共同輸送への道筋 トラック積載率を上げるには(その1)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 容器モジュールで物流改善

 物流においてトラックの積載率を上げるように仕事を考えていくことは非常に重要です。トラックの能力を常に意識して仕事をしていますでしょうか。トラックの能力とは重量的な能力と容積的な能力の両方を指します。例えば10トン車であれば約10トンの重量的能力、約53㎥容積的能力の両方を目いっぱい使えるように仕事を組み立てていくことが大切になってくるわけです。

 トラックいっぱいに積んだと考えていたとしても「重量的な能力と容積的な能力」2つの視点から見比べてみると意外と詰めていなかったのだな、と納得してしまうことがあります。トラックの荷台を見て「80%」の積載率に見えても、箱の中身が半分だったり軽いものだったりすると実際には重量的に30%とか40%だったりします。

 では実際に積載率を向上させるためにはどのような手を打ったら良いでしょうか。

 第一に容器モジュールの「トラックの輪切り化」です。トラックの荷台を変更することはできませんので、まずはそれを「前提条件」としてとらえるべきでしょう。前提条件をベースに容器のサイズを考えるのです。

 この場合、積合わせを行えば「荷台の縦横高さ」でぴったりと収まるようなモジュールを作成するのです。パレット積みを行うのであれば、まずパレットが荷台にはまるようにサイズにを決める必要があります。

 JIS規格の1.1パレットが輸送には必ずしもそぐわないと感じていらっしゃる方もいるかもしれません。なぜならこのサイズはトラックの荷台にぴったりとはまらないからです。できればパレットも極力薄さを追求したいものです。なぜなら荷台の上でパレットは何の付加価値も生まないからです。であれば、その容積は小さければ...

サプライチェーンマネジメント

◆ 容器モジュールで物流改善

 物流においてトラックの積載率を上げるように仕事を考えていくことは非常に重要です。トラックの能力を常に意識して仕事をしていますでしょうか。トラックの能力とは重量的な能力と容積的な能力の両方を指します。例えば10トン車であれば約10トンの重量的能力、約53㎥容積的能力の両方を目いっぱい使えるように仕事を組み立てていくことが大切になってくるわけです。

 トラックいっぱいに積んだと考えていたとしても「重量的な能力と容積的な能力」2つの視点から見比べてみると意外と詰めていなかったのだな、と納得してしまうことがあります。トラックの荷台を見て「80%」の積載率に見えても、箱の中身が半分だったり軽いものだったりすると実際には重量的に30%とか40%だったりします。

 では実際に積載率を向上させるためにはどのような手を打ったら良いでしょうか。

 第一に容器モジュールの「トラックの輪切り化」です。トラックの荷台を変更することはできませんので、まずはそれを「前提条件」としてとらえるべきでしょう。前提条件をベースに容器のサイズを考えるのです。

 この場合、積合わせを行えば「荷台の縦横高さ」でぴったりと収まるようなモジュールを作成するのです。パレット積みを行うのであれば、まずパレットが荷台にはまるようにサイズにを決める必要があります。

 JIS規格の1.1パレットが輸送には必ずしもそぐわないと感じていらっしゃる方もいるかもしれません。なぜならこのサイズはトラックの荷台にぴったりとはまらないからです。できればパレットも極力薄さを追求したいものです。なぜなら荷台の上でパレットは何の付加価値も生まないからです。であれば、その容積は小さければ小さいほど望ましいということになるのです。

 そしてこのモジュールを企業グループまたは業界で共通化して使っていくようにしましょう。これは複数の会社での積合わせを可能とします。共同輸送には切っても切れないアイテムとなるはずです。荷姿モジュールを検討すると、今まで製品を裸で運んでいたものをさらに効率的に運ぶための知恵が出てきます。これにつきましては次回に紹介させていただきます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
物流人財育成【連載記事紹介】

  物流人財育成の記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流課題を解決できる人財育成 「物流は極めて重要な戦略的課題であ...

  物流人財育成の記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流課題を解決できる人財育成 「物流は極めて重要な戦略的課題であ...


サプライチェーンの工程統合による在庫削減

 サプライチェーンは、生産工程での連鎖と連鎖の間にストックポイントがある業務連鎖といえます。ストックポイントを少なくさせるには業務が統合されていればよいこ...

 サプライチェーンは、生産工程での連鎖と連鎖の間にストックポイントがある業務連鎖といえます。ストックポイントを少なくさせるには業務が統合されていればよいこ...


サプライチェーンとキャッシュフローの関係

1.時間こそキャッシュの源泉  モノがサプライチェーン上を駆け抜ける時間を短くすれば、キャッシュの回転スピードは上がります。われわれがよく知っている「時...

1.時間こそキャッシュの源泉  モノがサプライチェーン上を駆け抜ける時間を短くすれば、キャッシュの回転スピードは上がります。われわれがよく知っている「時...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
作業指示を明確に与える 物流技術標準と物流作業標準を設定する(その1)

       1. 作業者の仕事の拠り所になる標準文書  会社が要求された安全、品質、納期、コストを確実に確保するためには物流技術標準と物流作...

       1. 作業者の仕事の拠り所になる標準文書  会社が要求された安全、品質、納期、コストを確実に確保するためには物流技術標準と物流作...


収益の要因把握とは 物流収益管理の大切さ(その1)

◆ 業務別収支管理の実行  物流会社は、月々の収益を認識し改善につなげていく活動が重要になってきます。この収益を認識する頻度は一般的に多いほうがいい...

◆ 業務別収支管理の実行  物流会社は、月々の収益を認識し改善につなげていく活動が重要になってきます。この収益を認識する頻度は一般的に多いほうがいい...


製品形状への要求 エンジニアリングとしての物流(その5)

 荷姿効率を向上するために製品の「組立工程の変更」を行うことはそれほど難しいことではありません。単にそういったことは出来ないことだ、と思い込んでいるだけで...

 荷姿効率を向上するために製品の「組立工程の変更」を行うことはそれほど難しいことではありません。単にそういったことは出来ないことだ、と思い込んでいるだけで...