荷姿モジュール統合とは:物流コスト改善に取り組む(その3)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 荷姿モジュールの統合

トラックに積む箱の種類が多すぎるとどうなるでしょうか。多分、箱と箱とが重ならず、箱の上が空間になってしまうことでしょう。これではトラック積載率が向上しません。結果としてトラック台数を減らせないことになってしまうわけです。

 

トラック運賃が下がりづらい環境にあるのであれば、何とか工夫してトラック台数を減らすことが物流コスト改善につながります。そこで考えるべきことは「荷姿モジュールの統合」です。もしかしたら積載率向上を考慮した荷姿体系になっていない可能性があります。

 

この世の中からモノを運ぶ機能は無くなりません。ということなら、コスト改善のためにも積載率向上を前提に荷姿の体系を決めましょう。その決め方ですが、次のようになります。

 

  1. 最も頻繁に使う輸送モード(10トントラック、海上コンテナなど)を決める
  2. その荷台を輪切りにするイメージで箱の形と大きさを決める
  3. リターナブル容器であれば空(から)の状態で圧縮できるようにする

 

もし10トントラックをよく使うのであれば、その荷台を輪切りした荷姿モジュールとします。10トントラックにぴったりとはまるように設計するわけです。

 

前後工程でパレットが必要となる場合には、パレット容積を考慮しましょう。つまりその分だけ箱の容積を縮めるのです。輸送にとってパレットは付加価値を生まない邪魔者なのですが、積み込み、荷下ろし時にはあると便利だからです。

 

輸送コストに最も効果がある改善アイテムは上記の通り「荷姿改善」です。そしてもう一つ効果的なアイテムがあります。それは「混載輸送」になります。同じ会社でも、同一方面に複数のトラックを仕立てて低積載率で輸送している事例が多々あります。これはコストを発生させるばかりでなく、交通渋滞やCO2発生の要因となります。

 

そこでできる...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 荷姿モジュールの統合

トラックに積む箱の種類が多すぎるとどうなるでしょうか。多分、箱と箱とが重ならず、箱の上が空間になってしまうことでしょう。これではトラック積載率が向上しません。結果としてトラック台数を減らせないことになってしまうわけです。

 

トラック運賃が下がりづらい環境にあるのであれば、何とか工夫してトラック台数を減らすことが物流コスト改善につながります。そこで考えるべきことは「荷姿モジュールの統合」です。もしかしたら積載率向上を考慮した荷姿体系になっていない可能性があります。

 

この世の中からモノを運ぶ機能は無くなりません。ということなら、コスト改善のためにも積載率向上を前提に荷姿の体系を決めましょう。その決め方ですが、次のようになります。

 

  1. 最も頻繁に使う輸送モード(10トントラック、海上コンテナなど)を決める
  2. その荷台を輪切りにするイメージで箱の形と大きさを決める
  3. リターナブル容器であれば空(から)の状態で圧縮できるようにする

 

もし10トントラックをよく使うのであれば、その荷台を輪切りした荷姿モジュールとします。10トントラックにぴったりとはまるように設計するわけです。

 

前後工程でパレットが必要となる場合には、パレット容積を考慮しましょう。つまりその分だけ箱の容積を縮めるのです。輸送にとってパレットは付加価値を生まない邪魔者なのですが、積み込み、荷下ろし時にはあると便利だからです。

 

輸送コストに最も効果がある改善アイテムは上記の通り「荷姿改善」です。そしてもう一つ効果的なアイテムがあります。それは「混載輸送」になります。同じ会社でも、同一方面に複数のトラックを仕立てて低積載率で輸送している事例が多々あります。これはコストを発生させるばかりでなく、交通渋滞やCO2発生の要因となります。

 

そこでできるだけ同じトラックに荷を混載することで輸送をしたいものです。この混載輸送において、まずは社内調整の必要性について考えていきましょう。社内調整とはズバリ情報の共有化です。複数部署がばらばらにトラックを仕立てているのは他部署の出荷情報がつかめていないことが挙げられます。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
部品メーカーのサプライチェーンにおける機会と脅威

 部品メーカーにとって大きな機会と脅威が共存する時代となったのは、経営環境が今のように過渡期で大きく変わりつつあるからです。グローバル市場とインターネット...

 部品メーカーにとって大きな機会と脅威が共存する時代となったのは、経営環境が今のように過渡期で大きく変わりつつあるからです。グローバル市場とインターネット...


サプライチェーン情報ネットワークインフラの重要性

 サプライチェーンにおけるネットワーク情報化は、部品メーカーの激しい自然淘汰による巨大企業出現の可能性を促進します。販売工程を延長し最終顧客に納入するまで...

 サプライチェーンにおけるネットワーク情報化は、部品メーカーの激しい自然淘汰による巨大企業出現の可能性を促進します。販売工程を延長し最終顧客に納入するまで...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その4)

「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」その4は、前回に続いて、急激な売れ行き、急激な下降の時のアクションを、解説します。今回は、前回のその3で述...

「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れない」その4は、前回に続いて、急激な売れ行き、急激な下降の時のアクションを、解説します。今回は、前回のその3で述...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
後工程はお客様 ものづくりと物流の同期化(その2)

◆ トラック合わせ生産とは  後工程はお客様という言葉があります。職種を問わず自分の仕事の後工程はすべてお客様であり、お客様のためになる仕事をやって...

◆ トラック合わせ生産とは  後工程はお客様という言葉があります。職種を問わず自分の仕事の後工程はすべてお客様であり、お客様のためになる仕事をやって...


物流改革 物流アウトソース(その5)

◆ 共同物流改善を進める  物流契約が結ばれればいよいよ業務が開始されます。当初予定していたパフォーマンスが出ているかどうかをチェックしていきましょ...

◆ 共同物流改善を進める  物流契約が結ばれればいよいよ業務が開始されます。当初予定していたパフォーマンスが出ているかどうかをチェックしていきましょ...


3点照合と指差呼称 物流不良流出を防ぐには(その2)

       1. 3点照合  物流不良流出を防ぐために、会社としてこれだけは守って欲しいと思うアイテムは...

       1. 3点照合  物流不良流出を防ぐために、会社としてこれだけは守って欲しいと思うアイテムは...