物流情報への取組み方で物流コストが変わる 物流情報の一元化でコスト削減(その3)

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サプライチェーンマネジメント

◆ サービスレベルアグリーメントとKPI

 各部門が各々の発注窓口から同一の物流会社に発注している場合は、発注窓口を一カ所とし、そこから物流会社に発注を行う。これが物流情報の一元化であり、コスト削減への道筋です。各部門で発注すると、0.5台分の荷物しかないのに1台配車し、別部門が同じ日に同様の配車をする可能性があります。大きな会社になればなるほどこういった現象が発生しやすくなる傾向にあります。

 容器を購入する場合もスケールメリットを生かすべきでしょう。各部門や各工場でばらばらに発注するのではなく、まとめて年間発注数を決めて契約価格を定めることが最初にやるべきことではないでしょうか。その上で個別に必要数を必要なタイミングで購入していくのです。要は価格についてはその会社としての取引価格を定めることで、部門価格でこれを行ってはいけません。

 サービス内容についても会社として定めます。物流会社とはサービスレベルアグリーメント(SLA)を結び、その通りに仕事を行ってもらうとともに、そのレベルに見合った価格設定を行います。仕事のパフォーマンスについては各部門で評価を行い、それを集約したう上で物流会社とパフォーマンスミーティングを実施するようにしましょう。

 つまり、その会社としての評価を物流会社に伝えるのであって、それぞれの部門から発信するのではないということです。また自社の物流KPIについても部門間で統一しておくと良いと思います。ルート別積載率や荷姿充填率、誤出荷率(流出率)や工程内不良率(未流出率)などは各部門で把握し、その程度を比較するようにします。

 物流情報への取組み方で物流コストが変わってきます...

サプライチェーンマネジメント

◆ サービスレベルアグリーメントとKPI

 各部門が各々の発注窓口から同一の物流会社に発注している場合は、発注窓口を一カ所とし、そこから物流会社に発注を行う。これが物流情報の一元化であり、コスト削減への道筋です。各部門で発注すると、0.5台分の荷物しかないのに1台配車し、別部門が同じ日に同様の配車をする可能性があります。大きな会社になればなるほどこういった現象が発生しやすくなる傾向にあります。

 容器を購入する場合もスケールメリットを生かすべきでしょう。各部門や各工場でばらばらに発注するのではなく、まとめて年間発注数を決めて契約価格を定めることが最初にやるべきことではないでしょうか。その上で個別に必要数を必要なタイミングで購入していくのです。要は価格についてはその会社としての取引価格を定めることで、部門価格でこれを行ってはいけません。

 サービス内容についても会社として定めます。物流会社とはサービスレベルアグリーメント(SLA)を結び、その通りに仕事を行ってもらうとともに、そのレベルに見合った価格設定を行います。仕事のパフォーマンスについては各部門で評価を行い、それを集約したう上で物流会社とパフォーマンスミーティングを実施するようにしましょう。

 つまり、その会社としての評価を物流会社に伝えるのであって、それぞれの部門から発信するのではないということです。また自社の物流KPIについても部門間で統一しておくと良いと思います。ルート別積載率や荷姿充填率、誤出荷率(流出率)や工程内不良率(未流出率)などは各部門で把握し、その程度を比較するようにします。

 物流情報への取組み方で物流コストが変わってきますので、その要因としてのKPIは共通化し、どこの部署がうまくオペレーションできているのかについて評価することです。できれば全社的に物流状況を把握し、企画運営できる物流管理部を設置することが望ましいと思います。

 会社として物流に関して、各部門がばらばらに取り組んでしまうと様々なロスの発生につながります。物流情報を共有化し、物流パフォーマンスを強化していきましょう。

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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