製品開発における上流設計の重要性とDfX(その3)DfXの具体的な進め方とポイント

投稿日

製品開発における上流設計の重要性とDfX(その3)

【目次】

    ▼さらに深く学ぶなら!
    「技術マネジメント」に関するセミナーはこちら!

    ◆ DfXの具体的な進め方とポイント

    前回の製品開発における上流設計の重要性とDfX(その2)ではDfXの概要と主要なDfXについて解説しました。最終回となる今回は、DfXの具体的な進め方と、実践する上でのポイント、そして効果的なフレームワークについて説明します。

     

    1. DfXの進め方

    DfXを効果的に進めるためには、体系的なアプローチが必要です。以下に、DfXを進めるための効果的なフレームワークを提案します。

     

    製品開発における上流設計の重要性とDfX(その3)

     

    このフレームワークを使用することで、DfXを体系的に進めることができます。各フェーズで適切なツールや手法を活用し、成果物を明確にす...

    製品開発における上流設計の重要性とDfX(その3)

    【目次】

      ▼さらに深く学ぶなら!
      「技術マネジメント」に関するセミナーはこちら!

      ◆ DfXの具体的な進め方とポイント

      前回の製品開発における上流設計の重要性とDfX(その2)ではDfXの概要と主要なDfXについて解説しました。最終回となる今回は、DfXの具体的な進め方と、実践する上でのポイント、そして効果的なフレームワークについて説明します。

       

      1. DfXの進め方

      DfXを効果的に進めるためには、体系的なアプローチが必要です。以下に、DfXを進めるための効果的なフレームワークを提案します。

       

      製品開発における上流設計の重要性とDfX(その3)

       

      このフレームワークを使用することで、DfXを体系的に進めることができます。各フェーズで適切なツールや手法を活用し、成果物を明確にすることで、DfXの実践をより効果的に行うことができます。

       

      2. DfX実践のポイント

      a. 開発の上流段階からDfXの視点を導入する

      コンセプト設計の段階から、DfXの視点を取り入れることが重要です。フレームワークの準備フェーズでDfX目標を設定することで、早期からDfXを意識した設計が可能になります。

       

      b. 設計者だけでなく、関連部門を巻き込む

      フレームワークの評価フェーズで各部門からのフィードバックを収集することで、全社的な視点でDfXを推進できます。

       

      c. 過去の知見を活用し、継続的に改善する

      フレームワークの各フェーズで得られた知見を、次のプロジェクトのDfXガイドラインやチェックリストに反映させることで、継続的な改善が可能になります。

       

      3. DfX導入の課題と対策

      a. 設計の自由度低下

      対策:フレームワークの設計フェーズでブレインストーミングやTRIZなどの創造的手法を活用し、DfXガイドラインを柔軟に適用します。

       

      b. 部門間の利害対立

      対策:フレームワークの改善フェーズでAHP(階層分析法)を用いて、全体最適の視点から優先順位を決定します。

       

      c. 導入効果の定量化

      対策:フレームワークの検証フェーズで、品質工学手法を用いて複数の指標を組み合わせた総合的な評価を行います。

       

      DfXは、製品開発の効率と品質を高める強力なツールです。提案したフレームワークを活用し、上流工程から積極的に取り入れ、継続的に改善していくことで、企業の競争力向上につながるでしょう。

       

      関連解説記事:人的資源マネジメント:開発の全体最適化とは

      ▼さらに深く学ぶなら!
      「技術マネジメント」に関するセミナーはこちら!

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      鈴木 敬一

      現役研修講師が贈る、エンジニアの総合力強化プログラム。紙幣識別装置の開発経験を基盤に、メカトロニクス技術から技術経営、技術者倫理まで幅広く指導。実務知識と最新理論を融合し、次世代イノベーターを育成。

      現役研修講師が贈る、エンジニアの総合力強化プログラム。紙幣識別装置の開発経験を基盤に、メカトロニクス技術から技術経営、技術者倫理まで幅広く指導。実務知識と...


      「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      OKRとは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その75)

        ◆ OKRを活用した組織力アップ  今回は、イノベーションを起こす組織を目指すには、どのようなツールを選び、活用したら良いかについて...

        ◆ OKRを活用した組織力アップ  今回は、イノベーションを起こす組織を目指すには、どのようなツールを選び、活用したら良いかについて...


      普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その21)

       知識は、形式知と暗黙知に分けることが知られています。今回は形式知の問題点を指摘し、その問題点にいかに対処するかを解説します。 ◆関連解説『技術マネジメ...

       知識は、形式知と暗黙知に分けることが知られています。今回は形式知の問題点を指摘し、その問題点にいかに対処するかを解説します。 ◆関連解説『技術マネジメ...


      未来志向で見直す自社の強み 『価値づくり』の研究開発マネジメント (その24)

           前回は、オープンイノベーションを成功させるために、自社の強みの設定が必要であることを解説しました。今回は、その自社の...

           前回は、オープンイノベーションを成功させるために、自社の強みの設定が必要であることを解説しました。今回は、その自社の...


      「技術マネジメント総合」の活用事例

      もっと見る
      富士フィルムにおけるコア技術の活用戦略

       本業であるフィルム事業がなくなることを経験した、富士フィルムの技術の棚卸活動は注目に値します。アスタリフトや液晶用フィルムは、フィルム事業で培ったコア技...

       本業であるフィルム事業がなくなることを経験した、富士フィルムの技術の棚卸活動は注目に値します。アスタリフトや液晶用フィルムは、フィルム事業で培ったコア技...


      技術資源の有効活用: 事例紹介 (その2)

       TRM(Technology Resources Management)事例その2は、建築物の防食事業を営む企業の取り組みをご紹介いたします。   ...

       TRM(Technology Resources Management)事例その2は、建築物の防食事業を営む企業の取り組みをご紹介いたします。   ...


      IoT 時代の製品開発とは - カギとなるデータ指向とシステム設計 -

         今回は、BtoB のビジネスをベースにハードウェア開発を中心としていたメーカーが IoT に対応した製品開発にシフトする際のカギとなるデ...

         今回は、BtoB のビジネスをベースにハードウェア開発を中心としていたメーカーが IoT に対応した製品開発にシフトする際のカギとなるデ...