二酸化炭素の削減 :新環境経営 (その20)

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 今回は二酸化炭素の削減について解説します。
 

1. 二酸化炭素排出の現状

 二酸化炭素は温暖化効果ガスとして地球温暖化の原因になっています。IPCC第5次報告書でも、人類が排出する二酸化炭素が温暖化の原因であるとほぼ断定されました。二酸化炭素は人間が吐く息や、牛などのゲップによっても排出されますが、もっとも大きいのが化石燃料を燃やすことによって生成、排出されるものであるといわれています。
 CSR
 その排出量は、1850年頃から増え始め、2000年には1900年比で10倍以上に大幅に増えています。産業革命の進展に伴って、化石燃料は、石炭に始まり、石油、天然ガスに移り、二酸化炭素の排出は減る方向にありますが、それでも世界ではまだまだ石炭が多く使用されていて、結果的に二酸化炭素排出量が温暖化へ影響してしまいます。日本では石炭を燃やしてもその排出を抑制する技術が採用されていますが、新興国ではその排出が垂れ流しの状態です。人間の経済活動にはエネルギーが必要で、これまでは経済成長に必要なエネルギーは欲しいだけ作り出して、使いたい放題でした。しかし、地球はエネルギーの使いたい放題に悲鳴を上げています。二酸化炭素の異常な増加が地球の温暖化を生み、氷河を溶かし、海面上昇を生み、異常気象を引き起こしています。
 

2. 二酸化炭素の排出を減らすには

 二酸化炭素の排出を減らすには、エネルギー消費を減らすことです。地球が二酸化炭素を再生する能力が有限であることを意識して、これまでの便利さ優先の使いたい放題を改め、過剰消費を改めることです。石油ショック時には、原油の高騰による経済性の観点でエネルギー大量消費型の生産設備の省エネが進みましたが、これからは持続可能の観点で省エネを進める必要があります。特にエネルギー消費が伸びているビルや家庭の省エネと共に、物流の省エネを進めることが重要です。
 
 次に、同じエネルギーを作り出すのに投入する化石燃料の量を減らせれば、化石燃料による二酸化炭素の排出を減らせることになります。これは発電施設そのものの効率を上げることであり、設備を提供している重電メーカーが日々の技術開発の中で、エネルギー消費効率向上に取り組んでいます。先にあげた「石炭を燃やしても二酸化炭素排出を抑制する技術」もこれに当たります。尚、技術開発を進めても、最新の機器への置き換えが進まなければ、省エネ及び二酸化炭素削減にはつながらないので、機器の再生処理をも考慮した計画的な最新機器への置き換えが重要です。
 

3. 二酸化炭素の貯留...

 今回は二酸化炭素の削減について解説します。
 

1. 二酸化炭素排出の現状

 二酸化炭素は温暖化効果ガスとして地球温暖化の原因になっています。IPCC第5次報告書でも、人類が排出する二酸化炭素が温暖化の原因であるとほぼ断定されました。二酸化炭素は人間が吐く息や、牛などのゲップによっても排出されますが、もっとも大きいのが化石燃料を燃やすことによって生成、排出されるものであるといわれています。
 CSR
 その排出量は、1850年頃から増え始め、2000年には1900年比で10倍以上に大幅に増えています。産業革命の進展に伴って、化石燃料は、石炭に始まり、石油、天然ガスに移り、二酸化炭素の排出は減る方向にありますが、それでも世界ではまだまだ石炭が多く使用されていて、結果的に二酸化炭素排出量が温暖化へ影響してしまいます。日本では石炭を燃やしてもその排出を抑制する技術が採用されていますが、新興国ではその排出が垂れ流しの状態です。人間の経済活動にはエネルギーが必要で、これまでは経済成長に必要なエネルギーは欲しいだけ作り出して、使いたい放題でした。しかし、地球はエネルギーの使いたい放題に悲鳴を上げています。二酸化炭素の異常な増加が地球の温暖化を生み、氷河を溶かし、海面上昇を生み、異常気象を引き起こしています。
 

2. 二酸化炭素の排出を減らすには

 二酸化炭素の排出を減らすには、エネルギー消費を減らすことです。地球が二酸化炭素を再生する能力が有限であることを意識して、これまでの便利さ優先の使いたい放題を改め、過剰消費を改めることです。石油ショック時には、原油の高騰による経済性の観点でエネルギー大量消費型の生産設備の省エネが進みましたが、これからは持続可能の観点で省エネを進める必要があります。特にエネルギー消費が伸びているビルや家庭の省エネと共に、物流の省エネを進めることが重要です。
 
 次に、同じエネルギーを作り出すのに投入する化石燃料の量を減らせれば、化石燃料による二酸化炭素の排出を減らせることになります。これは発電施設そのものの効率を上げることであり、設備を提供している重電メーカーが日々の技術開発の中で、エネルギー消費効率向上に取り組んでいます。先にあげた「石炭を燃やしても二酸化炭素排出を抑制する技術」もこれに当たります。尚、技術開発を進めても、最新の機器への置き換えが進まなければ、省エネ及び二酸化炭素削減にはつながらないので、機器の再生処理をも考慮した計画的な最新機器への置き換えが重要です。
 

3. 二酸化炭素の貯留(CCS)

 CCS(カーボン・キャプチュア・システム)は、二酸化炭素を化学・工学的に分離回収し、それを貯蔵・利用する手法です。回収して、地中奥深くに埋め、温暖化効果ガスを封じ込めます。経済活動による二酸化炭素の発生が避けられないとすれば、それをまとめて地中に閉じ込めらる発想で技術開発が進められました。現在も技術開発とトライアルが続けられていますが、二酸化炭素を地中に閉じ込めた時の2次的な影響や、生態系への影響など未解明の点もあり、公害に繋がらないかなどの検証も必要です。
 
次回は、省エネ、創エネ、畜エネについて、解説します。
 

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この記事の著者

石原 和憲

人と地域をつなぐ、交流型イノベーター

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