アイデア発想法とは

 
 

 仕事で、求められるのはクリエイティブに考える力です。多様な課題解決のためには、基本的なクリエイティブ思考法を身につけることが重要です。新規事業や新商品を産み出したいが、アイデアが出ない。画期的なアイデアを考えだすにはどうすればいいのか?アイデア出しのフレームワークはどうなのか?

 

 アイデア発想は、そのプロセスを習得すれば、アイデアは産み出せ、発明家にもなれるのです。自分の仕事と関係なさそうに見える、異業種に、アイデアの種はころがっていて、それを如何に結び付けるか? これがおすすめポイントです。

 

 新しいビジネスを産み出す為に必要な2つの力は、実行力と発見力。中でも発見力はアイデア創出に欠かせない力です。今回は、このような背景を踏まえて、事例から、新製品開発につなげるアイデア発想法について解説します。 

 

1. 課題:樹脂に関するアイデア発想のアプローチ

 
 樹脂に関する製品の企画・開発で、樹脂中に少し変わった現象を発現する方法を見出し、自社の持つ特徴と組合せて色々と面白い利用につながらないかと期待しています。しかし、実際にどんなアプリケーションにつなげられるか考えてみると幾つか思い付く程度でそれほど面白い発想につながりません。今度、何人かに協力してもらってこの現象からアプリケーションにつなげられる視点をブレインストーミングを行ってみようと思っていますが、その他にアイデアを発想するツールにアプローチしたいと思います。
 

2. アイデア発想法の4分類

 
 一般的に材料(今回は樹脂)開発という観点では二種類のプローチが考えられると思います。
 
 ひとつは、ある製品に使用するためにその製品が要求する特性を備えた材料を開発することで、もうひとつは材料開発に伴って特徴的な特性が得られたので、それを活用した新製品(アプリケーション)を探索・開発するということです。上記の事例は、樹脂がユニークな振る舞いをすることを発見したので、その特性を活かせるアプリケーションを探索したいということでしょう。
 
 アイデア発想法には次に示すように、大きく分けて4種類あります。
 
  • 自由な連想によって刺激を受けることを目的とした方法で、ブレ-ン・ストーミング法はこれに相当します。この他にはチェックリスト法ゴードン法などがあります。
  • 情報の組合せによって発想を得る事を目的とした方法で、形態分析法、欠点列挙法、属性列挙法、系統図法、KJ法などがあります。
  • 他の分野の仕組み等を当てはめて発想のヒントを得ようとする方法で、焦点法、バイオニクス、NM法、シネクティクス法などがあります。
  • 発想の枠組みを切り替えさせることを目的とした方法で、仮想状況設定法、ポジショニング法、キャスティング法などがあります。
 

3. 「シーズドリブンQD」を活用した発想

 
 アイデア発想法
 
 これらアイデア発想法は全般的に問題点を解決するためには有効ですが、上記のような未開拓のアプリケーションを探索するのにはやや不向きのようです。
 
 例えば米国の3M社が粘着力の弱い接着剤から付箋紙(ポストイット)への適用を大成功させたり、日本の東レ社が極細繊維フィラメントからメガネ拭き(ワイピングクロス“トレシー”)への適用で大成功させた例と同様のアプリケーション探索だと思いますので、「技術シーズ」や「材料シーズ」から「顧客ニーズ」に向けてアプローチする“シーズドリブンQD(品質展開)”が最適です。これは、次のようなアプローチをとります。
 

(1) シーズの特徴の確認

 
 樹脂中の少し変わった現象がどのような特徴を示し、どんな機能や効用を創出するかを明確にする。
 

(2) シーズのもたらす可能性の抽出

 
 想定される機能、特徴から可能性のある用途、応用分野を具体的にイメージする。例えば、少子高齢化社会、感性、環境など今後注目される分野を想定して、そこで要求される商品と、その機能、特徴とシーズの特徴とを照らし合わせてみる。
 

(3) イメージカタログの作成

 
 想定したアプリケーション分野、商品イメージを具体的なイメージカタログとして表現し、社内・関係者間での企画提案に持ち込む。
 

(4) 品質表の作成

 
 具体的なアプリケーションを想定した上で、その商品に要求される顧客ニーズを抜け漏れなく抽出し、新たに想定される技術課題を特定して開発設計に着手する。
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 仕事で、求められるのはクリエイティブに考える力です。多様な課題解決のためには、基本的なクリエイティブ思考法を身につけることが重要です。新規事業や新商品を産み出したいが、アイデアが出ない。画期的なアイデアを考えだすにはどうすればいいのか?アイデア出しのフレームワークはどうなのか?

