作り方 新QC七つ道具: PDCA-TC法の使い方(その3)

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【目次】
序論   ←掲載済
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方
第6章  マトリックス図法の使い方
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第10章 PDCA-TC法の使い方←今回

第10章 PDCA-TC法の使い方

 
 

10.3 PDCA-TCの作り方

 

10.3.3.標準シートの各欄の説明

 
 PDCA-TC 標準シートの各欄の意味と、記入に際しての注意点を以下に説明します。
 

(1) 入手情報

 
 この入手情報の質とタイミングが計画の質を決定づけることになるので非常に重要です。というのは、「入手情報」という名称から、受け身の情報だけを考えがちですが、各ステップの充実とレベルアップのために積極的に入手する情報が大切であり、それらを見落とさないアンテナのメンテナンスと日ごろの勉強がものをいうステップです。入手ソース、タイミング、背景、入手者など、必要な場合トレースできる内容を備考欄を使ってもよいので記載しておきます。
 

(2) 調査

 
 この調査には、入手した情報をベースに行うものと、諸判断を的確にするためのものと2種類ありますが、そのレベルと信頼性が計画の質と客観性を左右することになるので重要で、プロジェクトリーダーの重要任務の一つです。調査内容がトレースできるように報告書No.などを記載しておきます。
 

(3) 計画

 
 本来、下された結論を受けて計画を練るわけで、結論への記載は、内容、分担する権限ともまったく違う点、要注意です。ここでも計画内容詳細が追跡可能な計画書No.などを記載しておきます。
 

(4) 実施

 
 計画内容の実施なのでこの欄は不要ともいえますが、実施年月日、実施場所、使用設備、担当者、立会者などを記載しておくことにより、事の流れが分かりやすくなるのです。
 

(5) 結果

 
 PDCAの流れに直結する内容のみを的確・簡潔に記載し、詳細は報告書No.の記載などにより追跡できるようにしておきます。ただ、理解に必要な、結果に直結するバックデータなどは備考欄を使ってもよいから記載しておくと便利です。
 

(6) 判断

 
 このステップは、計画と結果の関係から自明となるか、結論に含まれるので不要との意見に遭遇したことがありますが、実際に活用してみると、オリジナルの用途説明の中で紹介した部長が、この欄を起点にチャートを理解しようとしたように、非常に重要なステップなのです。なぜなら、複雑な経過の場合、ある結果からの判断がいくつか存在し、次のステップで取捨選択されて、結論が下される場合が出てきますが、そこで不採用となった判断が、後々重要な意味を持つことがあるからです。この欄に記載されていない判断がチャート受理者から指摘された場合、全ストーリーの不信につながるので、漏れのない慎重な記載が必要です。この欄に記載することがないような問題は、無理をして記入の面倒な本手法を使うこともないでしょう。
 

(7) 結論

 
 計画のところでも触れましたが、事の流れの把握主体の場合、計画欄と合体させたりするので軽視されがちですが、ステップ1~6までの活動とは決定的な差が存在するという認識が重要です。というのは、ステップ1~6までの活動は、主として理論と知識と実践の世界であり、俗にいう“仕事を任せた”というのはこの範囲のことをいうのです。その活動結果を踏まえ、次のサイクルの起点となる“結論”は、時には諸状況をも加味した論理を超えた“決断”の上になされるものであり、明確な責任を伴うわけで、プロジェクトリーダーの上司の専権事項です。したがって、プロジェクトリ...
 
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【目次】
序論   ←掲載済
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方
第6章  マトリックス図法の使い方
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第10章 PDCA-TC法の使い方←今回

第10章 PDCA-TC法の使い方

 
 

10.3 PDCA-TCの作り方

 

10.3.3.標準シートの各欄の説明

 
 PDCA-TC 標準シートの各欄の意味と、記入に際しての注意点を以下に説明します。
 

(1) 入手情報

 
 この入手情報の質とタイミングが計画の質を決定づけることになるので非常に重要です。というのは、「入手情報」という名称から、受け身の情報だけを考えがちですが、各ステップの充実とレベルアップのために積極的に入手する情報が大切であり、それらを見落とさないアンテナのメンテナンスと日ごろの勉強がものをいうステップです。入手ソース、タイミング、背景、入手者など、必要な場合トレースできる内容を備考欄を使ってもよいので記載しておきます。
 

(2) 調査

 
 この調査には、入手した情報をベースに行うものと、諸判断を的確にするためのものと2種類ありますが、そのレベルと信頼性が計画の質と客観性を左右することになるので重要で、プロジェクトリーダーの重要任務の一つです。調査内容がトレースできるように報告書No.などを記載しておきます。
 

(3) 計画

 
 本来、下された結論を受けて計画を練るわけで、結論への記載は、内容、分担する権限ともまったく違う点、要注意です。ここでも計画内容詳細が追跡可能な計画書No.などを記載しておきます。
 

(4) 実施

 
 計画内容の実施なのでこの欄は不要ともいえますが、実施年月日、実施場所、使用設備、担当者、立会者などを記載しておくことにより、事の流れが分かりやすくなるのです。
 

(5) 結果

 
 PDCAの流れに直結する内容のみを的確・簡潔に記載し、詳細は報告書No.の記載などにより追跡できるようにしておきます。ただ、理解に必要な、結果に直結するバックデータなどは備考欄を使ってもよいから記載しておくと便利です。
 

(6) 判断

 
 このステップは、計画と結果の関係から自明となるか、結論に含まれるので不要との意見に遭遇したことがありますが、実際に活用してみると、オリジナルの用途説明の中で紹介した部長が、この欄を起点にチャートを理解しようとしたように、非常に重要なステップなのです。なぜなら、複雑な経過の場合、ある結果からの判断がいくつか存在し、次のステップで取捨選択されて、結論が下される場合が出てきますが、そこで不採用となった判断が、後々重要な意味を持つことがあるからです。この欄に記載されていない判断がチャート受理者から指摘された場合、全ストーリーの不信につながるので、漏れのない慎重な記載が必要です。この欄に記載することがないような問題は、無理をして記入の面倒な本手法を使うこともないでしょう。
 

(7) 結論

 
 計画のところでも触れましたが、事の流れの把握主体の場合、計画欄と合体させたりするので軽視されがちですが、ステップ1~6までの活動とは決定的な差が存在するという認識が重要です。というのは、ステップ1~6までの活動は、主として理論と知識と実践の世界であり、俗にいう“仕事を任せた”というのはこの範囲のことをいうのです。その活動結果を踏まえ、次のサイクルの起点となる“結論”は、時には諸状況をも加味した論理を超えた“決断”の上になされるものであり、明確な責任を伴うわけで、プロジェクトリーダーの上司の専権事項です。したがって、プロジェクトリーダーは、この“結論”に関わる内容は、決裁、少なくとも承認を明確な形で受けておく必要があります。
 

(8) 備考

 
 文字通り、備考・参考のための欄で、活用は自由ですが、必ずこの程度の欄は設けておく必要があります。なぜなら、このチャートの最大のポイントである、“事の流れを一望できる点”を優先した簡潔な記載が理解の妨げにならぬための補足事項記載欄として必須だからです。
 
 次回に続きます。

 

 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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