
LiB電極作製におけるウェット塗工・ドライ方式
材料・プロセスそれぞれの側面から見た【講師2名】によるセミナー!
§1.LiB電極作製におけるウェット塗工・ドライ方式プロセスレビュー
§2.材料から見たLiB電極作製におけるドライ・ウエットプロセスの考察と最新動向
※オンライン会議アプリZoomを使ったWEBセミナーです。ご自宅や職場のノートPCで受講できます。
セミナー趣旨
<第1講>
昨今、ドライプロセスという新たなリチウムイオン電池電極の製造方法が注目されている。現在、主流の塗工法(ウエットプロセス)は、電極製造方法として非常に効率的に高性能な電極製造法として、リチウムイオン電池の上市以来使用されている。一方で正極では多量の有機溶媒を使い、負極では水を溶媒として、これらを乾燥する為に多くのエネルギーを消費するという問題点が指摘されている。ドライプロセスは溶媒を使用せず、乾燥工程を省くことが出来るため注目されている。ドライプロセスの重要なポイントは、バインダー技術と製造機器技術である。本講座では主にバインダー材料からの切り口でそれを説明していく。また、ドライプロセスは全固体電池の製造方法として相性が良いと言われている。その理由や状況を説明して行く。
<第2講>
リチウムイオン電池の電極量産工程で汎用の間欠塗工方式は、各メーカーの独自開発で進化してきたため、体系的に整理した解説は少ないので、製造の共通課題を俯瞰して解説します。加えて最近テスラがEV用に4680型から導入しているドライ製造方式につき、外資企業との関わり深い講師が最新の耳より情報を元に解説する。
習得できる知識
<第1講>
・ドライプロセスの基本的な知識
・ウエットプロセスとドライプロセスの比較
・ドライプロセスと材料の知識
・全固体電池の製造方法としてのドライプロセス
<第2講>
リチウムイオン電極のRoll To Roll製造工程における従来からのウェット塗工方式の間欠塗工・混錬・分散・乾燥技術、テスラを筆頭に欧州や日本国内でもトレンドのドライ方式の製造技術全般をレビューする。
セミナープログラム
第1部 材料から見たLiB電極作製におけるドライ・ウエットプロセスの考察と最新動向
<鈴木氏>
1.リチウムイオン電池の電極
1-1.LiBは何で出来ているか?
1-2.現行LiBのセル製造プロセス
2.ウエットプロセス
2-1.ウエットプロセスの概要
2-2.ウエットプロセスの長所・短所
2-3.水系正極塗工について
3.ドライプロセス
3-1.ドライプロセスの種類
3-2.Polymer fibrillation
3-3.Dry spraying deposition
3-4.パナソニック4680電池の負極
3-5.クレイ電池
3-6.その他のドライプロセス
4.ドライプロセスのメリット・デメリット
4-1.ドライプロセスのメリット
4-2.ドライプロセスの問題点・課題
4-3.バインダーからのアプローチ
5.全固体電池とドライプロセス
6.その他ドライプロセス関連の記事より
第2部 LiB電極作製におけるウェット塗工・ドライ方式プロセスレビュー
<浜本氏>
1.リチウムイオン電池塗工の概要
1-1.フィルムが利用されている製品とフィルム部材の役割り
1-2.性能の変遷(半導体とリチウムイオン二次電池の比較)
1-3.リチウムイオン二次電池の構成と間欠塗工方式
1-4.リチウムイオン電極の塗工ライン
2.特許に学ぶ間欠塗工の変遷
2-1.初期の電極製造(直交貼り合わせ・マスキング・開閉ブレード)
2-2.コンマロールの着脱と断続回転
2-3.スロット間欠方式(流量・ギャップ可変)
2-4.塗り切り厚み調整(ギャップ法)
2-5.バルブ制御と操作因子
3.スロット塗工
3-1.塗工方式に分類(ダイ方式は3種類のみ)
3-2.塗工液濃度の決め方と適した塗布方法
3-3.薄く塗る時、厚く塗る時
3-4.流れイメージに役立つCouette-Poiseuille流
3-5.ビード内の剪断速度
3-6.背面減圧しない操作方法
3-7.ダイ内の流れとマニホールド構造
3-8.塗工量の幅分布を均一化するために
3-9.シムとエッジの厚塗り
3-10.テンションド・ウェブ方式のリップ形状と塗布性
4.コンマ塗工方式の概説
4-1.ブレード塗工
4-2.コンマロールたわみ
4-3.液ダム内の流動とL字バックプレート
4-4.塗工厚みの支配因子と概算方法
5.Roll-To-Roll乾燥
5-1.乾燥現象の支配因子
5-2.多孔板と二次元ノズル(軸対象とスリット)
5-3.溶媒の寄与(水と他の溶媒の比較)
5-4.塗膜の表面温度は湿球温度(空気線図)
5-5.他の溶媒との違い~飽和蒸気圧と温度
5-6.定率期間・減率期間と減率乾燥速度
5-7.減率乾燥の簡易計算
5-8.赤外線乾燥と熱風乾燥の比較
5-9.近赤外線波長制御ヒータ(NIR型)
5-10.赤外線乾燥炉の特許事例
6.スラリーの分散・混錬・調送液
6-1.分散度とレオロジー(静電反発・バインダーによる分散)
6-2.混合・分散設備
6-3.攪拌方式と混合度
6-4.タンク形状・サイズと混合度
6-5.混錬方法(ニーダーとプラネタリーミキサー)
6-6.混錬(バッチ/連続)とパドル形状、WD形状
6-7.二軸連続式混錬
6-8.希釈法から予備混合&高剪断分散へ
