価格見積もりの統一性とは 物流を測定するツールを導入する(その1)

更新日

投稿日

サプライチェーン

◆ 物流見積もり作成時の基準

 私たち消費者は、商品やサービスを購入する時にカタログを見ます。カタログには商品と希望小売価格が提示されています。にもかかわらず、物流というサービスについて「商品」と「価格」をカタログで見掛けることはほとんどありません。それすら存在しません。

 このカタログを作ることができていない理由は何なのでしょうか。その一つは物流自体を測定するツールが明確になっていないことが考えられます。

 物流の活動を測定できるツールはとても重要です。しかし、これほどまでに大切なツールにもかかわらず、意外と導入されていない会社が多いことには驚かされます。それはなぜでしょうか。


 物流にはいろいろなパターンがあります。だからと言って「物流の活動が測定できない」、「カタログが作れない」ということには繋がらないでしょう。それは基本パターンは作成できるからです。買う側のことを考えると、この基本パターンと基本価格は提示しておくべきでしょう。これが無いということは残念ながら、あまり顧客の方を向いていないと言わざるを得ません。

 段ボール箱を日に100個動かす時に、必要コストについて明確に把握できていないと、カタログ化は難しいと思われます。顧客から引き合いがある度に時間を測定し、それに基づいて価格を算出することが多いのかもしれません。しかしそれを繰り返していると、価格ベースが変更になる可能性があります。

 ある時は100円であり、またある時は120円であるということが発生します。このような価格のばらつきがあると、顧客の信用を失ってしまい兼ねません。そこで毎回の見積もりを同じ原単位で作成できるようなメジャーが(基準)が必要になります。ではそれはどのように作成していったら良いのでしょうか...

サプライチェーン

◆ 物流見積もり作成時の基準

 私たち消費者は、商品やサービスを購入する時にカタログを見ます。カタログには商品と希望小売価格が提示されています。にもかかわらず、物流というサービスについて「商品」と「価格」をカタログで見掛けることはほとんどありません。それすら存在しません。

 このカタログを作ることができていない理由は何なのでしょうか。その一つは物流自体を測定するツールが明確になっていないことが考えられます。

 物流の活動を測定できるツールはとても重要です。しかし、これほどまでに大切なツールにもかかわらず、意外と導入されていない会社が多いことには驚かされます。それはなぜでしょうか。


 物流にはいろいろなパターンがあります。だからと言って「物流の活動が測定できない」、「カタログが作れない」ということには繋がらないでしょう。それは基本パターンは作成できるからです。買う側のことを考えると、この基本パターンと基本価格は提示しておくべきでしょう。これが無いということは残念ながら、あまり顧客の方を向いていないと言わざるを得ません。

 段ボール箱を日に100個動かす時に、必要コストについて明確に把握できていないと、カタログ化は難しいと思われます。顧客から引き合いがある度に時間を測定し、それに基づいて価格を算出することが多いのかもしれません。しかしそれを繰り返していると、価格ベースが変更になる可能性があります。

 ある時は100円であり、またある時は120円であるということが発生します。このような価格のばらつきがあると、顧客の信用を失ってしまい兼ねません。そこで毎回の見積もりを同じ原単位で作成できるようなメジャーが(基準)が必要になります。ではそれはどのように作成していったら良いのでしょうか。

 

 一つに過去の実績から作成することが考えられます。倉庫内作業者が過去に何時間で段ボール箱をいくつ処理できたのかを調べます。これで一箱あたりの工数が分かります。それに労務費原単位を乗ずることで、コストが算出されることになるのです。この基準たるメジャーを箱のサイズ別に保有することで、顧客に提示する価格見積もりに統一性が出てきます。

 

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
フールプルーフを導入しよう 物流品質の向上 (その6)

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...


物流BCPについて考える【連載記事紹介】

  物流BCPについて考えるの連載記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流BCPについて考える 東日本大震災以降、一般...

  物流BCPについて考えるの連載記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流BCPについて考える 東日本大震災以降、一般...


SCM効率を評価するKPIの新提案 SCM最前線 (その15)

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...

 前回のその14に続いて解説します。   4. 面積原価を導入すると何が変わるか   (1) 資源効率視点での製品の正しい利益...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流先進企業とは 物流関心度を高める(その5)

 前回のその4に続いて解説します。    物流先進企業というと、どの会社をイメージするでしょうか。一般消費者であれば、通販企業かもしれません。 オーダ...

 前回のその4に続いて解説します。    物流先進企業というと、どの会社をイメージするでしょうか。一般消費者であれば、通販企業かもしれません。 オーダ...


グローバル物流とSCM

1. グローバル物流は難しいのか  皆さんの会社はグローバル企業でしょうか。グローバル企業の定義は難しいかもしれませんが、物流に関してグローバルでモ...

1. グローバル物流は難しいのか  皆さんの会社はグローバル企業でしょうか。グローバル企業の定義は難しいかもしれませんが、物流に関してグローバルでモ...


現場での立ち会議 物流問題の解決は3現主義で(その2)

       1. 3現主義の典型例  物流過程で起きた問題点は3現主義で解決していきましょう。物流上の問題点の例として物流品質不良が挙げられ...

       1. 3現主義の典型例  物流過程で起きた問題点は3現主義で解決していきましょう。物流上の問題点の例として物流品質不良が挙げられ...