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町工場でも、出来る品質管理(その1)

1.日本のものづくり技術

 国産初のジェット旅客機MRJの初飛行の日、その精密部品を作り上げた名古屋のある中小企業。何度も失敗を繰り返しながら、複雑な形状で、寸法精度を要求される部品を見事作り上げたことをテレビで紹介されており、女性社長が初飛行を見ながら涙ぐんでいる姿が映し出されていました。このように、日本のものづくり技術は確かに世界に誇れる素晴らしいものであることは間違いありません。

 しかし一方で、自動車リコールの多発、データねつ造問題など大企業を中心とする不祥事が相次いで明るみになっています。この両極端な現象を一体どう捉えたらいいのでしょうか。確かに、日本人は一人一人を見れば、技能レベルも高く、仕事に対して真面目に取り組むことでは、世界中でもまれな民族であることは間違いありません。

 「和を以て貴しとなす」と言いますが、日本人はとにかく『カド』を立てないで仲良くするのが一番大切といった意味で、例えば、農作業を毎年共同で滞りなく行うには適した考えですが、グローバル化した近代工業においては、必ずしも、環境変化に対応できない面が生じていることも否定できません。

 こう考えると、日本の企業は、ある程度の規模で、個人個人の技能が生かせる環境で世界と勝負する、ここに焦点を絞り差別化を図って行くことが最も有望な生き方ではないかと思えるのです。欧米は、強力なトップが企業を率いて、特徴ある製品、サービスを提供し、短期間でその成果を得ることを得意とする。

 日本は職人技で一品生産、欧米は標準化で工業生産、それに習ったアジアの新興国も同様に欧米流の生産体系を強いている中、日本の町工場の特徴ある生き方は、これからも世界に通用していくものと確信しています。

 
QC
そのためには、鍛冶屋的な職人気質を残しつつ、世界の市場に進出を果たす経営手法、管理手法を学んでいくことも重要と思います。
 

2.町工場とPDCA

 日本にはまだまだ元気な町工場が活躍しています。3人や5人、又は、せいぜい10人規模の工場で品質管理は必要でしょうか。もし必要なら、一体どんな管理が必要になるでしょうか。

 町工場でモノを作っているからには、おそらく図面通りの加工はできて価格、納期も納入先の要求を満足しているものと思います。それぞれの持ち場で、社員一人一人が役割を分担して、自然的に出来上がった、チームワークによって仕事が進んでいるのだと想像できます。

 そこには暗黙のルールが出来ており、何か問題が発生すると協力しあって解決に当たる、そのような危機管理もちゃんと出来ているのだと思います。

 それはもう、品質管理という意識はなくても、日常業務管理、問題発生時の処理手順が出来上がっているのです。PDCAサイクルを回すマネジメントの中で、DCAサイクルのしくみはすでにできているのです。後は、プランを立て、目標を定めて仕事をすること。これができれば一連の品質管理の活動の形が出来上がることになります。大手の会社から受注を獲得する、あるいは自ら営業活動を行い、顧客を獲得するには、最低限の管理体制が整っていることが、企業としての信頼を得ることに繋がります。では、最低限の管理体制とはどのようなものでしょうか。次回、その2では、品質管理活動とはいったい何かを解説します。
 


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