見栄えの良さも品質

 
  
品質マネジメント
 
 私は、“見栄えの良さも品質”だと感じることがあります。例えば、次のような事例です。
 

1. 酒造メーカーにクリーンルーム、「なぜクリーンルームでラベルを貼るのか」

 異業種のものづくり現場を見たいと思い、過去に酒造会社を見せてもらったことがあります。
 
 出来上がったお酒が自動で瓶詰め、搬送されていました。瓶や缶飲料などが自動で流れて行く、テレビなどでも良く見掛ける風景です。
 
 その後建物内に設置された小型のクリーンルームに流れ込んで行きました。
 
 「こんな所でクリーンルームを使っているんですね」と聞くと、そこでラベルを貼っているとのことでした。
 
 ラベルは台紙から機械的に剥がされ瓶に貼られていました。機械が剥がした時にラベルの粘着面に静電気が起き(剥離帯電)、周囲の環境が悪いとその粘着面にゴミが付着することがあります。
 
 そのラベルを瓶に貼り付けた時、瓶とラベルの間にゴミが挟まるとしわになります。
 
 お客様はラベルに記された情報を見て品定めをするので、ラベルにしわがあれば、見栄えが悪く、その時点で購買対象から外されてしまうことが考えられます。
 
 見栄えが悪いだけで、中身の品質は変わらないのですが買ってもらえないのです。つまりラベルは会社の顔だと言うんです。中身の品質だけでなく、“見た目の良さも品質”だと考え気を遣っていると言っていました。
 

2. 顧客の購買時の心理

 これと似たような例があります。私たちが本やノートを買う時の心理です。
 
 どれを買おうかと品定めして、買うものが決まっても、実際に購入する時は積んである場合は下の、また立てかけられている場合は奥のものを取り出すという風に、綺麗なものを買いたいという気持ちがあります。これは製品製造側の問題ではないので上記の例とは違いますが、とりわけ日本では綺麗なものを買いたいという心理があります。
 
 他国では意識しない国もあります。むしろ日本を病的なほど綺麗好きだと評する国さえあるとのことです。
 
 裏返すと、これが日本、日本人の強みなのかも知れません。これをものづくりに生かすとか、他国との差別化できる部分でもあると思います。
 

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3. 現場の綺麗さも品質

 診断や品質監査などで現場に入った時、5Sがきちんとできていて、整然としていると感じる現場は、品質問題や作業ミスは少ないだろうとつくづく実感します。綺麗で感動するような現場もあります。“現場で品質を作り込む”とも言いますが、こんな環境から、良い品質の製品が作り出されるのでしょう。
 
 また綺麗な環境の現場は安全面でも微小災害や事故なども少ないだろうと感じます。
 
 現場の5Sが乱れていたり、なんだか整然としていないという感じを受けるところは、細かく見ていくと、様々な不具合が見つかると思います。
 
 現場を良く見ると、今日のために慌てて清掃や片付けをやったと思われるところもあります。監査や診断の経験が多いと、日常的にやっているのかどうかは見ればわかるのです。
 
 自分たちの現場を自分たちで評価すると、当然甘くなります。言い訳が先に来てしまいがちですが、監査や診断の時は客観的に見て貰えます。外部の人に指摘されるともちろん気分が良くないこともあります。ここは診断側の指摘や説明の仕方の工夫も必要ですが、翻って、自分達にはなかった見方、考え方を貰えるチャンスと考えたいです。
 
 良く耳を傾け、現場改善に取り入れて、現場体質強化に繋げて欲しいと思います。
 

この記事の著者

清水 英範

ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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