2分で分かるレジリエンス

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レジリエンス

 

エンゲージメント、レジリエンス、リーダーシップ、チームビルディング、ダイバーシティ、従業員満足、メンタルヘルス、アンガーマネジメントなど、組織において、人を取り巻く課題は山のようにあります。今回は、レジリエンスに焦点を当ててその概要を解説します。

 

1.  レジリエンスとは

ポジティブ心理学の成果として米国陸軍の兵士を対象にしたレジリエンス研究が有名です。レジリエンスとは、逆境回復・復元力です。レジリエンス研究は、復員兵士が躁鬱感、やる気が起きないなどの精神的なダメージに陥り、自殺まで考えるという心理課題に対して、トレーニングを行い、効果を上げたというものです。今では、ポジティブ心理学の領域として、民間企業でも成果を上げています。

 

【レジリエンスとは】

  • レジリエンスとは、力強く成長する能力であり、苦境に耐え抜く力。
  • レジリエントな人の特徴は、リスクを予測し、リスクを引き受ける力を備えている。それと同時に与えられたチャンスをフルに活かす力を備えている。リスクをむしろチャンスととらえるが、だからといって楽観主義ではない。課題解決に対して、自分の感情をコントロールすることに長けている。
  •  レジリエンスは逆境から這い上がるときの特別な力ではなく、社会生活でも重要なものだということ。

 

2.レジリエンスを構成する主な要素

レジリエンスを構成する要素です。

 

  • 【楽観性】ストレスを抱えても、未来は明るくなるという思考から、そのストレスは、次に羽ばたくために必要であるといった前向きな姿勢がとれるようになるのです。
  • 【自己認識】自分が設定している目標・価値観・感情などを認識すること。トラブルに遭遇しても自己認識できれば、客観的に何をすべきか判断できるのです。
  • 【自制心】自身の感情・行動を、その時々の状況に合わせてコントロールする力です。例えば、失敗して落ち込んでも、気持ちを入れ替え、トラブルには軌道修正するための行動をとれます。レジリエンスが高い方とは、自然にこのような行動をとることができることです。
  • 【自己効力感】自己効力感とは、問題は行動すれば解決できるという自信を、自分で感じられる状態を指します。難しい業務でも自分なりにやればどうにかなるという気持ちが持てること。これはレジリエンスが高い人です。

 

3.組織レジリエンスとは

組織レジリエンスとはビジネスの変化や危機に対して組織を存続させるための対応力を指します。起きる可能性が高い事に対して準備し、リスク分散して対処し、想定外に柔軟に対応することが求められます。これを高めるには、従業員が働きやすい職場を維持して組織が一丸となってレジリエンスしていかなければなりません。

 

4.個人がレジリエンスを高めるメリット

次のように個人としても、レジリエンスを高めるメリットがあります。

  • 【問題解決の方法を自ら考えられる】難しい問題に対峙するマインドセットを構築することで、問題解決の方法を自力で考える従業員が増え、業務改善力・生産性向上が期待できます。
  • 【集中力アップ】集中力が上がれば仕事がスピードアップ出来ます。時間戦略から考えると、スピード対応そのものが顧客に対する提供価値となり、企業全体の競争優位の源泉になります。又、個人としても、他の事に時間を使える余裕が生まれます。
  • 【しなやかな心を持つ】難しい状況下でも沈着冷静な判断ができれば、仕事をスムーズにこなせるようになり、自分にとってさらに高難度の業務を担当した場合や仕事に忙殺されて周囲が見えなくなってしまっても、自身で落ち着くことができるようになるので仕事のミスを減らすことに役立ちます。感情に左右されやすく冷静さを失いがちな従業員には、しなやかな心を持つレジリエンスを高めさせましょう。

 

5.レジリエンスを高め...