6-9.ビーズミル(マイルド分散とビーズのサイズ選定)
6-10.ポンプ負荷は主にスロット
6-11.脱泡(壁面添加・真空度・遠心&減圧)
7.ドライ方式
7-1.“TeslaBatteryDayLivestream(2020)
7-2.日本企業の動向(日本ゼオン、パナソニックエナジー、芝浦機械、三菱鉛筆)
7-3.欧米企業の動向(テスラ、VW、ケーニヒ&バウアー、AMバッテリーズ、FraunhoferIWS、LiCAP)
7-4.韓国・中国企業の動向(LGE、サムスンSDI、SKエナジー、CATL)
7-5.テスラ電池用ドライ電極(DBE)によるリチウムイオン電池「4680」開発・製造動向
7-6.MaxwellTechnologies特許「ドライ電極の製造システム及び製造方法」H.Duongら(2019)
7-7.バインダー(フィブリル化できるPTFEと海苔状のPVDF)
7-8.ドライ電極の機械強度・空隙と厚み分布
7-9.粉体混合と電池性能
7-10.集電体上のプライマー導電層
7-11.実際のドライ工程
7-12.ロール間の粉体圧延(スリップ域とニップ域)、単膜・複合膜の延伸(中立点とスリップ)
7-13.圧延ロールのメッキ剥がれ
7-14.粉体混合(ジェットミル、ロールミル、ビーズミル)
7-15.粉体混合の支配因子(粒子濃度、気流速度、湿度)
7-16.静電方式(圧延の前工程)
7-17.スプレー方式;”CanDryBatteryElectrodesReallyWork?”(2020/12/08)
7-18.PTFE樹脂配合の取り組み
7-19.テスラはGen1、Gen2から将来のGen6へ
スケジュール
10:00~12:30 第1講
12:30~13:30 休憩
13:30~16:00 第2講
持参物
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キーワード:
リチウム電池,LiB,電極,塗工,ドライプロセス,ウェット,全固体電池,WEBセミナー
セミナー講師
第1講:(株)スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング
代表取締役社長 鈴木 孝典 氏
第2講:Andan TEC 代表 浜本 伸夫 氏
<鈴木氏>
1986-1989 呉羽化学工業株式会社 PPSプラントスタートアップ
1989-1993 ポリプラスチックス株式会社(出向) PPSコンパウンド開発、市場開発、技術サポート
1993-1994 呉羽化学総合研究所 PPSコンパウンド開発、プロセス開発
1994-1997 呉羽化学本社 PPS市場開発、生産管理
1997-2005 同上 マネージャー PVDF(市場開発、リチウムイオン電池材料開発、フィルム製造子会社管理、成型技術)PPS (市場開発、製造管理、技術サポート)
2005-2011 株式会社クレハ大阪支店 機能材料部長 (PVDF樹脂, バインダー, PPS樹脂, 炭素繊維, 活性炭, 制電樹脂, 負極材料)
2011-2012 クレハバッテリーマテリアルズジャパン株式会社 開発担当部長兼品質保証部長
2012-2018 アルケマ株式会社 Senior Business development manager for Battery materials 兼 Corporate R&D Development manager for Piezoelectric resin.
2020- (株)スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング 代表取締役社長/コンサルタント(PPS, PVDF and LiB materials)
<浜本氏 講師紹介>
塗工~乾燥を中心としたRoll To Roll工程開発が専門、2021年から加工技術研究会コンバーテック誌の連載記事や展示会レポ、ウェブセミナー講師などで活躍中。
1968年 札幌生まれ。
1992年 北大 工学部 合成化学工学専攻 修士修了
同 年 富士写真フィルム 塗工を中心としたフィルム生産工程業務に従事
2007年 同 社 フラットパネル生産部 主任技師(管理職)
2013年 サムスン電子 総合技術院 素材開発センター 主席研究員 新素材開発に従事
2019年 栗村化学 工程開発チーム長 粘着フィルム・離型フィルム等の工程開発
2021年 米国 Zymergen社 シニアマネージャー バイオ由来ポリイミド開発
2022年 ミドリ安全 商品開発部 ジェネラルマネージャー ニトリルゴム手袋開発
2023年 AndanTECとして執筆・講演・コンサル業を開始
(ウェブサイト https://www.andantecodawara.com)
セミナー受講料
55,000円(税込、資料付)
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・1名で申込の場合、46,200円(税込)へ割引になります。
・2名同時申込で両名とも会員登録をしていただいた場合、計55,000円(2人目無料)です。
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受講料
55,000円(税込)/人