆者のセミナー紹介 水素エネルギー社会(その13)

更新日

投稿日

ドローン

 

トヨタ自動車出身で海外メーカ勤務の国際感覚豊富な筆者が、水素エネルギー社会関連のレポートを連載で解説します。今回は、帝人のドローン搭載用水素タンクです。

 

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

帝人から水素燃料ドローンが発表されました。『帝人、水素ドローン用タンク 炭素繊維製で飛行時間10倍』(日経2021年4月3日朝刊)

 

帝人とありますが、おそらくその子会社の帝人エンジニアリングによるビジネスかと思います。帝人エンジニアリングでは以前から、消防士の作業用の高圧酸素タンク(CFRP製、アルミライナー)を販売しています。ウルトレッサ(写真)という商標です。

 

水素エネルギー社会

 

このドローン用のタンクは展示会、燃料電池Expoで展示されてました。おそらく樹脂ライナだと思います。あいにくとこの展示会と複合材料学会に日程が重なって、見学に行けませんでした。CES2020では水素燃料ドローンそのものが発表されています。

 

水素エネルギー社会

 

韓国の重工業企業グループのDoosan(斗山)の子会社、Doosan Mobility Innovation(DMI社)からです。こちらは、タンクだけではなく、燃料電池システムを手掛けています、2時間以上の飛行が可能とされています。交通インフラの整っていないアフリカでの医薬品輸送などへの適用をアナウンスしています。

 

CESにてDMI社とMicro Softとのパートナ契約が公表されています。なお、MSは交通インフラ関連も狙っているようで、中国の新興自動運転EVメーカの華人運通(Human Horizons)とのパートナーシップ協定も結んでいます。こちらは「車載用AI秘書」の協定です。CASEのconnectedに相当する取組みです。

 

水素タンクはバッテリの約10倍のエネルギ搭載密度です。燃料電池(スタック)の重量を考慮すると燃料電池システムとしての実効的な搭載密度はその半分程度でしょうが、十分に重量メリットがあります。このため、ドローンやこれ...

ドローン

 

トヨタ自動車出身で海外メーカ勤務の国際感覚豊富な筆者が、水素エネルギー社会関連のレポートを連載で解説します。今回は、帝人のドローン搭載用水素タンクです。

 

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

帝人から水素燃料ドローンが発表されました。『帝人、水素ドローン用タンク 炭素繊維製で飛行時間10倍』(日経2021年4月3日朝刊)

 

帝人とありますが、おそらくその子会社の帝人エンジニアリングによるビジネスかと思います。帝人エンジニアリングでは以前から、消防士の作業用の高圧酸素タンク(CFRP製、アルミライナー)を販売しています。ウルトレッサ(写真)という商標です。

 

水素エネルギー社会

 

このドローン用のタンクは展示会、燃料電池Expoで展示されてました。おそらく樹脂ライナだと思います。あいにくとこの展示会と複合材料学会に日程が重なって、見学に行けませんでした。CES2020では水素燃料ドローンそのものが発表されています。

 

水素エネルギー社会

 

韓国の重工業企業グループのDoosan(斗山)の子会社、Doosan Mobility Innovation(DMI社)からです。こちらは、タンクだけではなく、燃料電池システムを手掛けています、2時間以上の飛行が可能とされています。交通インフラの整っていないアフリカでの医薬品輸送などへの適用をアナウンスしています。

 

CESにてDMI社とMicro Softとのパートナ契約が公表されています。なお、MSは交通インフラ関連も狙っているようで、中国の新興自動運転EVメーカの華人運通(Human Horizons)とのパートナーシップ協定も結んでいます。こちらは「車載用AI秘書」の協定です。CASEのconnectedに相当する取組みです。

 

水素タンクはバッテリの約10倍のエネルギ搭載密度です。燃料電池(スタック)の重量を考慮すると燃料電池システムとしての実効的な搭載密度はその半分程度でしょうが、十分に重量メリットがあります。このため、ドローンやこれから普及し始める空飛ぶクルマ(大阪万博では空飛ぶタクシが導入されます)といった飛行体、長距離輸送用の大型トラックに向いています。

 

※更なる詳細解説、動画は筆者のサイトをご覧ください。https://www.tech-t.jp/

 

<< 筆者が講師の人気セミナーはこちら >>

  

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

高原 忠良

トヨタ式の ” ち密さ ” をサムスン流の ” スピード ” で! 自動車業界 × 樹脂部品を中心に開発から製造までのコンサルティング

トヨタ式の ” ち密さ ” をサムスン流の ” スピード ” で! 自動車業界 × 樹脂部品を中心に開発から製造までのコンサルティング


「環境負荷抑制技術」の他のキーワード解説記事

もっと見る
トヨタの水素エネルギー戦略 水素エネルギー社会(その13)

◆水素エネルギー社会 連載目次 1. 燃料電池自動車開発 2. 船舶の次世代エネルギー源 3. 燃料電池自動車開発競争 4. 東レ ~ F...

◆水素エネルギー社会 連載目次 1. 燃料電池自動車開発 2. 船舶の次世代エネルギー源 3. 燃料電池自動車開発競争 4. 東レ ~ F...


SAFとは?持続可能な燃料がもたらす可能性とその未来

   【目次】 近年、地球温暖化や環境問題が深刻化する中、航空業界もその影響を受けています。航空機は、世界中の人々...

   【目次】 近年、地球温暖化や環境問題が深刻化する中、航空業界もその影響を受けています。航空機は、世界中の人々...


静電選別とは?リサイクルの切り札となる仕組み・原理を徹底解説

【目次】 現代社会が抱える深刻な課題の一つに、資源の枯渇と大量廃棄の問題があります。私たちの生活を豊かにする製品は、役目を終えると膨...

【目次】 現代社会が抱える深刻な課題の一つに、資源の枯渇と大量廃棄の問題があります。私たちの生活を豊かにする製品は、役目を終えると膨...


「環境負荷抑制技術」の活用事例

もっと見る
【SDGs取り組み事例】廃棄される海藻からプラスチック 株式会社ツカサぺトコ

“脱炭素”に向け、海洋藻類から生分解性プラスチック生産の事業化進める 【目次】 国内製造業のSDGs取り組...

“脱炭素”に向け、海洋藻類から生分解性プラスチック生産の事業化進める 【目次】 国内製造業のSDGs取り組...


【SDGs取り組み事例】発想は“世界中の子供たちにサッカーを” 株式会社モルテン

一つのボールが学びと遊びのきっかけづくりに  【目次】   国内製造業のSDGs取り組み事例一覧へ戻る 1. スポ...

一つのボールが学びと遊びのきっかけづくりに  【目次】   国内製造業のSDGs取り組み事例一覧へ戻る 1. スポ...


【SDGs取り組み事例】「服から服をつくる<sup>®</sup>」BRING Technology™で目指すグローバルな循環型社会の実現 株式会社JEPLAN

独自のプラットフォームでPET廃棄ゼロに臨む 【目次】   国内製造業のSDGs取り組み事例一覧へ戻る 1.独自のケ...

独自のプラットフォームでPET廃棄ゼロに臨む 【目次】   国内製造業のSDGs取り組み事例一覧へ戻る 1.独自のケ...