新QC七つ道具: PDPC法の使い方(その4)

【目次】
序論   ←掲載済
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方
第6章  マトリックス図法の使い方
第7章  系統図法の使い方
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方
第9章  PDPC法の使い方←今回
第10章 PDCA-TC法の使い方
 

第9章 PDPC法の使い方

9.3 PDPC法のオリジナル手法について

(4) リスクマネジメント(RM)におけるPDPCの位置づけ

 筆者が理解を明確にすることができた2つのステップを、PDPC理解の一助としてご紹介します。そのステップとは、次の2つです。
 
  • PDPCの基本理念を、RMにおける位置づけで把握
  • PDPCのタイプを、“不測事態の分類”に対応して把握
 
 本項では前者を、後者については次項で説明します。まず、リスクマネジメントですが、その取り組み方を次のマトリックスで整理し、その中でのPDPCの位置づけを他手法とともに把握しましょう。
 
 
PDPC
図9-1 リスクマネジメントにおける各手法の位置づけ
 
 上図では、信頼性設計をポジティブなRMとしてとらえており、一般的なRMの概念からすると違和感を持たれると思いますが、「企業活動に身を置くスタッフ・管理者が、日常業務で遭遇し、管理の対象にしようとする“リスク”は、本を正せば物事の計画や設計に帰着する」という筆者の理解をベースとしたRMの把握です。こういった形でRMを把握したときに苦慮するのが、DNゾーンについての対応だったのではないでしょうか。
 
 というのは、従来は、ETAがいま一つ使い勝手が良くないこともあり、SNゾーンでの各手法の活用時に、各人各様でDNゾーンへの配慮を盛り込む形で対応してきたのが実情だったように思います。その場合、RMの鍵である“DNゾーンへの配慮”は解析者の脳裏にあり、第三者は解析者の説明やリポートによることになりますが、その全貌の理解は難しく、ましてや、解析者の配慮の欠落に至ってはチェックのしようがなかったのです。
 
 このような実情を救う手法として「PDPC」を把握したとき、用途が明確となり、真価が実感できるとともに、「PDPC」が高い評価を受け重宝される理由が理解できたのです。ところで、上記マトリックスの作表に当たり、横軸を「PDPC」や「PDPC法」の説明で強調されている“ダイナミック”と“スタティック”としましたが、考えてみれば、本来RMの対象はダイナミックなものといえるのではないだろうか。
 
 そういった意味では、内容的な側面でとらえ、スタティックは「機能的側面」、ダイナミックは「プロセスとしての側面」といったとらえたの方が分かりやすいのです。両面を念頭に置かれればと思います。
 

(5) 不測事態の区分に見るPDPCのタイプ

 序論で、N7の活用上のポイントとして、“使用対象の的確な把握”をトップにあげていますが、実は、PDPC法での苦労が背景にあります。というのは、オリジナルを勉強することによって、手法の核心をつかんだつもりでいても、N7研で新たな事例のアウトプットを見るたびにスッキリしなくなることを繰り返していたのです。
 
 3年ほどの間の悪戦苦闘を経て気がついたのは、使用対象である“不測事態”が茫漠としているので、その把握が不十分なためなのではないかという点です。そこで考えついたのは、不測とはいえ、その展開の主導権(不確定要素の確認を含む)の所在がどこか、そして、事態が既にスタートしているのかどうか、がポイントではないかということです。
 
 そういった考えをもとに、図9-2のようなマトリックスを作ってみたところ、モヤモヤが晴れたのです。すなわち、PDPCのタイプを、アウトプットの形に求めていたためにモヤモヤが生じていたのであり、使用対象である不測事態の分類という観点から把握するべきであったということです。
 
 
PDPC
図9-2 不測事態の分類に対応したPDPCのタイプ(使用目的)
 
 オリジナルゾーン(A型)、N7ゾーン(D型)を明確に区別した上表は、1980年に作成したのものですが、この区分が災いして、次項で説明する「PDPC法の偏向活用」の反省につながるわけです。
 

(6) PDPCを勉強しなおして感じたこと

 今回、あらためてPDPCを勉強しなおして強く感じたのは次の2点です。一つは、非常な柔軟性に富むことから、KJ法以上に今後の発展に期待できる点です。というのは、柔軟性の高さはテーマや解析者のタイプによっては使いやすいものの、場合によっては(特にはじめての場合)ある程度の基本パターンをベースに変化させていく方が取りつきやすいので、使用対象の細分化とふさわしい基本パターンの開発が望まれるところです。したがって、次節では、その点に配慮した説明を心がけたつもりです。
 
 いま一つは、筆者の場合、PDPCのタイプ分類の過程で前項で説明したように明確な区分意識があったために、活用と研究を実務に関わる“C型、D型”に特化してきたのですが、今思うとその思いこみが、絶好のA型テーマを看過する愚を犯していたからです。
 
 その反省点を、オリジナルの説明に反映したつもりですが、ここにあらためて言及するので、反面教師として同じ轍を踏まれないことを願う次第です。
 
 次回は、9.4 挑戦管理のためのPDPC法の基本ステップから解説します。
 

この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

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