製造業の中の物流:製造業に学ぶ(その1)

投稿日

 

◆ 物流作業速度の違い

日本でグローバルで競争力のある産業は製造業の一部です。物流は残念ながら競争力がない産業に区分されると思います。しかし悲観することはありません。私たちが努力することで競争力をつけることは十分に可能だからです。

 

私たち物流業はもっともっと改善できるのに、それに気づいていないだけだと思われます。なぜなら、物流業に携わる人たちは他の産業を見たことがない可能性が大きいからです。しかし製造業の中にもいろいろな物流作業があります。企業によっては物流事業者よりずっと規模の大きい物流を行っているケースもあります。

 

製造業の中の物流は、物流業のそれよりも改善が進んでいます。それはなぜでしょうか。それは製造も物流の同じ建屋の中にいるからです。製造現場が常に改善を繰り返すことに刺激を受けた物流も同様のことを行っているわけです。会社としても製造だけではなく、物流にも効率化目標を課していると思われます。そしてそれは自然な流れであると考えられます。

 

そうした改善を行うことが当たり前という企業文化を構築していきたいものです。まず物流業としては製造業の現場を見に行くとよいと思います。さまざまな違いに気づくことでしょう。意外とサプライズな点があるかもしれません。特に大きな違いとして作業速度が挙げられます。

 

標準時間に基づいて作業を行っている製造業と、作業者にペースを任せ、マイペースで作業を行っている物流業とでは当然大きな差が出てくるのです。「同じピッキング作業」を行っても、4倍以上の差があることに驚くことでしょう。物流業としては驚いているばか...

 

◆ 物流作業速度の違い

日本でグローバルで競争力のある産業は製造業の一部です。物流は残念ながら競争力がない産業に区分されると思います。しかし悲観することはありません。私たちが努力することで競争力をつけることは十分に可能だからです。

 

私たち物流業はもっともっと改善できるのに、それに気づいていないだけだと思われます。なぜなら、物流業に携わる人たちは他の産業を見たことがない可能性が大きいからです。しかし製造業の中にもいろいろな物流作業があります。企業によっては物流事業者よりずっと規模の大きい物流を行っているケースもあります。

 

製造業の中の物流は、物流業のそれよりも改善が進んでいます。それはなぜでしょうか。それは製造も物流の同じ建屋の中にいるからです。製造現場が常に改善を繰り返すことに刺激を受けた物流も同様のことを行っているわけです。会社としても製造だけではなく、物流にも効率化目標を課していると思われます。そしてそれは自然な流れであると考えられます。

 

そうした改善を行うことが当たり前という企業文化を構築していきたいものです。まず物流業としては製造業の現場を見に行くとよいと思います。さまざまな違いに気づくことでしょう。意外とサプライズな点があるかもしれません。特に大きな違いとして作業速度が挙げられます。

 

標準時間に基づいて作業を行っている製造業と、作業者にペースを任せ、マイペースで作業を行っている物流業とでは当然大きな差が出てくるのです。「同じピッキング作業」を行っても、4倍以上の差があることに驚くことでしょう。物流業としては驚いているばかりではよいわけがありません。

 

同じ人間がやることですから、これに追い付かなければなりません。そうでなければ生産性が4倍違うのですから、給与格差を設けなければならないかもしれません。その他に見えてくる違いについて引き続き考えていきましょう。

 

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCM効率を評価するKPIの新提案 SCM最前線 (その14)

 前回のその13に続いて解説します。   1. SCMの改善・改革    前回までの連載では、現在SCMには効率を適切に評価す...

 前回のその13に続いて解説します。   1. SCMの改善・改革    前回までの連載では、現在SCMには効率を適切に評価す...


サプライチェーンのリードタイム別ビジネスモデル

 モノの流れを扱うサプライチェーンにおいて、鉄鋼業のような付加価値の高い素材型産業、自動車のような総合組立型機械産業、複写機やコンピュータのような電器セッ...

 モノの流れを扱うサプライチェーンにおいて、鉄鋼業のような付加価値の高い素材型産業、自動車のような総合組立型機械産業、複写機やコンピュータのような電器セッ...


格差が拡がるSCM   SCM最前線(その2)

 SCM最前線、前回のその1に続いて解説します。   1.SCM達成度は範囲よりも質が重要     これまで、SCM...

 SCM最前線、前回のその1に続いて解説します。   1.SCM達成度は範囲よりも質が重要     これまで、SCM...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流で儲ける 物流関心度を高める(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   「物流で儲ける」こんなことはできるのでしょうか。物流はサプライチェーン効率化のキーですから、「物流で儲ける」こ...

 前回のその2に続いて解説します。   「物流で儲ける」こんなことはできるのでしょうか。物流はサプライチェーン効率化のキーですから、「物流で儲ける」こ...


サプライチェーン全体の改善へ 会話を通して物流改善スキル向上(その3)

◆ 製造、販売との会話  物流の問題を知りたい場合、小売りの最前線にいる人や、製造現場で働く人たちと話をしてみるのです。そうすると、そういった人たち...

◆ 製造、販売との会話  物流の問題を知りたい場合、小売りの最前線にいる人や、製造現場で働く人たちと話をしてみるのです。そうすると、そういった人たち...


物流の効率化とは

  1.資源の共同利用 トラック1台を走らせるコストは荷量が満載だろうと、半分しか積んでいなかろうと原則として同じです。であるならば、荷...

  1.資源の共同利用 トラック1台を走らせるコストは荷量が満載だろうと、半分しか積んでいなかろうと原則として同じです。であるならば、荷...