 

 アイデア発想は、そのプロセスを習得すれば、アイデアは産み出せ、発明家にもなれるのです。自分の仕事と関係なさそうに見える、異業種に、アイデアの種はころがっていて、それを如何に結び付けるか? これがおすすめポイントです。

 

 新しいビジネスを産み出す為に必要な2つの力は、実行力と発見力。中でも発見力はアイデア創出に欠かせない力です。今回は、このような背景を踏まえて、事例から、新製品開発につなげるアイデア発想法について解説します。 

 

1. 課題:樹脂に関するアイデア発想のアプローチ

 
 樹脂に関する製品の企画・開発で、樹脂中に少し変わった現象を発現する方法を見出し、自社の持つ特徴と組合せて色々と面白い利用につながらないかと期待しています。しかし、実際にどんなアプリケーションにつなげられるか考えてみると幾つか思い付く程度でそれほど面白い発想につながりません。今度、何人かに協力してもらってこの現象からアプリケーションにつなげられる視点をブレインストーミングを行ってみようと思っていますが、その他にアイデアを発想するツールにアプローチしたいと思います。
 

2. アイデア発想法の4分類

 
 一般的に材料(今回は樹脂)開発という観点では二種類のプローチが考えられると思います。
 
 ひとつは、ある製品に使用するためにその製品が要求する特性を備えた材料を開発することで、もうひとつは材料開発に伴って特徴的な特性が得られたので、それを活用した新製品(アプリケーション)を探索・開発するということです。上記の事例は、樹脂がユニークな振る舞いをすることを発見したので、その特性を活かせるアプリケーションを探索したいということでしょう。
 
 アイデア発想法には次に示すように、大きく分けて4種類あります。
 
  • 自由な連想によって刺激を受けることを目的とした方法で、ブレ-ン・ストーミング法はこれに相当します。この他にはチェックリスト法ゴードン法などがあります。
  • 情報の組合せによって発想を得る事を目的とした方法で、形態分析法、欠点列挙法、属性列挙法、系統図法、KJ法などがあります。
  • 他の分野の仕組み等を当てはめて発想のヒントを得ようとする方法で、焦点法、バイオニクス、NM法、シネクティクス法などがあります。
  • 発想の枠組みを切り替えさせることを目的とした方法で、仮想状況設定法、ポジショニング法、キャスティング法などがあります。
 

3. 「シーズドリブンQD」を活用した発想

 
 アイデア発想法
 
 これらアイデア発想法は全般的に問題点を解決するためには有効ですが、上記のような未開拓のアプリケーションを探索するのにはやや不向きのようです。
 
 例えば米国の3M社が粘着力の弱い接着剤から付箋紙(ポストイット)への適用を大成功させたり、日本の東レ社が極細繊維フィラメントからメガネ拭き(ワイピングクロス“トレシー”)への適用で大成功させた例と同様のアプリケーション探索だと思いますので、「技術シーズ」や「材料シーズ」から「顧客ニーズ」に向けてアプローチする“シーズドリブンQD(品質展開)”が最適です。これは、次のようなアプローチをとります。
 

(1) シーズの特徴の確認

 
 樹脂中の少し変わった現象がどのような特徴を示し、どんな機能や効用を創出するかを明確にする。
 

(2) シーズのもたらす可能性の抽出

 
 想定される機能、特徴から可能性のある用途、応用分野を具体的にイメージする。例えば、少子高齢化社会、感性、環境など今後注目される分野を想定して、そこで要求される商品と、その機能、特徴とシーズの特徴とを照らし合わせてみる。
 

(3) イメージカタログの作成

 
 想定したアプリケーション分野、商品イメージを具体的なイメージカタログとして表現し、社内・関係者間での企画提案に持ち込む。
 

(4) 品質表の作成

 
 具体的なアプリケーションを想定した上で、その商品に要求される顧客ニーズを抜け漏れなく抽出し、新たに想定される技術課題を特定して開発設計に着手する。
 
 上記「(2)シーズのもたらす可能性の抽出」の検討を進める際にブレーン・ストーミングは有効だと思いますが、社内の同一部署のメンバーが集まって自由連想を行っても発想の範囲が広がらないことが懸念されます。
 
 今後注目される分野や製品、サービスについては多くの調査機関、生活研究機関から報告されていますので、それらを参考にされるのが効率的ですし、効果的です。
 
 その他には、特許庁が出願特許を分類するために「Fタームテーマコード一覧情報(テーマコード表)」を提供しています。愚直な方法にはなりますが、技術シーズ・材料シーズの想定用途をこのテーマコード表に照らして探索(発想)する方法もあります。
 

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この記事の著者

笠井 肇

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