レジリエンス

 

エンゲージメント、レジリエンス、リーダーシップ、チームビルディング、ダイバーシティ、従業員満足、メンタルヘルス、アンガーマネジメントなど、組織において、人を取り巻く課題は山のようにあります。今回は、レジリエンスに焦点を当ててその概要を解説します。

 

1.  レジリエンスとは

ポジティブ心理学の成果として米国陸軍の兵士を対象にしたレジリエンス研究が有名です。レジリエンスとは、逆境回復・復元力です。レジリエンス研究は、復員兵士が躁鬱感、やる気が起きないなどの精神的なダメージに陥り、自殺まで考えるという心理課題に対して、トレーニングを行い、効果を上げたというものです。今では、ポジティブ心理学の領域として、民間企業でも成果を上げています。

 

【レジリエンスとは】

  • レジリエンスとは、力強く成長する能力であり、苦境に耐え抜く力。
  • レジリエントな人の特徴は、リスクを予測し、リスクを引き受ける力を備えている。それと同時に与えられたチャンスをフルに活かす力を備えている。リスクをむしろチャンスととらえるが、だからといって楽観主義ではない。課題解決に対して、自分の感情をコントロールすることに長けている。
  •  レジリエンスは逆境から這い上がるときの特別な力ではなく、社会生活でも重要なものだということ。

 

2.レジリエンスを構成する主な要素

レジリエンスを構成する要素です。

 

  • 【楽観性】ストレスを抱えても、未来は明るくなるという思考から、そのストレスは、次に羽ばたくために必要であるといった前向きな姿勢がとれるようになるのです。
  • 【自己認識】自分が設定している目標・価値観・感情などを認識すること。トラブルに遭遇しても自己認識できれば、客観的に何をすべきか判断できるのです。
  • 【自制心】自身の感情・行動を、その時々の状況に合わせてコントロールする力です。例えば、失敗して落ち込んでも、気持ちを入れ替え、トラブルには軌道修正するための行動をとれます。レジリエンスが高い方とは、自然にこのような行動をとることができることです。
  • 【自己効力感】自己効力感とは、問題は行動すれば解決できるという自信を、自分で感じられる状態を指します。難しい業務でも自分なりにやればどうにかなるという気持ちが持てること。これはレジリエンスが高い人です。

 

3.組織レジリエンスとは

組織レジリエンスとはビジネスの変化や危機に対して組織を存続させるための対応力を指します。起きる可能性が高い事に対して準備し、リスク分散して対処し、想定外に柔軟に対応することが求められます。これを高めるには、従業員が働きやすい職場を維持して組織が一丸となってレジリエンスしていかなければなりません。

 

4.個人がレジリエンスを高めるメリット

次のように個人としても、レジリエンスを高めるメリットがあります。

  • 【問題解決の方法を自ら考えられる】難しい問題に対峙するマインドセットを構築することで、問題解決の方法を自力で考える従業員が増え、業務改善力・生産性向上が期待できます。
  • 【集中力アップ】集中力が上がれば仕事がスピードアップ出来ます。時間戦略から考えると、スピード対応そのものが顧客に対する提供価値となり、企業全体の競争優位の源泉になります。又、個人としても、他の事に時間を使える余裕が生まれます。
  • 【しなやかな心を持つ】難しい状況下でも沈着冷静な判断ができれば、仕事をスムーズにこなせるようになり、自分にとってさらに高難度の業務を担当した場合や仕事に忙殺されて周囲が見えなくなってしまっても、自身で落ち着くことができるようになるので仕事のミスを減らすことに役立ちます。感情に左右されやすく冷静さを失いがちな従業員には、しなやかな心を持つレジリエンスを高めさせましょう。

 

5.レジリエンスを高めるには

レジリエンスを高めるためには心理的柔軟性を持つことが大切であることを、解説しましたが、最後に重要なことは次のようになります。

  • 問題の整理と理解:状況の整理が出来ていないため問題になっていることがあります。そのため整理するだけで解決の糸口が見つかる可能性があります。
  • 新たな方策や思考を試してみる意思:そのまま進めるより大きく舵をきってしまい目をつぶっていた小さな課題も一緒に解決してしまってもいい場合もあります。
  • 柔軟かつ論理的な思考:その時の状況に合わせて対処することが大事ですが、論理性は必ず残して対応が必要です。
  • 他の視点への切り替え:当事者意識だけでは見えない場合があります。そんなときは第三者的な視点に立って見渡すことも大事だと思います。

 

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この記事の著者

鈴木 崇司

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~

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