運賃と物流コスト:物流コスト改善に取り組む(その1)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 運賃と物流コスト

物流に期待されている役割は、サプライチェーンをマネジメントしていく事のはずです。しかしその前に「余分なコストは削減しろ」と言われているのです。物流というと「コストだ」という人が圧倒的に多いようです。もちろん物流はコストだけというわけではありませんが、そのような認識を持たれても致し方のない部分はあります。

 

では物流コスト改善の削減余地はどれくらいあるでしょうか。日本ロジスティクスシステム協会の調査では、一般的に日本企業の売上高に占める物流コストは5.7%くらいと言われています。この水準をどうとらえるかですが、多くの会社で売上高に占める営業利益が5%に届かない現状を鑑みると、少なくとも5.7%は小さいとは言い切れないのではないでしょうか。

 

物流改善の重要性が提唱されて30年以上が経過していますが、実際に物流改善に真剣に取り組んでいる会社はそれほど多くないようです。削減余地は多分にあると考えるべきでしょう。では今から物流コストをどのように下げていったらよいのでしょうか。

 

日本には運送事業者がおよそ6万2000社あります。これはトラック運送事業が自由化されて一気に増えた結果です。ユーザーの観点からは買い手市場のように思われます。一方で、もうどなたも認識されていると思いますが、最近はトラックドライバーが不足気味です。ドライバーの高齢化も着実に進んできています。

 

トラックドライバーを含む運転職の有効求人倍率は2倍を超えています。要はトラックドライバーは魅力のない職業ととらえられているのです。外国人労働者がトラック運転の仕事で解禁されれば別ですが、ユーザーにとっても運送事業者にとっても、ドライバー不足は深刻な問題であると言えそうです。

 

この環境下では物流コストの大きなポーションを占める「運賃」はなかなか下げづらくなってきたと言えそうです。では物流コストは上がるのでしょうか。筆者はユーザーがやるべき物流改善に取り組む限りにお...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ 運賃と物流コスト

物流に期待されている役割は、サプライチェーンをマネジメントしていく事のはずです。しかしその前に「余分なコストは削減しろ」と言われているのです。物流というと「コストだ」という人が圧倒的に多いようです。もちろん物流はコストだけというわけではありませんが、そのような認識を持たれても致し方のない部分はあります。

 

では物流コスト改善の削減余地はどれくらいあるでしょうか。日本ロジスティクスシステム協会の調査では、一般的に日本企業の売上高に占める物流コストは5.7%くらいと言われています。この水準をどうとらえるかですが、多くの会社で売上高に占める営業利益が5%に届かない現状を鑑みると、少なくとも5.7%は小さいとは言い切れないのではないでしょうか。

 

物流改善の重要性が提唱されて30年以上が経過していますが、実際に物流改善に真剣に取り組んでいる会社はそれほど多くないようです。削減余地は多分にあると考えるべきでしょう。では今から物流コストをどのように下げていったらよいのでしょうか。

 

日本には運送事業者がおよそ6万2000社あります。これはトラック運送事業が自由化されて一気に増えた結果です。ユーザーの観点からは買い手市場のように思われます。一方で、もうどなたも認識されていると思いますが、最近はトラックドライバーが不足気味です。ドライバーの高齢化も着実に進んできています。

 

トラックドライバーを含む運転職の有効求人倍率は2倍を超えています。要はトラックドライバーは魅力のない職業ととらえられているのです。外国人労働者がトラック運転の仕事で解禁されれば別ですが、ユーザーにとっても運送事業者にとっても、ドライバー不足は深刻な問題であると言えそうです。

 

この環境下では物流コストの大きなポーションを占める「運賃」はなかなか下げづらくなってきたと言えそうです。では物流コストは上がるのでしょうか。筆者はユーザーがやるべき物流改善に取り組む限りにおいては、必ずしもそうならないと見ています。

 

物流コストは物流価格(運賃)だけで成り立っているわけではありません。物流業務を効率的に実行できない場合に発生するロスも物流コストの大きな部分を占めます。そこでユーザーはこのロスの部分に注目し、物流コストを改善していく活動を進める必要があるのです。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


関連する他の活用事例

もっと見る
物流アウトソースにあたっての留意点 (その2)

1. 物流アウトソース:RFIとRFPの実行  アウトソース先には物流条件をできるだけ詳しく伝えましょう。たとえば輸送業務をアウトソースするのであれ...

1. 物流アウトソース:RFIとRFPの実行  アウトソース先には物流条件をできるだけ詳しく伝えましょう。たとえば輸送業務をアウトソースするのであれ...


現場同士の話し合いのみで契約内容を変更 荷主と物流事業者の関係(その3)

        荷主と物流事業者の間で、特に現場同士の話し合いのみで契約内容を変更してしまう傾向があるようです。しかしそう簡単に契約内容を変更してし...

        荷主と物流事業者の間で、特に現場同士の話し合いのみで契約内容を変更してしまう傾向があるようです。しかしそう簡単に契約内容を変更してし...


他社との共同物流とは

1. 輸配送の共同化  物流の効率を向上させるためには何が効果的でしょうか。それはずばり荷量をまとめるということです。一般的に荷物が分散すると物流の...

1. 輸配送の共同化  物流の効率を向上させるためには何が効果的でしょうか。それはずばり荷量をまとめるということです。一般的に荷物が分散すると物流の...