輸送時付加価値を与えないもの トラック積載率を上げるには(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 物流容器の有効活用

 積載効率を上げるには製品を裸のまま運ぶことが理想です。そうすることで容器などの余分なスペースを省き効率が上がるわけです。パレットはトラックに積み込むときにはまとめて積めて効率向上に寄与しますが、いったん荷台に載せられてしまうとそれはスペースを占める余分なものに他なりません。このパレットの例のように輸送時に付加価値を与えないものは排除することが望ましいと考えましょう。

 一方でトラックの荷台を見た時、積み重ねができないために積載品の上部が空間になってしまっている状態を目にすることがあります。この上部は「空気を運んでいる」ことと何ら変わることはありません。このような空間は有効活用したいものです。

 製品を裸で運ぶ場合には製品同士の積み重ねが不可能な事がほとんどですから、逆の発想として容器を作成し、そこに格納した容器を積み重ねていく方法を考えてみましょう。できるだけシンプルな容器にするには「柱パレット」などが適しているかもしれません。そしてこの容器を作成する場合にもう二つ留意すべき点があります。

 それが他の容器との積み重ねを可能にするということです。前回トラックの荷台を輪切りにして容器モジュールを設定するお話をさせていただきました。このモジュール化された容器との積み重ねが可能になるように作成するのです。

 そしてもう一点重要なことをお話させていただきます。それが容器の圧縮可能化です。

 リターナブル容器には返却がつきものです。行った先で帰り荷があり、それを入れられれば良いのですが、そう簡単にはいかな...

サプライチェーンマネジメント

◆ 物流容器の有効活用

 積載効率を上げるには製品を裸のまま運ぶことが理想です。そうすることで容器などの余分なスペースを省き効率が上がるわけです。パレットはトラックに積み込むときにはまとめて積めて効率向上に寄与しますが、いったん荷台に載せられてしまうとそれはスペースを占める余分なものに他なりません。このパレットの例のように輸送時に付加価値を与えないものは排除することが望ましいと考えましょう。

 一方でトラックの荷台を見た時、積み重ねができないために積載品の上部が空間になってしまっている状態を目にすることがあります。この上部は「空気を運んでいる」ことと何ら変わることはありません。このような空間は有効活用したいものです。

 製品を裸で運ぶ場合には製品同士の積み重ねが不可能な事がほとんどですから、逆の発想として容器を作成し、そこに格納した容器を積み重ねていく方法を考えてみましょう。できるだけシンプルな容器にするには「柱パレット」などが適しているかもしれません。そしてこの容器を作成する場合にもう二つ留意すべき点があります。

 それが他の容器との積み重ねを可能にするということです。前回トラックの荷台を輪切りにして容器モジュールを設定するお話をさせていただきました。このモジュール化された容器との積み重ねが可能になるように作成するのです。

 そしてもう一点重要なことをお話させていただきます。それが容器の圧縮可能化です。

 リターナブル容器には返却がつきものです。行った先で帰り荷があり、それを入れられれば良いのですが、そう簡単にはいかない事がほとんどです。つまり空容器の状態で回収して輸送する必要が出てきてしまうのです。その際にはトラック積載率を向上するためにはできるだけ容器を圧縮し、多くの数を積みたいものです。

 容器を折りたたむか、容器同士がすっぽりとはまるように設計し、圧縮することが望ましいでしょう。圧縮後は容積が20%程度まで縮まることが理想です。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCMの定義と長期的価値

1.サプライチェーンの需要と供給はコインの表裏  生産も販売も、顧客から見ると供給業務の連鎖です。また生産から見ると販売は需要であり、販売からみれば生産...

1.サプライチェーンの需要と供給はコインの表裏  生産も販売も、顧客から見ると供給業務の連鎖です。また生産から見ると販売は需要であり、販売からみれば生産...


連続的プロセス改善によるサプライチェーンのスピードアップ

 企業経営におけるコア・コンピタンスがスピードであるならば、何を経営指標としなければならないのでしょうか。組織ぐるみでの日本発の経営改善活動である連続的改...

 企業経営におけるコア・コンピタンスがスピードであるならば、何を経営指標としなければならないのでしょうか。組織ぐるみでの日本発の経営改善活動である連続的改...


サプライチェーンマネジメントの最終目標とは

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
作業系ITサポートツール 物流をマネジメントできるシステム(その1)

        世の中多くの領域でIT化が進み、業務効率も以前に比べて見違えるほど効率化しました。これはエラーでも同じことです。ミスを回避する手段が...

        世の中多くの領域でIT化が進み、業務効率も以前に比べて見違えるほど効率化しました。これはエラーでも同じことです。ミスを回避する手段が...


物流収支を知るとは

1. 目標原価をチェックする  物流業務を行う上で、日々気にする必要があるのは収支です。昨日は果たして儲かったのかどうか。予定していた利益が出た...

1. 目標原価をチェックする  物流業務を行う上で、日々気にする必要があるのは収支です。昨日は果たして儲かったのかどうか。予定していた利益が出た...


物流コンプライアンスとは

  1. トラック運転者の労働時間  最近では労働時間に関する規制が厳しくなりました。長時間労働による健康障害の発生を防ぐためですが、これは物流業...

  1. トラック運転者の労働時間  最近では労働時間に関する規制が厳しくなりました。長時間労働による健康障害の発生を防ぐためですが、これは物流業...