輸送コスト:物流コスト改善に取り組む(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 輸送コストの構成要素

運賃が上がるあるいは下がりにくいと言って、物流コスト自体が下がらないと考えることは正しくありません。多分大方の会社の場合、物流コストは下がると思います。会社の物流コストの6~7割を占めるのが輸送コストです。そこで輸送コストを下げるための改善に取り組むと効果的です。

 

輸送コストは次の式で表現することができます。

 

輸送コスト = 輸送単価 × 物流量 × 距離

 

従いましてこのいずれかの要素を下げていくことで輸送コストが下がるということになります。

 

多くの会社はこのうち「輸送単価」にばかり偏った取り組みを行っています。しかしこれからは「物流量」をへらすこと、「距離」を短縮することに注力しなければなりません。もしかしたらそれは難しいと思っている人もいらっしゃるかもしれません。

 

でもそれは「思い込み」に過ぎません。なぜなら、拠点を近づけることで距離は縮まりますし、荷姿改善を行えば物流量をへらすことができます。要はこういった活動をまじめにやれるかどうかです。そんなこと非現実的だ、と言ったとたんに不可能になります。

 

輸送単価もトラック輸送では難度が高まっているかもしれませんが、鉄道輸送や船舶輸送に変更することで下がる可能性はあるのです。頭の中にある「固定観念」は捨てて下さい。そうすれば物流コスト改善のアイデアはたくさん出てくることでしょう。

 

特に皆さんに取り組んでいただきたいのが「荷姿改善」です。包装改善、パッケージ改善も同義語です。物流はモノを移動させることが中心になりますから、そのモノを小さくすることが物流コスト削減に寄与するわけです。荷姿改善のポイントは、簡単に言うと箱の中に隙間なく製品が入っているイメージです。しかし製品には大きいものもあり小さいものもあります。

...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 輸送コストの構成要素

運賃が上がるあるいは下がりにくいと言って、物流コスト自体が下がらないと考えることは正しくありません。多分大方の会社の場合、物流コストは下がると思います。会社の物流コストの6~7割を占めるのが輸送コストです。そこで輸送コストを下げるための改善に取り組むと効果的です。

 

輸送コストは次の式で表現することができます。

 

輸送コスト = 輸送単価 × 物流量 × 距離

 

従いましてこのいずれかの要素を下げていくことで輸送コストが下がるということになります。

 

多くの会社はこのうち「輸送単価」にばかり偏った取り組みを行っています。しかしこれからは「物流量」をへらすこと、「距離」を短縮することに注力しなければなりません。もしかしたらそれは難しいと思っている人もいらっしゃるかもしれません。

 

でもそれは「思い込み」に過ぎません。なぜなら、拠点を近づけることで距離は縮まりますし、荷姿改善を行えば物流量をへらすことができます。要はこういった活動をまじめにやれるかどうかです。そんなこと非現実的だ、と言ったとたんに不可能になります。

 

輸送単価もトラック輸送では難度が高まっているかもしれませんが、鉄道輸送や船舶輸送に変更することで下がる可能性はあるのです。頭の中にある「固定観念」は捨てて下さい。そうすれば物流コスト改善のアイデアはたくさん出てくることでしょう。

 

特に皆さんに取り組んでいただきたいのが「荷姿改善」です。包装改善、パッケージ改善も同義語です。物流はモノを移動させることが中心になりますから、そのモノを小さくすることが物流コスト削減に寄与するわけです。荷姿改善のポイントは、簡単に言うと箱の中に隙間なく製品が入っているイメージです。しかし製品には大きいものもあり小さいものもあります。

 

そうなるといろいろなタイプの箱が必要になります。でも輸送時にはあまりにも箱の種類が多いとかえってトラックの積載効率が落ちることにつながるのです。ではそれを回避するためにはどのような取り組みが必要になるでしょうか。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーン情報ネットワークインフラの重要性

 サプライチェーンにおけるネットワーク情報化は、部品メーカーの激しい自然淘汰による巨大企業出現の可能性を促進します。販売工程を延長し最終顧客に納入するまで...

 サプライチェーンにおけるネットワーク情報化は、部品メーカーの激しい自然淘汰による巨大企業出現の可能性を促進します。販売工程を延長し最終顧客に納入するまで...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その1)

1.高度成長期は商品力で競争していた    私は1954年生まれの61歳。高度成長から中成長への切替わり時に社会人になりました。私の先輩は高...

1.高度成長期は商品力で競争していた    私は1954年生まれの61歳。高度成長から中成長への切替わり時に社会人になりました。私の先輩は高...


サプライチェーンにおけるポジショニング

 製造業再編の発生理由は、サプライチェーン上での存在意義をどうするかという、企業のポジショ二ングのし直しといって良いでしょう。   これまでの...

 製造業再編の発生理由は、サプライチェーン上での存在意義をどうするかという、企業のポジショ二ングのし直しといって良いでしょう。   これまでの...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
真の調達物流の実現とは メーカー物流の勘所(その2)

◆ 調達物流の改善  サプライヤー側も物流コストを下げたいため、お客様に対して、まとめてものを引き取ることを要請します。たとえば10トン車が満載にな...

◆ 調達物流の改善  サプライヤー側も物流コストを下げたいため、お客様に対して、まとめてものを引き取ることを要請します。たとえば10トン車が満載にな...


  物流地位向上に向けて:物流の意味するところ(その1)

  ◆物流地位向上に向けて 物流という言葉の意味を教科書的に解釈すると、それは5機能ということになります。「輸送」「保管」「荷役」「包装...

  ◆物流地位向上に向けて 物流という言葉の意味を教科書的に解釈すると、それは5機能ということになります。「輸送」「保管」「荷役」「包装...


宅配物流について考える (その3)

1. 宅配物流の課題  宅配サービスの基本は配送先で手渡しすることで仕事を完了することにあります。これは海外に比べると高いサービスだと考えられます。アメ...

1. 宅配物流の課題  宅配サービスの基本は配送先で手渡しすることで仕事を完了することにあります。これは海外に比べると高いサービスだと考えられます。アメ...