ほとんどわかっていない要求品質を客観的に評価するには

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 今回は要求品質を顧客調査する方法をお伝えします。

 製品案や仮説案においての顧客へのアンケート調査の目的は、顧客の個々の「主観的」要求を、統計的見地によって「客観的」な顧客(母集団)の要求として把握しようとすることです。アンケート設計において、肝となるのは、主観的な情報を客観的情報にすることです。

 特に注意する点は顧客要求である要求品質の観点と、魅力的品質実現のための期待項目を入れることでが、とはいえ、単純に製品や仮説案を聞くだけではなく、顧客に製品をイメージしてもらうために、実際、現状を把握した上での比較をすることが重要です。

【アンケート設計】

  1. 顧客の製品に対する現状把握
  2. 顧客の不満
  3. 顧客の要望
  4. 製品案、仮説案の評価
  5. 顧客の個人情報

 顧客の個人情報を知るには、個人のプロフィールだけではなく、統計的に層別分析をするために活用します。性別や年齢、住居形態、個人の価値観、趣味など、一般的な層別分析、例えば性別比較や年代比較だけではなく、個人の価値観を聞くことをおすすめします。

 製品案、仮説案評価では、要因分析するための調査設計が重要です。

品質マネジメント

【要因分析】

  • 総合評価(好き、買いたい、使いたいなど)に、どのような要因が影響するかを分析すること。
  • 要因は、評価用語といわれ、製品を評価する用語を10個程度入れます。
  • 評価用語は対象顧客にインタビューなどで製品案を評価して得た項目が良いでしょう。
  • 評価用語と総合評価は5段階評価以上の段階で聞くと良いでしょう。

【ポジショニング分析を実施するための調査設計】

  • 製品案が複数案あり、要因分析できる調査票を準備します。

【ポジショニング分析】

  • 主観的にポジショニン...

 

 今回は要求品質を顧客調査する方法をお伝えします。

 製品案や仮説案においての顧客へのアンケート調査の目的は、顧客の個々の「主観的」要求を、統計的見地によって「客観的」な顧客(母集団)の要求として把握しようとすることです。アンケート設計において、肝となるのは、主観的な情報を客観的情報にすることです。

 特に注意する点は顧客要求である要求品質の観点と、魅力的品質実現のための期待項目を入れることでが、とはいえ、単純に製品や仮説案を聞くだけではなく、顧客に製品をイメージしてもらうために、実際、現状を把握した上での比較をすることが重要です。

【アンケート設計】

  1. 顧客の製品に対する現状把握
  2. 顧客の不満
  3. 顧客の要望
  4. 製品案、仮説案の評価
  5. 顧客の個人情報

 顧客の個人情報を知るには、個人のプロフィールだけではなく、統計的に層別分析をするために活用します。性別や年齢、住居形態、個人の価値観、趣味など、一般的な層別分析、例えば性別比較や年代比較だけではなく、個人の価値観を聞くことをおすすめします。

 製品案、仮説案評価では、要因分析するための調査設計が重要です。

品質マネジメント

【要因分析】

  • 総合評価(好き、買いたい、使いたいなど)に、どのような要因が影響するかを分析すること。
  • 要因は、評価用語といわれ、製品を評価する用語を10個程度入れます。
  • 評価用語は対象顧客にインタビューなどで製品案を評価して得た項目が良いでしょう。
  • 評価用語と総合評価は5段階評価以上の段階で聞くと良いでしょう。

【ポジショニング分析を実施するための調査設計】

  • 製品案が複数案あり、要因分析できる調査票を準備します。

【ポジショニング分析】

  • 主観的にポジショニング軸を決定します。
  • ポジショニング軸に自社や競合他社の製品案を布置します。

【商品企画七つ道具のポジショニング分析】

  • ポジショニング軸がわかります。
  • ポジショニング軸での製品案の位置がわかります。
  • 総合評価を高める選好方向がわかります。

【参考文献】神田範明編著『失敗しない商品企画教えます』日科技連出版、2019年

 

 

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この記事の著者

石川 朋雄

日本のものづくりは品質向上に切磋琢磨し,高品質な商品を開発しました。高品質商品と顧客価値創造を融合する商品企画のシステム化を提案します。

日本のものづくりは品質向上に切磋琢磨し,高品質な商品を開発しました。高品質商品と顧客価値創造を融合する商品企画のシステム化を提案します。


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