今回は、東南アジアのOEM先の生産改善の進め方について、OEM先へのアプローチ、何をまず、提案すればよいかなどを解説します。
まず、相手先の経営者の意識を変えないと、どの現場も変化しないと思います。東南アジアのOEM先は、効率生産だけでなく、品質の問題もあるように思います。生産面だけでなく、品質面でのロスも気になります。
私も、今まで東南アジアの工場にもクリーン化診断、指導として関わってきました。クリーン化は製造現場のゴミを減らし、如何に品質を向上させるかという活動ですが、それをすることによっていくつかのメリットがあります。
その中には、効率生産という部分があります。現地でクリーン化教育などをする時、この合理化、効率化について説明すると従業員は首を切られるという意識が強いので、反発されることがあります。東南アジアではこの話はできません。
各種手法を少しずつでも導入し、生産性を上げることで、同じOEM生産を委託している他社よりも現場の体質が強くなり、競争力がつきます。すると売り上げが増えたり、利益率が向上します。
逆に言えば、現場の体質が変わらなければ、競争に負ける。依頼される量が少なくなったり、仕事が来なくなるということに繋がります。こうなると会社の存続が危惧されるということになります。
こういうことをまず経営者や管理職の方に理解してもらうことが先決です。
東南アジアの工場も幾つか指導してきましたが、呼ばれるところはカイゼンや5Sなどの言葉を知っているだけでなく、自分達だけでも自主的に活用したり、成果を出したりしているところが目につくようになりました。小集団活動も活発になって来ています。
従業員のものづくりに対する意識は高いです。それだけでは満足せず、更に様々なノウハウを吸収しようとして呼ばれます。その作業者を管理する上層部はさらにレベルが高いです。こういうところと比較すると、進歩がないと差が開くだけですから、競争力は低下します。
このような危機感をまず伝えることではないかと思います。
その中でわかりやすい、効果が早く出そうな手法を取り込み、徐々にレベルを上げて行きたいです。効果が早く出ると説得力になります。次にやることにもついてきてくれると思います。
各種手法はOFF-JTで指導する場合が多いと思いますが、手法の指導となると理論、理屈の世界に入ってしまい、身につくことが少ないかもしれません。人ごとになってしまいます。
一方、現場で不具合を見つけ、改善案を一緒に考えたり、褒めることで従...