容積的積載率と重量的積載率の管理 物流をマネジメントできるシステム(その2)

投稿日

  
  SCM
 
 物流コストの約6割が輸送コストです。したがって物流担当者はどうしても輸送にフォーカスしていく必要があるのです。最近輸送価格が上がっているという話を聞きます。それであればなおさらで、輸送コストマネジメントは最重要課題であるといえるでしょう。
 
 一方で実態はいかがでしょうか。輸送コストは輸送価格で決まってしまうような考え方でいてはコストコントロールなどできません。しっかりと日々の積載率管理やルート管理を行う必要があるでしょう。ではこの内積載率管理ですが、きちんとしたデータで把握しているでしょうか。
 
 積載率はトラックの保有する能力をどこまで使っているかを表す指標です。つまり、積み荷の容積をトラックの荷台の容積で割り算すればその数字を把握することができます。これは容積的積載率です。
 
 もう一つ、重量的積載率があり、これは積み荷の重量をトラックの積載可能重量で割り算することで求められます。トラックの積載率管理はこの2つの積載率で管理することが重要です。片方だけではだめなのです。
 
 このようなデータに基づく積載率管理ではなく、トラックの荷台を見て感覚で積載率を出していないでしょうか。
 
 この方法では多くの積載時に発生しているロスを見落としがちなため、かなり甘めな評価となります。一般的に8割の積載率とか7割の積載率とか言っていますが、これは実際にはもっともっと小さな数字になるはずです。
 
 そこでこのデータに基づく積載率を管理できるサポートツールが欲しいところです。本来であれば配車システム上で積載率管理ができていなければなりません。配車システムの中に積荷データをインプットしていけば、リニアに容積的積載率と重量的積載率が示されるようなしくみが...
  
  SCM
 
 物流コストの約6割が輸送コストです。したがって物流担当者はどうしても輸送にフォーカスしていく必要があるのです。最近輸送価格が上がっているという話を聞きます。それであればなおさらで、輸送コストマネジメントは最重要課題であるといえるでしょう。
 
 一方で実態はいかがでしょうか。輸送コストは輸送価格で決まってしまうような考え方でいてはコストコントロールなどできません。しっかりと日々の積載率管理やルート管理を行う必要があるでしょう。ではこの内積載率管理ですが、きちんとしたデータで把握しているでしょうか。
 
 積載率はトラックの保有する能力をどこまで使っているかを表す指標です。つまり、積み荷の容積をトラックの荷台の容積で割り算すればその数字を把握することができます。これは容積的積載率です。
 
 もう一つ、重量的積載率があり、これは積み荷の重量をトラックの積載可能重量で割り算することで求められます。トラックの積載率管理はこの2つの積載率で管理することが重要です。片方だけではだめなのです。
 
 このようなデータに基づく積載率管理ではなく、トラックの荷台を見て感覚で積載率を出していないでしょうか。
 
 この方法では多くの積載時に発生しているロスを見落としがちなため、かなり甘めな評価となります。一般的に8割の積載率とか7割の積載率とか言っていますが、これは実際にはもっともっと小さな数字になるはずです。
 
 そこでこのデータに基づく積載率を管理できるサポートツールが欲しいところです。本来であれば配車システム上で積載率管理ができていなければなりません。配車システムの中に積荷データをインプットしていけば、リニアに容積的積載率と重量的積載率が示されるようなしくみが欲しいところです。
 
 このようなサポートツールがあれば、輸送コストマネジメントに役立ちます。物流担当者も日々配車のたびに正確な積載率を把握し、改善につなげることができるのです。もちろん、サポートツールに入れる「物流データ」を準備しなければならないことは言うまでもありません。当然のことながらITツールが100%業務改善を図るものではないからです。
  
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
顧客と競合と市場のサプライチェーン三角関係

 重要なのは顧客のデマンドチェーンやバリューチェーンである、と説くまでならよいですが、サプライチェーンは供給者の論理にすぎないとの行き過ぎた説を見かけるこ...

 重要なのは顧客のデマンドチェーンやバリューチェーンである、と説くまでならよいですが、サプライチェーンは供給者の論理にすぎないとの行き過ぎた説を見かけるこ...


SCM効率を評価するKPIの新提案:最終回 SCM最前線 (その16)

   前回のその15に続いて解説します。   5. 面積原価によるSCM改革・改善の方針    これまで、面積原価...

   前回のその15に続いて解説します。   5. 面積原価によるSCM改革・改善の方針    これまで、面積原価...


サプライチェーンの上位レベルと下位レベルとは

   サプライチェーン(供給連鎖)は、材料・部品の供給から加工・製造・流通を経て顧客へ引渡すまでの、物の流れ・加工プロセスの連鎖(チェーン...

   サプライチェーン(供給連鎖)は、材料・部品の供給から加工・製造・流通を経て顧客へ引渡すまでの、物の流れ・加工プロセスの連鎖(チェーン...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
海外進出時の物流留意点とは

  1. 日本はレアな環境での物流業務 今や大企業に限らず、中小企業も海外進出が当たり前の時代となりました。人財の層が厚くない中小企業で...

  1. 日本はレアな環境での物流業務 今や大企業に限らず、中小企業も海外進出が当たり前の時代となりました。人財の層が厚くない中小企業で...


購買業務の要点:サプライヤー評価

 前回のその9に続いて解説します。購買業務として欠かせない重要業務があります。それがサプライヤーマネジメントです。取引先であるサプライヤーと厳格な関係を築...

 前回のその9に続いて解説します。購買業務として欠かせない重要業務があります。それがサプライヤーマネジメントです。取引先であるサプライヤーと厳格な関係を築...


見る分野の拡大と物差しの修正 会話を通して物流改善スキル向上(その2)

◆ 物流現場見学と意見交換  人間誰しも得意分野や興味のある分野があります。現場に行くとその分野を中心に見ることになります。例えば物流現場を見学に行...

◆ 物流現場見学と意見交換  人間誰しも得意分野や興味のある分野があります。現場に行くとその分野を中心に見ることになります。例えば物流現場を見学に行...