新QC七つ道具:第3章 連関図法の使い方(その4)

 
【目次】
序論   ←掲載済
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←掲載済
第2章  挑戦管理とN7の選択←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←今回 
第4章  親和図法の使い方   
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方 
第6章  マトリックス図法の使い方 
第7章  系統図法の使い方 
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方 
第9章  PDPC法の使い方 
第10章 PDCA-TC法の使い方

第3章 連関図法の使い方

3.2 混沌解明のための連関図法の基本的ステップ

3.2.1 はじめに

 本節から、スタッフワークレベルの“混沌解明”のための連関図法の使い方の説明に入りますが、筆者が体感した“余法をもって代え難い感じ”を伝えるために2通りの説明の仕方を準備しました。
まず本節において、混沌解明のプロセスを14のステップに整理し、その各々をうまくこなすためのポイントを解説し普遍的な説明をします。次に、第3節において、その内容をより具体的に説明するために、セミドキュメンタリー的な状況設定の事例を準備し、具体事例における連関図の熟成度の推移の中で、本節における普遍的な説明をより具体的、視覚的に説明します。したがって、本節では、細部に関する疑問点にこだわらず、使い方の大筋の把握を主眼として読み通していただき、第3節において思い当たる点に遭遇した際、本節に戻って確認いただくのが効率的です。
 

3.2.2 混沌解明のための連関図法の基本的ステップ

 まず、全貌を把握してもらうために、14のステップと各々のポイントを、若干の説明を付して一覧表にまとめたのが表3-2です。
 
 表3-2. 連関図法による混沌解明のステップとポイント
  
QC7つ道具
 
 この内容は、筆者の諸体験を普遍化を意識して取りまとめたものに、今回時間をかけてレビューした結果新たに気づいたり発見したりした内容を、若干の検証と確認を経て追加したものです。ステップが細かく刻まれていますが、これは経験した勘どころをできるだけ詳しく説明するための細分ゆえ、いわんとするところを理解・把握してもらいさえすれば、後はテーマやメンバーの実情にあわせ、いくつかのステップを並行して進めたり、統合したり、省略したりと臨機応変に進めてもらって結構です。
 
 また、表に対する注記の中には、後述する各ステップの詳細説明内容と重複するものもありますが、この時点で大枠を理解してもらうことを優先し、重複を恐れず記載してあります。いずれにしても、普遍化を意識したとはいえ、筆者の限られた個人的体験をベースにしたものなので、断定的な表現であっても金科玉条的な受け取り方をせず、ご自分の経験と照らし合わせつつ取捨選択していただければ結構かと思います。

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3.2.3 各ステップの詳細説明

 各ステップの記述は、概要説明、ポイントの主文、詳細説明の3段階を準備しました。概要説明でステップの趣旨はつかんでもらえると思いますが、それだけでは不十分で誤解の恐れもあるので通読の場合でも各ポイントの主文までは読まれることをお勧めします。

Step 1:テーマの選定

 設定したテーマによって、入手できるデータが制約されるので注意が必要です。
 

【ポイント 1】悪さ加減を問う形にする。

 “なぜクレームが発生するのか?”のような形になる。対策にはまったく触れず、単に悪さ加減だけを問いかけることにより、テーマを切り口とした現行システムの問題点を幅広く抽出することができます。
 

【ポイント 2】目的を明確にし、それにふさわしいレベルの悪さ加減をテーマに選ぶ。

 代表的なテーマの範疇である“品質問題”で具体例をあげると、「クレームを減少させる活動を通じて不良そのものをなくしたい」と考えているときに、テーマを“なぜクレームが発生するのか?”にすると、入手データがクレームの発生原因、すなわち不良品の流出原因に重点が置かれ、解析結果が意に反する危険性がある。目的に合ったデータを入手するには“なぜ品質不良が発生するのか?”がふさわしい。
 
 安全についても、テーマに選ぶ怪我のレベル(死亡事故、休業災害、不休災害、赤チン災害)により入手データの質は著しく違ってくるわけで、これ以外の範疇の場合も同様、テーマに選ぶ悪さ加減のレベルには慎重を期す必要があります。
 

Step 2:メンバーの選定

 SQCの場合のサンプリング計画に相当し、非常に重要なステップです。
 
 なぜなら、入手データの質やレベルは、解析時にかなりカバーすることができますが、メンバーの選定ミスによる欠落データはカバーのしようがなく、結果として最終結論の妥当性を欠くことが多いからです。
 

【ポイント 1】末端情報を的確に把握している者を選ぶ。

 職制のランクで選ぶのが一般的ですが、末端情報の把握状況は必ずしも職制に対応しないので、職制にこだわらず目的に合った選定を心がけます。
 

【ポイント 2】必ず全部門、全階層を網羅する。

 一見関係なさそうな職場でも除外しないで参画させる方がよいでしょう。なぜなら、ここで対象とするレベルの混沌は、要因が複雑に絡んでおり、思いがけない職場から貴重なデータが入手できることが多いのと、解析結果をもとにしたアクション展開時のベクトル合わせの機会にもなるからです。ただ、ここで期待しているのは“採取データの欠落防止”なので、“全部門、全階層”の定義は、趣旨に沿いさえすれば柔軟でよいでしょう。
 

【ポイント 3】管理職はメンバーからはずす。

 管理職(課長クラス)は、システム設計に関与する立場にあるのでどうしても対策を念頭に置くため、発言データが現行システムから逸脱する傾向にあり、ブレーンストーミングにおけるメンバーの発言に影響するからです。管理職のそういった発想は連関図解析における入手データの取り扱い時に反映させるようにします。
 
 次回は、Step 3:言語データの採取から解説を続けます。
 

この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

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