購買業務の要点:サプライヤー集約

更新日

投稿日

 SCM前回のその10に続いて解説します。サプライヤー評価を実施したらその結果に基づきAランクからDランクまで分類します。Dランクは取引停止対象だというお話を前回させていただきました。物を発注する時に特定のサプライヤーだけに発注することは望ましくありません。なぜなら独占状態にあると価格が下がりづらいだけでなくサービス水準も向上しないからです。
 
 では多くのサプライヤーに分散発注すればよいのかというとそれも程度の問題です。なぜなら一定の発注量のものを多くのサプライヤーに発注すると1社当たりの発注量が少なくなり戦略的な価格を得ることができないからです。
 
 一つのコモディティ(部品や材料など)に対して2社か3社が妥当なところではないでしょうか。ポイントはサプライヤーを「競合状態におく」ことと「1社当たりの発注量を確保する」ことではないでしょうか。
 
 購買戦略の中にサプライヤー集約という手法があります。これはまさに1社当たりの発注量を増やして価格を下げてもらうというやり方です。購買品目カテゴリー別に取引サプライヤー数の目標値を設定し、徐々にサプライヤーを集約していくことをお勧めします。
 
 「輸送」を一つの購買品目とするならば、現在の取引輸送会社が9社あるものを3年かけて3社に集約する目標を設定したとします。毎年輸送会社評価を行い、1年目に下位2社との取引を停止し、以降2年目に2社、3年目に2社と取引を停止することで3社との取引に集約されます。
 
 これによって今まで9社に分散発注されていた荷量を3社に発注することになりますので、単純計算で1社当たりの発注量が3倍になります。それによって輸送価格が下げられることにつながるのです。これがサプライヤー集約の効果で...
 SCM前回のその10に続いて解説します。サプライヤー評価を実施したらその結果に基づきAランクからDランクまで分類します。Dランクは取引停止対象だというお話を前回させていただきました。物を発注する時に特定のサプライヤーだけに発注することは望ましくありません。なぜなら独占状態にあると価格が下がりづらいだけでなくサービス水準も向上しないからです。
 
 では多くのサプライヤーに分散発注すればよいのかというとそれも程度の問題です。なぜなら一定の発注量のものを多くのサプライヤーに発注すると1社当たりの発注量が少なくなり戦略的な価格を得ることができないからです。
 
 一つのコモディティ(部品や材料など)に対して2社か3社が妥当なところではないでしょうか。ポイントはサプライヤーを「競合状態におく」ことと「1社当たりの発注量を確保する」ことではないでしょうか。
 
 購買戦略の中にサプライヤー集約という手法があります。これはまさに1社当たりの発注量を増やして価格を下げてもらうというやり方です。購買品目カテゴリー別に取引サプライヤー数の目標値を設定し、徐々にサプライヤーを集約していくことをお勧めします。
 
 「輸送」を一つの購買品目とするならば、現在の取引輸送会社が9社あるものを3年かけて3社に集約する目標を設定したとします。毎年輸送会社評価を行い、1年目に下位2社との取引を停止し、以降2年目に2社、3年目に2社と取引を停止することで3社との取引に集約されます。
 
 これによって今まで9社に分散発注されていた荷量を3社に発注することになりますので、単純計算で1社当たりの発注量が3倍になります。それによって輸送価格が下げられることにつながるのです。これがサプライヤー集約の効果です。
 
 もちろん、一度取引停止となったサプライヤーでも復活取引の可能性は残しておきましょう。それも根拠となるのはサプライヤー評価です。必ずしも取引停止サプライヤーは候補会社リストからまでも外す必要なはいのです。
 
 次回、その12では、財務的安定性について解説します。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントと企業収益との関連性

 サプライチェーンマネジメントにおける大きな課題は、オペレーションの連携です。必要なものを・必要な時に・必要な量だけ・必要なところへ供給するのがジャストイ...

 サプライチェーンマネジメントにおける大きな課題は、オペレーションの連携です。必要なものを・必要な時に・必要な量だけ・必要なところへ供給するのがジャストイ...


ROA(対在庫資産運営利益率)によるキャッシュフロー経営

 サプライチェーンの立場から言えば、どんな時代でもモノの流通が人間の生活に必要なのは普遍であり、必要とされる需要が減少することはあっても、ある規模の生産量...

 サプライチェーンの立場から言えば、どんな時代でもモノの流通が人間の生活に必要なのは普遍であり、必要とされる需要が減少することはあっても、ある規模の生産量...


精度確保のキー『ブルウィップの克服』 SCM最前線 (その9)

   前回のその8に続いて解説します。   3. ブルウィップ克服の方向性    それでは、ブルウィップを克服する...

   前回のその8に続いて解説します。   3. ブルウィップ克服の方向性    それでは、ブルウィップを克服する...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  リターナブル容器とは:荷姿改善の重要性(その3)

  ◆容器管理の難しさ 荷姿の中でも最も注意が必要なのは「容器管理」です。リターナブル容器はワンウエイ荷姿が環境上問題があるという理由と...

  ◆容器管理の難しさ 荷姿の中でも最も注意が必要なのは「容器管理」です。リターナブル容器はワンウエイ荷姿が環境上問題があるという理由と...


物流作業の特徴は作業の自由度が高いこと 物流標準時間導入成功のポイント(その2)

 物流標準時間導入成功のポイント、前回のその1に続いて、解説します。           物流作業を標準化しその作業に時間値を付けて行くことで物流...

 物流標準時間導入成功のポイント、前回のその1に続いて、解説します。           物流作業を標準化しその作業に時間値を付けて行くことで物流...


  空き時間と仕事:物流収支を知る(その3)

  ◆空き時間も有効に活用する 物流現場を預かる監督者であれば、今の物流の状態が良いのか悪いのかについて判断できなければなりません。常に...

  ◆空き時間も有効に活用する 物流現場を預かる監督者であれば、今の物流の状態が良いのか悪いのかについて判断できなければなりません。常に...