1作業3人の原則とは:物流の改善ポイント(その6)

投稿日

SCM

 

◆サプライチェーンのための技能向上

今や「一つの仕事しかできない」では広範なメーカー物流には対応できませんので、物流人財育成では多能工化が欠かせません。これは現場作業であれ、管理業務であれ同様です。この多能工化ですが、仕事が広範だということだけではなく、仕事と仕事がつながっていることも要因として挙げられます。

 

部品発注業務と在庫管理業務はとながっています。在庫管理業務を倉庫管理業務はつながっています。このように、さまざまな業務が連携していますので、これをぶつ切りで実行していくことは効率低下という結果を招くリスクがあるのです。そこで一人ができる領域を広げ、まずは自分がやらないとしても、別業務に自分の業務が与える影響を知る必要があります。

 

多能工化のための技能向上策として、「一人3作業」の原則があります。これは一人ができる仕事を3つにするという、技能向上の第一歩ともいうべき施策です。

 

まずはこのレベルから始めます。そして次に「1作業3人」の原則が挙げられます。その名の通り、1つの作業をその職場の3人の人ができるようにするということです。そして最後に「全作業3人」の原則を構築します。これはその職場の全作業をできる人を3人育てるという原則です。各職場でこの3つの原則が構築できれば、技能向上としましてはそこそこのカバー率になるかと思います。

 

間接業務では在庫管理と一言で言っても、調達部品の在庫管理は購買管理、完成品の在庫は生産管理、販売用の在庫管理は営業管理の知識が必要になります。サプライチェーン全体を見渡せば、物流としてこれらの知識は持っておきたいところです。「買いの知識」「つくりの知識」「売りの知識」はメーカ...

SCM

 

◆サプライチェーンのための技能向上

今や「一つの仕事しかできない」では広範なメーカー物流には対応できませんので、物流人財育成では多能工化が欠かせません。これは現場作業であれ、管理業務であれ同様です。この多能工化ですが、仕事が広範だということだけではなく、仕事と仕事がつながっていることも要因として挙げられます。

 

部品発注業務と在庫管理業務はとながっています。在庫管理業務を倉庫管理業務はつながっています。このように、さまざまな業務が連携していますので、これをぶつ切りで実行していくことは効率低下という結果を招くリスクがあるのです。そこで一人ができる領域を広げ、まずは自分がやらないとしても、別業務に自分の業務が与える影響を知る必要があります。

 

多能工化のための技能向上策として、「一人3作業」の原則があります。これは一人ができる仕事を3つにするという、技能向上の第一歩ともいうべき施策です。

 

まずはこのレベルから始めます。そして次に「1作業3人」の原則が挙げられます。その名の通り、1つの作業をその職場の3人の人ができるようにするということです。そして最後に「全作業3人」の原則を構築します。これはその職場の全作業をできる人を3人育てるという原則です。各職場でこの3つの原則が構築できれば、技能向上としましてはそこそこのカバー率になるかと思います。

 

間接業務では在庫管理と一言で言っても、調達部品の在庫管理は購買管理、完成品の在庫は生産管理、販売用の在庫管理は営業管理の知識が必要になります。サプライチェーン全体を見渡せば、物流としてこれらの知識は持っておきたいところです。「買いの知識」「つくりの知識」「売りの知識」はメーカーとして必須要件です。

 

現場作業のスキルを身につけることよりやや難しいかもしれません。しかしサプライチェーン効率化のためにはこれらの知識をまとめたテキスト等を作成し、勉強会を実施していくことは大切なことではないでしょうか。

 

次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
スピードこそがサプライチェーンのコア・コンピタンス

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...


サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?メリットや注目される背景を簡単に解説

インターネットの普及やグローバル化などによる事業環境の変化に伴い、サプライチェーンマネジメント(SCM)が改めて注目を集めています。ものづくりに関わる...

インターネットの普及やグローバル化などによる事業環境の変化に伴い、サプライチェーンマネジメント(SCM)が改めて注目を集めています。ものづくりに関わる...


ビジネスの収益力を決めるサプライチェーンのスピード

 サプライチェーンの重要な指標は時間です。「供給する時間(玉の飛ぶ時間)」と、変動する需要(標的)に対する「供給計画を作る時間(狙いを定める時間)」が短縮...

 サプライチェーンの重要な指標は時間です。「供給する時間(玉の飛ぶ時間)」と、変動する需要(標的)に対する「供給計画を作る時間(狙いを定める時間)」が短縮...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流品質と納期管理 日々の管理を充実させる(その2)

   日々の管理を充実させる(その1)に続いて、今回は、物流品質と納期管理について解説します。 1. 物流品質  物流品質には、間違っ...

   日々の管理を充実させる(その1)に続いて、今回は、物流品質と納期管理について解説します。 1. 物流品質  物流品質には、間違っ...


後工程はお客様 物流最高品質を生み出すものとは(その3)

       物流品質で高い水準を示す相手は顧客ばかりとは限りません。自社内であっても高品質で喜ばれることは大変重要なことだと言えます。工場内物流で...

       物流品質で高い水準を示す相手は顧客ばかりとは限りません。自社内であっても高品質で喜ばれることは大変重要なことだと言えます。工場内物流で...


物流業と管理技術:製造業に学ぶ(その2)

  ◆ 管理技術を学ぶ 製造業は一般的に標準化が進んでいます。なぜならそれを怠れば製品品質に影響を与えてしまうからです。標準化で手を抜く...

  ◆ 管理技術を学ぶ 製造業は一般的に標準化が進んでいます。なぜならそれを怠れば製品品質に影響を与えてしまうからです。標準化で手を抜く...