元の方法に戻して改善対策をやめた事例

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中国工場

 前回プレスで鉄製支柱の穴あけ加工をやっている中国工場では、作業者がガイドピンに支柱を押し当てることで位置を決めている事例を紹介しました。この場合、穴位置精度は作業者次第となっていること、穴位置不良でクレームが出ていることもお伝えしました。

 この方法で問題ないと考えている生産の班長や品管リーダーに対して、この方法では穴位置がずれることが起こり得ることを説明しました。こうして文字にするとすぐにでも理解されたような感じになってしまいますが、ずれが起こることを理解してもらうのに苦労しました。

 支柱をセットする下型にクリアランスがあるので、ガイドピンが1本だけでのセット方法では、支柱に動きが生じずれとなります。このずれが生じることを実際にセットして理解してもらいました。

 作業者に頼らない方法で、位置ずれが起きないように対策することが必要であり、その方法を考えてもらうことにしました。

 生産スタッフの改善案は、下型の周囲にガイドピンを4本設置するというものでした。これによって支柱が動く範囲を限定することで穴位置の精度が確保できるというものです。

 その改善案に従いガイドピンを設置することで、支柱はセットされれば正しい位置になることが確認されました。この方法で生産を再開しました。ところが何ヶ月か経ったときに、その加工作業を何気なく見ると、以前見たガイドピン1本だけの方法で生産をしていることを目にしました。最初は目を疑いましたが、現実でした。

 中国人の品管リーダーは「4本のガイドピンを設けて生産したが、支柱がガイドピンにスムーズに入っていかない、作業がやりにくいし生産効率も落ちていた」と元の方法に戻した理由を言ってきました。

 実は4点支持にした場合、支柱がガイドピンに入りづらくなることは予想していました。それを敢えて言わないで、どうやってそれを改善するのかを見ていくつもりでした。ところが彼らは、入りづらさの改善を考えることはしませんでした。元の方法に戻すのは、予想外でした。

 


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

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