現場のコミュニケーションとは

 
  
 
 今回は、現場のコミュニケーションについて、一番ありがちな、しかし一番難しい問題を解説します。
 
 仕事を始める前、つまり朝会とか、朝の連絡会と言う位置づけで、現場のコミュニケーションについて考えましょう。
 
 先ず、リーダーとしては、現場を預かる立場から、事故・災害を起こしてはいけないと言うことを前提に、しっかり準備して説明に臨んでいると思います。よくあるのは、リーダー対メンバー、上司対部下のイメージです。
 
 リーダーはいつも同じ人が、同じ声で、同じ調子で話をされているのではないでしょうか。聞いている人は、マンネリ化した説明、あるいは朝会が、単なる儀式になっているのではないかと言う気がします。
 
 リーダーとしても、一生懸命準備した割には伝わらないと感じているのではないでしょうか。
 
 私はクリーン化の仕事に移ってからも診断・指導として国内の多くの現場を見て来ました。現場が中々改善されないところでは、管理、監督者と現場メンバーとに距離を感じました。そう言うところの管理、監督者は、部下は上司の話を聞いて当たり前と言う気持ちが強いように感じて来ました。
 
 良く、“促しも命令の第一歩”と言います。「こうしてみたらどうか」と言う促しで部下は行動するものだと思っている管理、監督者もいます。そんな中で管理、監督者から良く聞かれるのが、「最近の若い者は、言われなければやらない。言われてもやらない、促し程度で動く部下はいない」と言うことでした。
 
 私の経験上、上手く行っている現場では、管理、監督者が、その時だけ指示、命令するのでなく、それ以前に、日頃から良くコンタクトを取っていて、その上での促しに効果があるように感じました。つまり相互理解の関係を作っておくことだと思います。
 
 朝会の運営ですが、例えばこんな方法はどうでしょうか。
 
 朝会の当番をメンバーの輪番制にして、その当番が司会をし、そして、1分間スピーチのような事をしてみてはどうでしょうか。このメンバーはこんなことを考えているのか、こんな趣味があるのかと言う事が皆に伝わります。
 
 そんな風にしながら、朝会の運営に参加させる。その人を多くの人が理解すると言うことになります。そこで、リーダーから業務の連絡をする。先ほどの、リーダー対メンバーと言う関係ではなくなるわけです。
 
 また、日頃からメンバーと良く話し込み、相互に理解し、良い関係を作っておくことも必要です。案外部下の事は良く知らなかった。見かけと違うと言う...
事があるのではないでしょうか。また、部下から見た自分はどうなのかを聞いてみるのも良いと思います。
 
 欠点を指摘される場合もあると思いますが、それはこらえて、良く聞いてみる。出来ることは朝会などに反映させて行く。こんなことで、良好な関係、何でも言い合える関係が出来るように感じます。
 
 特に、事故、災害の発生が一番の問題と言うことであれば、メンバーとの距離を縮めておくことで、日頃から、事故、災害の情報が入りやすくなり、未然防止、事故災害の芽を摘むことにも繋がります。一人一人の小さな指摘が拾いやすくなります。ハインリッヒの法則です。
 

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