中小製造業で決定的に不足していることとは

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 最近の多品種少量生産工場で、決定的に不足していることとは一体何でしょうか。品質管理の基本:統計手法、QC七つ道具、なぜなぜ分析、それともQCストーリー、でしょうか。いや、そのどれもが、今の製造業ではそれほど必要性を感じていません。
 
 中小の製造業では、人、モノ、金、情報などの経営資源は大企業に比較し質・量ともに劣っています。しかし、その中で最も大事な資源は「人」です。中小企業にとって最大のコスト…それは、間違いなく、人件費です。人は「最大の経営資源」であると同時に「最大のコスト」ということになります。つまり、「人材」をどう教育し「人財」に育て上げられるか否かにより、人が「資源」になるか「コスト」になるかが決まります。
 
 また、「経営課題は組織の中にあり」という言葉の通り、中小企業の経営課題の8割は時代と環境の変化に対応して革新できない自社の体制や体質にあります。つまり、中小企業の経営課題は、ほぼすべてが「人の問題」なのです。
 
 ところが中小企業にとって、社員の教育は最重要課題と言っても過言ではありませんが、ほとんどの中小企業は社員教育に時間もお金を注ぎ込んではいないのが現状です。
 
 中小企業の本質的な経営課題は、景気や業界や競合他社との戦いではなく、時代と経営環境の変化に対応して革新できない自社の体質や体制の中にあります。では、経営環境の変化に対応して体質や体制を革新するためにはどうすれば良いでしょうか。
 

1. 自工程完結

 
 自工程完結とは、自分の工程でつくったモノは自分で品質を保証するという考え方のこと。 後工程はお客様という考えで、後工程に不良・不適合を流さないという意識と行動が大切となります。
 
 多品種少量生産工場では、生産工程に入る前の準備作業、段取り作業でも確実に作業を行って後工程に影響を与えないようにします。指差し呼称、ダブルチェックなどのミスを極力防止する対策を行います。
 

2. コミュニケーション

 
 同じ職場の中でも、意外とコミュニケーションが不足している場合が多いのです。部署間のコミュニケーションとなると、ほとんど行われていないという実態が浮かび上がってきます。朝礼や、現場の短時間の情報交換、打ち合わせは品質問題を解決するためには最も重要な情報交換ツールであり、この時間をムダと捉えることはコミュニケーション機会を奪うことになるのです。
 
  品質マネジメント
 

3. 問題を放置しない

 
 問題が放置される原因の一つが上記のコミュニケーションの悪さです。それと、部署ごとの役割、仕事の役割や役職の役割などが不明確となっている場合です。よくホウレンソウといわれますが、ホウレンソウが活発に行われれば問題も放置されることが無くなります。問題が起きたら絶対に放置せずに何らかの方法で、解決方向に向かわせることが重要です。
 

4. 2段階なぜなぜ分析

 
 問題を解決するには、三現主義で、問題を正しく捉え、因果関係を究明することです。なぜその問題が発生したのか、人・機械・方法・材料・測定の5Mの要因を洗い出しその中から因果関係を究明し対策します。次に、その問題がなぜ防げなかったのかを仕組みの原因として捉え、共通の仕組みの不備を是正します。
 
 ① なぜ発生したのか?(因果関係の究明と対策)
 ② なぜ未然に防止できなかったのか?(共通の仕組みの原因究明と対策)
 
 この2段階で対策することにより、再発防止が図られます。
 

5. 標準化

 
 ルール(業務手順書...
 最近の多品種少量生産工場で、決定的に不足していることとは一体何でしょうか。品質管理の基本:統計手法、QC七つ道具、なぜなぜ分析、それともQCストーリー、でしょうか。いや、そのどれもが、今の製造業ではそれほど必要性を感じていません。
 
 中小の製造業では、人、モノ、金、情報などの経営資源は大企業に比較し質・量ともに劣っています。しかし、その中で最も大事な資源は「人」です。中小企業にとって最大のコスト…それは、間違いなく、人件費です。人は「最大の経営資源」であると同時に「最大のコスト」ということになります。つまり、「人材」をどう教育し「人財」に育て上げられるか否かにより、人が「資源」になるか「コスト」になるかが決まります。
 
 また、「経営課題は組織の中にあり」という言葉の通り、中小企業の経営課題の8割は時代と環境の変化に対応して革新できない自社の体制や体質にあります。つまり、中小企業の経営課題は、ほぼすべてが「人の問題」なのです。
 
 ところが中小企業にとって、社員の教育は最重要課題と言っても過言ではありませんが、ほとんどの中小企業は社員教育に時間もお金を注ぎ込んではいないのが現状です。
 
 中小企業の本質的な経営課題は、景気や業界や競合他社との戦いではなく、時代と経営環境の変化に対応して革新できない自社の体質や体制の中にあります。では、経営環境の変化に対応して体質や体制を革新するためにはどうすれば良いでしょうか。
 

1. 自工程完結

 
 自工程完結とは、自分の工程でつくったモノは自分で品質を保証するという考え方のこと。 後工程はお客様という考えで、後工程に不良・不適合を流さないという意識と行動が大切となります。
 
 多品種少量生産工場では、生産工程に入る前の準備作業、段取り作業でも確実に作業を行って後工程に影響を与えないようにします。指差し呼称、ダブルチェックなどのミスを極力防止する対策を行います。
 

2. コミュニケーション

 
 同じ職場の中でも、意外とコミュニケーションが不足している場合が多いのです。部署間のコミュニケーションとなると、ほとんど行われていないという実態が浮かび上がってきます。朝礼や、現場の短時間の情報交換、打ち合わせは品質問題を解決するためには最も重要な情報交換ツールであり、この時間をムダと捉えることはコミュニケーション機会を奪うことになるのです。
 
  品質マネジメント
 

3. 問題を放置しない

 
 問題が放置される原因の一つが上記のコミュニケーションの悪さです。それと、部署ごとの役割、仕事の役割や役職の役割などが不明確となっている場合です。よくホウレンソウといわれますが、ホウレンソウが活発に行われれば問題も放置されることが無くなります。問題が起きたら絶対に放置せずに何らかの方法で、解決方向に向かわせることが重要です。
 

4. 2段階なぜなぜ分析

 
 問題を解決するには、三現主義で、問題を正しく捉え、因果関係を究明することです。なぜその問題が発生したのか、人・機械・方法・材料・測定の5Mの要因を洗い出しその中から因果関係を究明し対策します。次に、その問題がなぜ防げなかったのかを仕組みの原因として捉え、共通の仕組みの不備を是正します。
 
 ① なぜ発生したのか?(因果関係の究明と対策)
 ② なぜ未然に防止できなかったのか?(共通の仕組みの原因究明と対策)
 
 この2段階で対策することにより、再発防止が図られます。
 

5. 標準化

 
 ルール(業務手順書、作業手順書、検査基準など)を守ること。これが品質管理の基本です。その上で、問題があればルールを見直しします。ルール無視、知らない、守らない・・・というような工場では品質改善は絶対にできません。
 

6. 中小製造業で決定的に不足していること

 
 中小製造業で最も必要とするものとは、このような考えをもって行動できる人材です。このような正しい考え方と行動で、業務を改善できる「プロ人材」を育てることです。しかし、このような考え方と行動を促すための「人材教育」は決定的に不足しています。
 
  

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この記事の著者

濱田 金男

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

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