トラックの隊列走行とスワップボディコンテナ車両の活用 物流新技術を活用する(その1)

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  SCM
 
 物流能力不足が話題になっています。たしかに通販物流の進展により多頻度小口物流が圧倒的に増えてきました。この傾向は当面続くことでしょう。また日本の物流業の生産性は低く、このことが労働力不足に拍車をかけています。物流の仕事を行っていく上で生産性を向上させていくことは不可欠となりました。
 
 国土交通省は物流事業の労働生産性を将来的に全産業並みに引き上げることを目指して、2020年度までに2割程度向上させると言っています。物流の生産性を向上させるためには、物流新技術を活用することが大きな手段となります。そこで物流新技術について少し考えてみたいと思います。
 
 今の喫緊の課題はトラックドライバー不足への対応です。ドライバーの数が激減しているわけではありませんが、小口輸送が増え、トラック積載率が低下していることが問題なのです。つまりドライバー1人あたりの輸送量が落ちてきており、この事実により相対的にドライバーが不足しているように見えるわけです。一方で新たにドライバーになろうとする若者が少ないことも問題です。将来的にはドライバーの絶対数が少なくなることは間違いなさそうです。
 
 この問題の解決策につながる物流新技術が「ダブル連結トラック」でしょう。1台で大型トラック2台分の輸送が可能な「ダブル連結トラック」の導入を図り、省人化促進に寄与します。
 
 トラックの隊列走行も同じ考え方です。先頭車両にドライバーが乗車し、有人でトラックを運転します。そして先頭車両と後続車両を電子的に連結することで隊列を形成する仕組みです。もう一つ、スワップボディコンテナ車両の活用が挙げられます。この車両は車体と荷台を簡易に分離することが可能です。牽引免許も不要で、手軽に...
 
  SCM
 
 物流能力不足が話題になっています。たしかに通販物流の進展により多頻度小口物流が圧倒的に増えてきました。この傾向は当面続くことでしょう。また日本の物流業の生産性は低く、このことが労働力不足に拍車をかけています。物流の仕事を行っていく上で生産性を向上させていくことは不可欠となりました。
 
 国土交通省は物流事業の労働生産性を将来的に全産業並みに引き上げることを目指して、2020年度までに2割程度向上させると言っています。物流の生産性を向上させるためには、物流新技術を活用することが大きな手段となります。そこで物流新技術について少し考えてみたいと思います。
 
 今の喫緊の課題はトラックドライバー不足への対応です。ドライバーの数が激減しているわけではありませんが、小口輸送が増え、トラック積載率が低下していることが問題なのです。つまりドライバー1人あたりの輸送量が落ちてきており、この事実により相対的にドライバーが不足しているように見えるわけです。一方で新たにドライバーになろうとする若者が少ないことも問題です。将来的にはドライバーの絶対数が少なくなることは間違いなさそうです。
 
 この問題の解決策につながる物流新技術が「ダブル連結トラック」でしょう。1台で大型トラック2台分の輸送が可能な「ダブル連結トラック」の導入を図り、省人化促進に寄与します。
 
 トラックの隊列走行も同じ考え方です。先頭車両にドライバーが乗車し、有人でトラックを運転します。そして先頭車両と後続車両を電子的に連結することで隊列を形成する仕組みです。もう一つ、スワップボディコンテナ車両の活用が挙げられます。この車両は車体と荷台を簡易に分離することが可能です。牽引免許も不要で、手軽に運転できるとともに、荷待ち時間の削減にも効果が期待でき、ドライバー不足解消に貢献できると考えられます。
 
 スワップボディコンテナ車両を活用し、中継拠点で荷台を交換して戻ることで、ドライバーの日帰り勤務が可能になります。これは働き方改善にもつながる優れもののアイテムです。さらに帰り荷の確保により積載率を向上し、トラック台数削減にも寄与します。
 
 次回に続きます。
 

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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