物流作業の標準化 物流現場改善の成功のポイント(その2)

投稿日

 
  SCM
 
 物流現場の改善ノウハウ習得の前に必ず取り組んでいただきたいことがあります。それが「物流作業の標準化」です。残念ながらほとんどの物流現場作業が標準化されていません。なぜでしょうか。理由はいくつかあると思いますが、根本を質すと「物流への無関心」ということにつながります。
 
 日本では物流は軽視されてきましたので、この事実はやむを得ないと思います。しかし今から物流に関心を持ち、物流を強化していけばよいのです。物流に関心が無かったために、人財育成や現場管理のしくみの導入などがなされてきませんでした。その結果が物流現場改善の遅れにもつながっているのです。
 
 しかし過去のことはもうどうでもよいのです。今から物流を直していけばよいだけの話です。その第一歩が物流現場管理の基本である標準化です。何度も申し上げてきたことですが、物流作業を標準化しないということは、仕事のやり方を作業者任せにしているということです。
 
 それは物流現場監督者の責任放棄のようなものです。なぜなら監督者が本来やらなければならない仕事の指導を行わず、仕事を部下に丸投げしているからです。残念ながら、こういったことにすら気づいていない会社の管理者が多いことは困ったものです。ですが、それも過去の話として、前向きに考えていきましょう。
 
 とにかく今、物流現場で行われている作業を標準化することです。たとえば最初は、その仕事を最も効率的に行っている人の作業を「標準作業」とすることでもよいのです。この効果についておわかりでしょうか。もしその人の作業が標準化され、すべての作業者にその通りにやらせたとしたら、少なくとも効率が20%程度は向上することでしょう。
 
 今まで一つの作業を、個々の作業者にまちまちのやり方で行わせていたものを、最も効率のよい方法に統一するわけですから、かなりの生産性向上が期待できそうです。ここがスタートポイントです。物流作業をすべて標...
 
  SCM
 
 物流現場の改善ノウハウ習得の前に必ず取り組んでいただきたいことがあります。それが「物流作業の標準化」です。残念ながらほとんどの物流現場作業が標準化されていません。なぜでしょうか。理由はいくつかあると思いますが、根本を質すと「物流への無関心」ということにつながります。
 
 日本では物流は軽視されてきましたので、この事実はやむを得ないと思います。しかし今から物流に関心を持ち、物流を強化していけばよいのです。物流に関心が無かったために、人財育成や現場管理のしくみの導入などがなされてきませんでした。その結果が物流現場改善の遅れにもつながっているのです。
 
 しかし過去のことはもうどうでもよいのです。今から物流を直していけばよいだけの話です。その第一歩が物流現場管理の基本である標準化です。何度も申し上げてきたことですが、物流作業を標準化しないということは、仕事のやり方を作業者任せにしているということです。
 
 それは物流現場監督者の責任放棄のようなものです。なぜなら監督者が本来やらなければならない仕事の指導を行わず、仕事を部下に丸投げしているからです。残念ながら、こういったことにすら気づいていない会社の管理者が多いことは困ったものです。ですが、それも過去の話として、前向きに考えていきましょう。
 
 とにかく今、物流現場で行われている作業を標準化することです。たとえば最初は、その仕事を最も効率的に行っている人の作業を「標準作業」とすることでもよいのです。この効果についておわかりでしょうか。もしその人の作業が標準化され、すべての作業者にその通りにやらせたとしたら、少なくとも効率が20%程度は向上することでしょう。
 
 今まで一つの作業を、個々の作業者にまちまちのやり方で行わせていたものを、最も効率のよい方法に統一するわけですから、かなりの生産性向上が期待できそうです。ここがスタートポイントです。物流作業をすべて標準化し、それを全作業者に徹底するだけで、大きな効率化を享受することができるのです。
 
 今まで物流現場改善に取り組んだことのない会社では、このプロセスを踏むことで、ぜい肉を落とすことができます。ぜい肉を落とした段階から本格的な物流現場改善に着手するのです。では早速着手していきましょう。取り組むべき物流現場改善のノウハウには作業改善と工程改善があります。この二つについて見ていきたいと思います。
 
 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
コア・コンピタンスを再定義する

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...


SCMの生産性を見える化して改善する方法、生産性を評価できるKPIで見える化

  実は、生産性の観点からのSCMの見直しはほとんど白紙状態です。今回は、生産性を評価できるKPIで見える化し生産性を劇的に向上させる方法...

  実は、生産性の観点からのSCMの見直しはほとんど白紙状態です。今回は、生産性を評価できるKPIで見える化し生産性を劇的に向上させる方法...


サプライチェーンのモデル化

 欠品を生じさせず、しかも在庫を少なくできるように、業務の足腰を鍛えて速度を制御する能力を磨く「熟練」もサプライチェーンの重要な法則です。この時...

 欠品を生じさせず、しかも在庫を少なくできるように、業務の足腰を鍛えて速度を制御する能力を磨く「熟練」もサプライチェーンの重要な法則です。この時...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流とコミュニケーション、コミュニケーションが物流効率化に影響

  1. 物流効率化に影響を与えていること ものがある限り物流は発生しますので、物流は無くならないと考えるべきでしょう。この物流をいかに...

  1. 物流効率化に影響を与えていること ものがある限り物流は発生しますので、物流は無くならないと考えるべきでしょう。この物流をいかに...


  出来栄えの数値化とは:物流パフォーマンス評価(その3)

  ◆コストとデリバリー 物流事業者の立場であれば、いかに適正なコストで物流サービスを提供するかは重要な課題ではあります。物流はコストだ...

  ◆コストとデリバリー 物流事業者の立場であれば、いかに適正なコストで物流サービスを提供するかは重要な課題ではあります。物流はコストだ...


現場を知らない人に見てもらう 新鮮な目で物流現場を見る(その1)

◆ 改善のネック「固定観念」  先日とある物流現場を見に行った時のことです。新たに赴任したセンター長が物流現場の問題点を指摘し、改善案を提案されまし...

◆ 改善のネック「固定観念」  先日とある物流現場を見に行った時のことです。新たに赴任したセンター長が物流現場の問題点を指摘し、改善案を提案されまし...